高齢の家族のトイレ介助をおこなう際に「トイレには行きたくない!」「どうして今行くんだ!」といったトイレを拒否された経験がある家族の方も多いでしょう。
この記事では、高齢者のトイレ拒否に関する対応方法や拒否が起こる原因を解説しています。
高齢の家族のトイレ拒否に関して少しでも負担を減らしたい方は、是非、参考にしてみてください。
トイレの介助中に手を払いのけられたり暴言を吐かれたりすると、戸惑い、イライラしてしまう方が多いでしょう。以下では、トイレ拒否に関する対応方法をまとめました。
拒否されたからといって、強引にトイレへ連れて行ったり無理やり下着を下ろしたりしてはいけません。拒否された場合は一呼吸おき、本人の気持ちに寄り添い、認めてあげることが重要です。
また、介護者が複数いる場合、声をかける人を変えてみたり、本人が一目置いている人(主治医など)の名前を出してみたりなど「あなたのことを心配している」というメッセージを伝え、本人との信頼関係を構築することも大切です。
トイレに誘導するタイミングを誤ると「さっきも行ったのに!」「しつこい!」などと思わせてしまい、トイレ拒否へとつながることも。そうならないためには、トイレに行く時間を日々記録し、把握しておくことをおすすめします。同じ時間にトイレ誘導することで、本人のリズムで排泄でき、トイレ拒否改善にもつながります。
また声をかける際は、「トイレの時間だから行くよ!」といった強制感のある言葉ではなく、「トイレは大丈夫?」など、本人の気持ちに寄り添った声かけをしましょう。
認知症の方は、トイレの場所がわからないために拒否している可能性があります。
トイレの場所がわからない原因は見当識障害にあり、時間や場所がわからなくなる症状が出ます。そのため、トイレの前には「トイレ」「便所」「お手洗い」「厠」など、本人が呼んでいるトイレを指す単語を大きく表示すると認識しやすいでしょう。
また、夜間は家全体が暗く、トイレの場所を認識していない可能性もあります。そのため、廊下やトイレ前は照明をつけて明るくしておき、トイレの場所をわかりやすくしておくと良いです。
認知症が原因で狭い空間であるトイレが怖い場所であると認識している場合、本人が好きな写真や花をトイレに飾ってあげることで、拒否感を軽減できます。特にペットの写真は、アニマルセラピーの効果があるとされ、心が落ち着いたりストレスを軽減できたりするのでおすすめです。
また、トイレへの誘導は「ワンちゃんの写真を見に行こう」「綺麗な花が咲いているよ」といった形で声かけし、トイレが楽しい場所ということを認識してもらうのも大切です。
身体的・精神的な理由から、突然、トイレ拒否が始まることは珍しくありません。介護する人からすれば原因もわからず、困惑してしまうケースも…。以下ではトイレ拒否が起こる原因をまとめました。
認知症の進行による見当識障害の症状は、トイレ拒否を起こす主要な原因のひとつです。トイレの場所がわからなくなるため、不安を感じトイレ拒否へとつながるのです。
また、症状がひどくなると「トイレは何をする場所なのか」「トイレとは何なのか」など言葉が理解できなくなり、ところ構わず排泄してしまうこともあります。
介護する人が、プライバシーに配慮せず人前で排泄について聞いてしまうと、恥ずかしさからトイレ拒否につながることもあります。
身体機能の低下によって排泄コントロールがうまくいかなくなると、排泄に間に合わず失敗してしまうことがあります。一度失敗してしまうと、トイレが嫌な思いをする場所として認識され、トイレ拒否につながることも多いです。
トイレを拒否されるからといって、おむつを安易に使用するのはやめましょう。一見、メリットが大きいように見えるおむつですが、一方でデメリットも存在します。
おむつの使用は最終手段として考え、トイレでの排泄が基本であることを忘れないようにしましょう。
ただし、安心できる排泄と同じぐらい介護者の負担軽減も大切です。
家族とはいえ、何度も拒否されるとついイライラしてしまい、穏やかなままではいられないことも。家族であるがゆえに「早くトイレに行くよ!」「なんで失敗するの!」などと強い口調になってしまうこともあるかもしれません。
そのようなときは、本人のペースや意思を尊重して、気持ちに寄り添い、優しく介護しましょう。焦らずゆっくりと介護していくことで、良い結果が生まれる場合もあります。
本人がトイレに行くことを拒否している場合、気持ちに寄り添い認めてあげることが大切です。無理やりトイレに誘導することでより強い拒否が生まれ、最悪の場合、暴力を振るう場合もあります。まずは本人の気持ちを優先し、時間を空けて声かけをすると良いでしょう。
トイレの前に大きく「トイレ」「便所」「お手洗い」「厠」など、本人にわかりやすく場所を示してあげると良いでしょう。また、夜間には照明をつけ明るくしておき、トイレを認識しやすくしておきましょう。
認知症が原因で、狭い空間であるトイレが怖い場所であると認識している方も多いです。そんなときは、トイレに高齢者の方の好きな写真や花を飾ってみるのはいかがでしょうか。高齢者の方の好きなものを置けば興味を引くこともできますし、好きな写真や花を見ることで明るい気持ちにもなります。
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