代表

福島 実さんの
監修記事一覧

2004年から福祉の仕事に就き、訪問介護職員、デイサービス管理者などを経験。2015年から介護支援専門員としてのキャリアをスタートさせ、2022年8月に「みらいど」を自ら起ち上げる。2023年6月には「一般社団法人みらいど」に法人化。同年に「みらいどケアプランセンター」を立ち上げ、福祉を軸にした多角的に運営をおこなう。保有資格:介護福祉士、主任介護支援専門員、相談支援専門員、福祉住環境コーディネーター2級。
老人ホームの費用が支払えなくなる原因は、資金が底をついたり家族の援助が受けられなくなったりとさまざまです。
介護の基礎知識

老人ホーム入居で保証人は絶対に必要?|いない場合の対処法も解説

老人ホームの入居には、保証人や身元引受人が必要な場合もあります。保証人や身元引受人はどのような役割があり、いない場合にはどのように対処したら良いのかを解説します。 なぜ身元保証人・身元引受人が必要なのか 老人ホーム入居時になぜ身元保証人・身元引受人が必要なのかと言うと、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためです。老人ホームでは対応しきれないことが起こった場合に、入居者に代わって対応するのが身元保証人・身元引受人です。 緊急連絡先入居中の治療方針の判断や入院手続き費用の支払いが滞ったときの支払い対応入居者が亡くなったときの身柄の引き取り 保証人には上記のような役割があり、きちんと責任の所在を明らかにしておくことで老人ホーム側はリスク回避をしているのです。 身元保証人・身元引受人の人数は施設による 1名で身元保証人と身元引受人を担うことができる老人ホームなども多いですが、老人ホームの中には身元保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあります。 連帯保証人という経済的な債務を負う役割と、身元引受人や身元保証人として身元保証と身元引受をわけて1名ずつ立てる場合もあります。施設によって異なるので、見学や入居を希望する場合はしっかり確認しましょう。 入居途中に変更もできる 入居時に決めた身元保証人や身元引受人は、後から変更することができます。身元保証人や身元引受人が病気になってしまったり、先に亡くなってしまう場合もあります。 身元保証人や身元引受人の役割を果たせなくなってしまった場合には、すぐに施設へ連絡し新しい身元保証人や身元引受人を立てる必要があります。その際は新しい身元保証人や身元引受人に関する書類を提出し、改めて契約を結びます。 身元保証人・身元引受人の条件は? 身元保証人や身元引受人の条件は、その役割に対して責任を担うことができる人物でなければなりません。 身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いですが、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあります。 身元保証人や身元引受人には、年齢や年収、資産状況など具体的な条件が決められているわけではありませんが、契約するときには収入を証明する書類の提出が必要です。 施設によっては身元保証人になる人には年齢や収入状況、資産状況などの条件がある施設もあるので、見学時に確認しましょう。 身元保証人・身元引受人の違い 老人ホームによっては、身元保証人と身元引受人とをはっきりと区別しておらず、一人でその両方の役割を担う施設もあります。 身元保証人と身元引受人を区別している老人ホームでは、身元保証人の役割は主に債務の保証です。 身元引受人は、入居者が亡くなった際の手続きや老人ホームでの生活に困難が起こった場合や病気の治療面などにおいて、本人の意思を尊重した対応や決断をする役割を担うことが多いです。 身元保証人・身元引受人の役割 それでは身元保証人と身元引受人の具体的な役割について説明しましょう。 緊急時の連絡先生活上の各種手続き本人に代わる意思決定金銭の連帯保証身柄の引き取り 1.緊急時の連絡先 老人ホーム内での怪我や事故が起きてしまった場合や、体調の急変で救急搬送されたときなどの緊急時に身元保証人と身元引受人に連絡が来ます。 遠方に住んでいてすぐに来ることができない場合には、老人ホームなど施設のスタッフが付き添ってくれることが多いですが、なるべく早く駆けつけ対応することが求められます。 2.生活上の各種手続き 身元保証人と身元引受人は、入院・退院時の手続きや支払いのための銀行の手続き、年金や保険に関する行政手続きなどを入居者本人に代わっておこなうことになります。 3.本人に代わる意思決定 本来なら本人が決めるべき重大なこと、例えば病院で治療を受けた際の治療方針や老人ホームでのケアプランの決定などを、入居者が認知症だったり判断能力が衰えたりしている場合に本人に代わって意思決定をします。 4.金銭の連帯保証 老人ホームの月額使用料など、支払いが滞った場合には身元保証人が債務を負うことになります。 5.身柄の引き取り 老人ホームを退去するときや、亡くなったときには身柄を引き取る必要があります。退去に必要な手続きや私物などの引き取り、未払いの費用があればそれを清算しなくてはなりません。 身元保証人・身元引受人がいないときの対処法 身元保証人や身元引受人がいないときには、いったいどのように対処すればいいのでしょうか。 保証会社を利用する 身元保証人や身元引受人の役割を代行してくれる保証会社は、民間企業やNPO法人によって運営されています。弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。 保証会社によっては、役所関係の手続きや老人ホームとの打ち合わせなど生活面でのサポートをしてくれたり、財産管理や入居者の意思に沿った葬儀の手配や喪主代行まで請け負ってくれる会社もあります。 保証会社によってサービス内容や月々の費用も大きく異なります。信頼度や実績を考慮し、自分の希望に合う保証会社を慎重に選ぶ必要があります。 身元保証人・身元引受人 身元保証人や身元引受人として、老人ホーム入居時の手続きや入院や転院の手続き、 老人ホームの月額費用、入院費の連帯保証、退去時や死亡時の身柄引き受けをおこなってくれます。 生活サポート 入居者の役所関係の手続きや老人ホームなど介護事業所との打ち合わせ、ケアプランの同意など生活サポートをお願いできる保証会社もあります。 財産・金銭の管理 入居者の年金口座や生活費口座の管理、家賃などの不動産収入の回収など、その他必要な財産管理もお願いできます。 葬儀・納骨、死後の整理 保証会社には入居者の生前の意思に従った葬儀・納骨の手配だけでなく、喪主代行や遺族への連絡を請け負ってくれるところもあります。また、行政への連絡や家財の処分もお願いできる場合もあります。 身元保証会社の費用と選ぶ際の注意点 身元保証会社を選ぶ際にはどのようなことに注意して選べば良いのか説明します。 老人ホームと保証会社の提携が増加している 身元保証人不要とパンフレットなどに記載し、それをメリットのひとつとしている老人ホームもあります。 そういった老人ホームは身元保証会社と連携していることが多く、保証サービスを利用することが入居条件となっているところもあるようです。 身元保証人がいなくても老人ホームに入居できますが、身元保証サービスの費用も追加で必要になってきます。追加の費用も含めて支払っていける金額なのかをしっかり確認しましょう。 保証会社にかかる費用 身元保証会社を利用するには当然費用が必要となります。身元保証会社によっても、利用するサービス内容によって費用は大きく異なります。当然ながら、サービスを利用するだけ費用がかかります。 預託金としてあらかじめまとまった金額を先払いし、何かあったときには預託金から支払うスタイルや、契約時の初期費用とさらに月額費用も引き落とされる二重払いになっていることもあります。 契約内容によってはかなり高額になることもあるので、事前に費用を確認しましょう。 保証会社の選び方 普段は利用する機会の少ない身元保証会社ですから、どこを選んで良いのかを見極めるのは難しいものです。 身元保証会社の仕組みや保証内容、契約条項など複雑な部分も多いので、信頼できる第三者に同行してもらい納得した上で契約するのがベストです。 サービスに見合った費用か 身元保証会社のサービスはこれまで説明してきたとおり、幅広いサービス内容を展開している会社も多いです。 さらに身元保証会社によって預託金、月額費用、初期費用などかかる費用の種類も異なります。1社だけの話を聞いて契約するのではなく、2〜3社の説明を聞いて比較してみるとそれぞれの違いがわかり、費用に見合ったサービスかどうかも見えてくるでしょう。 保証会社が破綻した場合を確認する 近年では身元保証会社が破綻し、身元保証や預託金の返還でトラブルが増えています。 身元保証がなくなることで入居している老人ホームにいられなくなってしまうかもしれないという不安や、入金した預託金が全額返還されるかどうかもわかりません。 万が一のことも考え、身元保証会社が破綻したらどうなるのかを契約前に確認し、納得できない場合には契約を考え直すなど慎重に進めましょう。 成年後見人は身元保証人になれない 成年後見人は身元保証人にはなれません。成年後見人は入居者の財産を管理するので、その法定代理人が入居者の債務を連帯保証するということはできません。 自分で管理している財産を、自分で連帯保証をするといった状態になってしまうからです。そのため、成年後見人が身元保証人になるのは職務権限外となります。 成年後見人と身元保証会社の違い 成年後見人と身元保証会社との大きな違いは、万が一資産がなくなり支払いができなくなっても、生活保護などの行政手続きを成年後見人がおこなうことができるため、支払いが滞らない点です。 生活保護者の受け入れが不可の老人ホームの場合だと施設を変えることになりますが、その手続きも成年後見人が務めることができます。その点では、老人ホームにとっては成年後見人と身元保証会社のどちらでも良いといえるのかもしれません。 特別養護老人ホームでも身元引受人は必要? 特別養護老人ホームの中には、身元保証人や身元引受人がいない人でも入居できる可能性があります。 そのため身元引受人を用意できない場合や、生活保護を受給しているため身元保証会社を利用できない場合は、特別養護老人ホームへの入居を検討してみましょう。 ですが、全ての特別養護老人ホームが身元保証人や身元引受人がいなくても入居できるわけではありません。特別養護老人ホームの入居は、原則65歳以上で要介護3以上の介護認定が出ていることが条件です。 利用希望者が多いため入居までに長期間かかることもあります。ただし、緊急性を要する場合には優先的に入居できる場合もあります。 ​​身元保証人・身元引受人が不要な施設を探す 2014年に公共社団法人がおこなった実態調査では、老人ホームなどの施設の91.3%が身元保証人を必要としているとの結果が出ています。 出典:「病院・施設等における身元保証等に関する実態調報告書 」((公社)成年後見センター・リーガルサポート) とはいえ、施設によっては身元保証人や身元引受人不要と謳っている施設もあるので、身元保証人や身元引受人がいなくても諦める必要はありません。しかし施設によっては、身元保証会社の利用が条件だったりする場合もあるので注意が必要です。 将来に備え身元保証人・身元引受人を検討する 老人ホームに入居する場合には、身元保証人や身元引受人を立てる必要がある施設が多いです。 「まだ元気」「まだ若い」と先延ばしにするのではなく、いざ必要に迫られた際に慌てないで済むように、「身元保証人・身元引受人を誰に頼むのか」「身元保証会社を利用するのか」「後見人へと依頼するのか」など、余裕を持って検討しておくことが重要です。 老人ホームの入居に必要な身元保証人・身元引受人に関するよくある質問 老人ホームに身元保証人・身元引受人は必要ですか? 老人ホームの入居には、基本的に身元保証人や身元引受人が必要です。理由として、老人ホーム側では責任を負えないリスクを回避するためということが挙げられます。 老人ホームの中には保証人と身元引受人を別々に立てなくてはならない施設もあるので、入居を検討する際は注意しましょう。 身元保証人・身元引受人がいない場合はどうすれば良いですか? 身元保証人・身元引受人がいない場合は保証会社を利用しましょう。保証会社は、弁護士や司法書士、行政書士といった法律の専門家と連携し、身元保証や連帯保証を引き受けてくれます。 ただし保証会社によってサービス内容が異なり、サービスが多くなれば自ずと費用もかかります。事前にパンフレットや電話などで詳細について確認し、信頼できる保証会社を選択しましょう。 友人が身元保証人・身元引受人になることは可能ですか? 一般的に身元保証人や身元引受人は配偶者や子ども、親族がなることが多いです。ただし、施設によっては条件を満たせば友人や知人が引き受けることもできる施設もあるので、見学時に確認しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "老人ホームに身元保証人・身元引受人は必要ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
介護事業所との上手な付き合い方、各サービスの選び方を解説
介護の基礎知識

介護事業所との上手な付き合い方|主な在宅サービスの選び方

在宅サービスとは専門スタッフが自宅を訪問して食事、入浴など身の回りのサポートをおこなってくれる介護サービスです。 また、自宅から施設に通いリハビリなどを受けられる介護サービスもあります。この記事では、介護事業所との付き合い方や主な在宅サービスの選び方などを解説します。 自宅で受けられる介護サービスの選び方 自宅で受けられる介護サービスは、事業所によってそれぞれ特徴や強みがあります。ここでは、選ぶ際のポイントを見ていきましょう。 訪問介護を選ぶ際のポイント 訪問介護サービスを選ぶ際、最も大切なのはヘルパーとの相性です。まずは、身近に訪問介護を利用している人がいれば事業所の評判を聞いてみましょう。 今はインターネット上にも雰囲気などが載っているので口コミを参考にし、担当のケアマネジャーに相談したり、事業所の担当者に直接聞いてみても良いでしょう。 訪問看護を選ぶ際のポイント 訪問看護を選ぶ際「自宅から近いエリアか」「専門的な知識が豊富か」などのポイントを意識して選びましょう。 サービスの内容は基本的にどこの事業所も同じですが、差別化を図っていたり、「認知症の人の対応に特化している」など専門性を強みにしている事業所もあるので、利用目的に合った事業所を選びましょう。 その際、担当のケアマネジャーや主治医に勧められた事業所を必ずしも利用しないといけないわけではありません。最終的には、本人、家族が納得した事業所を選びましょう。 訪問入浴を選ぶ際のポイント 訪問入浴を選ぶ際「キャンセル料がかかるか」「浴槽を自宅に持ち込むので衛生管理が徹底されているか」「入浴中の体調の急変など緊急時の対応はどうなっているか」をチェックしましょう。 浴槽を搬入するので男性のスタッフが訪問することも多く、利用者が女性の場合は抵抗がある人も多いでしょう。事前に入浴介助は「同性を希望する」など希望を伝えておくことをおすすめします。 こういった本人や家族の希望をどの程度対応してくれるかも選ぶポイントになってくるでしょう。 訪問リハビリを選ぶ際のポイント 訪問リハビリを選ぶ際、どのような専門スタッフが在籍しているかを事前に確認することが必要です。 利用者が認知症の場合は、リハビリを拒絶することがあります。そういった場合、認知症ケアを専門にしていたり、認知症の知識がある事業所であれば、状況に応じてリハビリをおこなってくれるでしょう。 訪問リハビリは利用者の自立を目標としているので、「リハビリ終了後に必要な介護サービスを提案してくれるか」というところも選ぶときのポイントです。 施設に通って受けられる介護サービスの選び方 ここではデイサービス、デイケアを選ぶ際のポイントを紹介します。 デイサービスを選ぶ際のポイント デイサービスを選ぶ際、入浴やレクリエーションの状況も確認しておきましょう。 デイサービスには、一般浴や個室浴、機械浴があります。介護度が低い人は、一般浴か個室浴を選択することができ、介護度が比較的高い人は、車椅子のままや寝たままで入浴できる機械浴の設備が整った施設を選ぶことをおすすめします。 またレクリエーションについては、本人の性格や好みにあった活動ができる施設を選ぶようにしましょう。 デイケアを選ぶ際のポイント デイケアを選ぶ際のポイントとして、最も大切なのは「施設の雰囲気が本人と合うか」「リハビリ設備は整っているか」です。 見学をする際は、無理のない範囲で本人と一緒に見学し、利用者同士のコミュニケーションを確認したり、利用者本人に必要なリハビリの専門スタッフがいるかの確認をしましょう。 良好な関係を築くには本音を言うのも大切 在宅介護サービスを受ける上で、納得できないことが生じたら、すぐに話し合うことが大切です。本音を言うことでお互いの信頼関係が強くなることがあります。 介護の苦情はどこに相談する? ちょっとしたすれ違いや介護スタッフの対応に不満を持つこともあるでしょう。 そんなときは我慢せず、すぐにケアマネジャーに相談することが大切です。ケアマネジャーは「利用者からの苦情に迅速かつ適切に対応すること」が義務付けられ、ケアマネジャーとの契約書には「特定の種類・業者に偏ってはいけない」中立義務が記載されています。 在宅介護に限界を感じたら 介護は突然始まり、期間は長く終わりは誰にもわかりません。無理をしていると感じたら早い段階で介護方法を見直すことが大切です。 介護施設への入居を検討する 在宅介護を長く続ける上で大切なのは、介護する家族が無理をしないことです。 介護を受ける側は住み慣れた場所で生活できるなどメリットが多いですが、介護をする側は精神的、肉体的、時間的負担が多く、「共倒れ」してしまうこともあります。 そういった事態を未然に防ぐために、無理をしていると感じたら介護施設の入居も視野に入れましょう。認知症の人や要介護度が高い人ほど在宅介護は困難です。検討する際、本人と家族が納得するまで話し合い、お互いの意思を尊重して決めることが大切です。 ケアプランの見直し 介護をする上で負担に感じたとき、ケアプランの見直しをしましょう。ケアプランは担当のケアマネジャーが作成してくれます。 その際、本人や家族の状況を相談することが大切です。日頃から担当のケアマネジャーと密に情報共有し信頼関係を築いておくと、介護者が無理を感じる前に介護サービスを足したり、本当に必要な介護サービスに変更するなど対策を講じてくれるでしょう。 周りに相談する 介護することは身体的だけでなく精神的にも負担が大きくなり、知らないうちにストレスを溜め込んでしまいます。 特に、在宅介護を一人でおこなうと、朝から晩まで介護することになり、自分の時間を見つけることが難しく社会から孤立してしまうことがあります。そんなとき、すぐに相談できる仲間や信頼できる専門スタッフがいるだけで気持ちが楽になります。 頑張りすぎて体調を崩して「共倒れ」する前に定期的にリフレッシュし、自分を労わることも長い介護生活を送るためには必要不可欠です。 介護事業所との付き合い方に関するよくある質問 在宅介護サービスを選ぶコツは何ですか? まずは利用者、家族の希望がどのようななものかを明確にし、その希望に沿った在宅介護サービスを選択しましょう。 在宅介護サービスには、認知症の人の対応に特化している事業所や、リハビリについて専門知識を持っている事業所も多数あります。現在では、インターネットを利用して口コミや雰囲気などを確認することもできるので参考にしてみましょう。 また、身近に在宅介護サービスを利用している人がいれば事業所の評判を聞いたり、ケアマネジャーに相談するのも良いでしょう。 リハビリをしたい場合、どのような在宅介護サービスを選択すれば良いですか? 自宅に専門スタッフが訪問する「訪問リハビリ」、施設で通いながらリハビリを受ける「デイケア」が挙げられます。 訪問リハビリを選ぶ際は、どのような専門スタッフが在籍しているか、希望に沿う内容なのかを確認することが重要です。 またデイケアについては、施設の雰囲気が本人と合うか、リハビリ設備が整っているかを確認することが必要です。 在宅介護が難しいと感じたらどうすれば良いですか? 在宅介護が難しいと感じたら介護施設へ入居する選択肢もあります。 老人ホームでは、介護スタッフが24時間常駐しており、施設によっては医療的ケアやリハビリに力を入れている施設も増えてきています。人気のある施設は入居までに長い期間待機をしなくてはならないので、在宅介護が厳しいと感じたら早めに検討しましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "在宅介護サービスを選ぶコツは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
老人ホームで喫煙と飲酒はできるが、認めている施設は少ない
介護の基礎知識

介護の苦情はどこに相談する?|相談窓口や事例を解説

介護で世話になっているという気持ちがあるからか、ちょっとした不満などを胸の中に留めてしまっていませんか?これくらいならなどと我慢していると、いつしか大きな不満につながり、不信感につながってしまうことも。 苦情を伝えたいと思ったらどうすれば良いのか、相談事例なども紹介しながら解説します。 介護の苦情はどこに相談する? 介護に何かしらの不満を持ち、介護の苦情を伝えたいと思ったらどこに相談すればいいのでしょうか。 利用した介護サービス事業所第三者機関国民健康保険団体連合会 まずは、最初に利用した介護事業所へ相談してみましょう。老人ホームなど施設に入居している場合は、施設長やケアマネジャー、経営者に相談し、お互い話してみることで解決する場合もあります。 それでも改善されない場合や直接言いにくい場合は、市区町村など第三者機関の苦情相談窓口へ相談してみましょう。まだ解決できない場合には、国民健康保険団体連合会の窓口への相談と段階的に相談することで解決策が見つけやすくなります。 1.利用した介護サービス事業所 介護サービスに不満があり苦情を伝えたい場合は、まずは介護サービスを提供している事業所と話し合うのがベストです。直接話しにくいと感じたら、介護サービスを紹介したケアマネジャーに相談することもできます。 ケアマネジャーは利用者と介護サービス事業所の間で、公正中立の立場で支援する契約をしています。介護サービス事業所の評判や質などについても多くの情報を持っているので、不満や苦情を相談してみましょう。 2.第三者機関 介護サービス事業所との話し合いで問題が解決しなかった場合は、介護サービスを受ける前に説明を受けた契約書と重要事項説明書を確認しましょう。 重要事項説明書には、介護サービス事業所の苦情担当窓口が記載されているので、そこにある第三者機関の相談窓口へ相談しましょう。 第三者機関は、苦情の放置や密室化、介護サービス事業所に都合の良い一方的な解決を防ぎ、利用者と意見交換をする中で隠れた不満や要望を見つける役割を担います。 3.国民健康保険団体連合会(国保連) 第三者機関に相談しても解決できなかった場合には、国民健康保険団体連合会に相談してみましょう。 国民健康保険団体連合会は、介護保険サービスや区市町村が実施している「介護予防・日常生活支援総合事業」のサービスに関して、電話などで苦情相談を受け付けています。 国民健康保険団体連合会では、市区町村での扱いが困難な場合や、介護サービス事業所の所在地と利用者の居住地の市区町村が異なるなど広域的な場合が主な窓口になります。 国民健康保険団体連合会は介護サービスの質の向上が目的で、介護サービス事業所に対して必要な改善指導をおこなうのが役割です。介護サービス事業者に対して文書調査や現地調査の後に指導・助言をおこない、その内容を申立人と市区町村に報告します。 その他の苦情相談が可能な窓口 介護に関する苦情を相談できる窓口が他にもあるので紹介します。 地域包括支援センター 介護で一番最初に世話になる人も多く、高齢者の身近な相談窓口でもある地域包括支援センターでも介護に関する苦情を相談できます。 地域包括支援センターは自治体から委託を受けた社会福祉法人や社会福祉協議会が運営しているケースが多く、利用者や介護サービス事業所などから事情を聞いて対応してくれます。 また、必要があれば国民健康保険団体連合会への苦情申立についての援助もおこなってもらえます。 運営適正委員会 運営適正委員会は、福祉サービスに関する苦情を解決するため、各都道府県社会福祉協議会に設置を義務づけられた機関です。 運営適正化委員会では、福祉サービスを利用している人が介護サービス事業所に苦情を言いたいときやトラブルが起きたときなど、社会福祉や法律、医療などの専門知識を持つ委員が公正・中立な立場で解決のための相談や助言、調査をおこなっています。 介護サービス事業所の苦情は、各自治体や国民健康保険団体連合会での対応が基本ですが、運営適正委員会でも受け付けています。 ただし、苦情対応の対象となるのは、訪問介護、通所介護、短期入所生活介護、認知症対応型共同生活介護、指定介護老人福祉施設のサービスに限られます。 誰に苦情を伝える? 介護に関する苦情はまずは介護サービス事業所に伝えましょうと説明しましたが、具体的には誰に連絡すればいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。 居宅介護サービスの場合と老人ホームなどの施設に入居している場合にわけ、誰に相談したら良いかを説明します。 <居宅サービスの場合> サービス提供責任者担当のケアマネジャー介護サービス事業所の責任者 <老人ホームなどの施設の場合> 介護サービスの調整をおこなうケアマネジャーや生活相談員管理者(ホーム長)老人ホーム運営会社の担当窓口や経営者 役所や国保連は本人か家族が連絡する 自治体の役所や国保連に申し立てをする場合には、申立者は介護サービスを受けている本人かその代理人がおこないます。 代理人とは一般的に家族が対応することが多いです。自治体の苦情窓口や国保連の連絡先は、重要事項説明書やホームページで確認しましょう。 介護サービス事業所に不満を感じたら ここまで介護サービスについて苦情の相談窓口を紹介してきましたが、ここからは苦情を申し立てるかどうか悩んでいる人に向け、どのようなことに注意したら良いのかなど具体的に紹介します。 サービスを利用する本人の気持ちを確認する 介護サービス事業所の不満を家族などに伝えてきた場合、まずはサービスを利用している人の気持ちを確認することが大切です。 ちょっとした愚痴で話を聞いてもらえばすっきりする程度のことなのか、話を聞くと些細なことに感じても介護サービスを受けることに支障があるほど気にしているという心境かもしれません。 話をしながら気持ちをしっかり確認し、冷静に考えられるようになったら今後の対応を家族と一緒に考えましょう。 より良いサービスを利用するため早期に苦情を伝える 世話になっている介護サービス事業所に苦情を伝えることに抵抗を感じてしまう人もいるでしょう。 これからも継続して介護サービス事業所を利用する場合、不満を抱えたままの状態は利用者にとって望ましいことではありません。早めに苦情を伝え、相談することがサービスの向上につながります。 介護サービス事業所を変更する 介護サービス事業所に苦情を伝えても問題解決できなかった場合は、ケアマネジャーに相談し他の介護サービス事業所への変更も考えていると伝えたり、実際に変更することも可能です。 老人ホームなど変更が難しい場合には、第三者機関や国保連に相談しましょう。それでも解決できず関係が悪化してしまいそうな場合には、早めの転居を検討するのもひとつの方法です。 苦情はサービス品質の向上となる 苦情を伝えるというのはクレーマーだと思われてしまうのではないかと不安に思う人もいるでしょう。ですが、苦情を伝えることで介護サービス事業所にとってもサービスの質を向上するきっかけとなることが多いです。 スタッフの実際の仕事ぶりを見直すきっかけとなり、介護サービス事業所にとってもメリットになります。ただし、感情のまま苦情を伝えてしまうと介護サービス事業所との関係が悪化したり、解決までに時間がかかってしまいます。 どのようなことが起こり、利用者はどのように感じたのか、今後どのようにして欲しいのかを冷静に伝えることが大切です。 介護サービス事業所への苦情事例 それでは実際に介護サービス事業所に寄せられた苦情事例を見てみましょう。 事例1 スタッフにきつい言葉を言われた ショートステイ利用者である母親が、スタッフの言葉遣いがきついため行きたくないと口にするようになったとのこと。 スタッフが1名の時間帯な上、他の利用者が言われているのを聞くのも辛いとのことで、介護サービス事業所にも相談したが、対応が不安に思うため役所へも相談。 申出人の希望は、今度も利用したいので安心して利用できるよう施設に対処して欲しいということで、今後の利用も考え匿名を希望しました。 役所・介護サービス事業所の対応 役所は匿名ではあるものの正式な苦情として受け付けました。第三者機関に報告し、苦情解決の責任者である施設長が該当のスタッフと面談をしました。 反省を求めた上でクレームを真摯に受け止め、言葉遣いや態度を改めるとの報告書が役所へ提出されました。 また、ショートステイ利用者に苦情の事実を伝えた上で満足度調査を実施したり、ケアマネジャーにショートステイへの意見・要望を聞き、その結果が長期利用の入居者家族とショートステイ利用者家族に配布されました。 これにより介護サービス事業所がサービス内容を見直すきっかけとなりました。 事例2 スタッフの不注意で怪我をした 特別養護老人ホームに入居している利用者である父親が、自室で車椅子からベッドへ移乗介助の際にスタッフと共に転倒し、翌日強い痛みを訴えました。 病院を受診した結果、左大腿骨転子部骨折にて手術が必要とのことで入院となりました。申出人の希望は、該当スタッフを含めた、特別養護老人ホームからの謝罪と、入院治療費用などの支払いです。 特別養護老人ホームの対応 申出人から事故の詳しい状況説明を求められたため、施設長、生活相談員、介護主任、介護スタッフ2名で入院先を訪問しました。 介助の際、介護度が高いにも関わらず、新人スタッフに身体介助を担当させたのが今回の事故の原因ではないかと申出人から指摘がありました。 ベテランスタッフが傍に付き、新人スタッフの指導に加え、何かあった場合に常に支援できる位置に待機しておくべきであったと申出人へ謝罪しました。 後日、自治体への苦情申立により介護事故に伴う実地指導がおこなわれ、研修やマニュアルについて指摘がありました。そして、頻繁に面会できない家族との連携を図るために、毎月スタッフから家族に現況報告が送られることになりました。 介護の苦情に関するよくある質問 介護に関する苦情はどこに相談すれば良いですか? 介護スタッフに対しての苦情は、利用した介護事業所へ相談しましょう。それでも改善されない場合は、第三者機関や国民健康保険団体連合会、地域包括支援センターや運営適正委員会に相談することも可能です。 苦情が言いづらい場合はどうすれば良いですか? 直接、介護事業所へ苦情が言いづらい場合は、まずケアマネジャーに相談し介護事業所へ連絡してもらいましょう。 基本的には利用者本人、家族、ケアマネジャーからの連絡でサービスが改善されることがほとんどです。それでも改善されない場合は、第三者機関の苦情相談窓口などを利用しましょう。 苦情は誰に伝えれば良いですか? 居宅サービスの場合、「サービス提供責任者」「担当のケアマネジャー」「介護サービス事業所の責任者」に伝えると良いでしょう。 また、老人ホームなどの施設の場合は、「介護サービスの調整をおこなうケアマネジャーや生活相談員」「管理者(ホーム長)」「老人ホーム運営会社の担当窓口や経営者」に伝えましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "介護に関する苦情はどこに相談すれば良いですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
面会をする際は、ルールとマナーが重要
介護の基礎知識

在宅介護にかかる費用はどれくらい?|施設介護との比較や月の平均金額

年齢を重ねるにつれて必要性が増す介護サービス。家族に介護が必要になったときに、在宅で介護するか、施設入居を検討するか悩むことでしょう。さらにどのくらい費用がかかるのかについても不安になります。 今回は在宅介護をした場合、費用はどれくらいなのか。また施設介護と比較してどうなのかについて説明していきます。 在宅介護の費用平均 生命保険文化センターがおこなった全国実態調査によると、在宅介護を始める際にかかる一時的な費用の平均は74万円、月額費用の平均は8.3万円となっています。 出典:「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(公益財団法人 生命保険文化センター) 一時的にかかる費用には、自宅を介護に適した環境にするためのリフォーム費用や車椅子、介護用ベットといった介護用品の購入費用が含まれています。 出典:「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(公益財団法人 生命保険文化センター) また月額費用としては紙おむつなどの消耗品の購入や、デイサービスなどの外部サービスを利用した場合の費用などが挙げられます。 在宅介護と施設介護の費用の違い 在宅介護の費用をざっくりと把握できたところで、在宅介護と施設介護の費用の違いについて考えていきましょう。以下に在宅介護と施設介護のそれぞれにかかる毎月の費用についてまとめてみました。 要介護3の人の場合 在宅介護特別養護老人ホーム(ユニット型個室)介護付き有料老人ホーム介護サービス費27,048円24,450円20,370円家賃(居住費)0円60,180円115,000円管理費0円0円98,000円食費0円43,350円54,000円その他35,000円10,000円10,000円合計62,048円137,320円297,220円 なお、この表における在宅介護の費用には家賃・管理費・食費は含まれていません。これらは介護が必要になる前からかかっているので、対象外としています。ただし介護を始めるにあたって家をリフォームする場合はその分の支出は一時的な費用として追加します。 上記表によると、在宅介護にかかる費用は62,048円と最も安く、最も費用が高い介護付き有料老人ホームとの金額差は235,172円にものぼります。 在宅で介護をおこなう場合には家賃や管理費、食費などが追加でかからず費用を安く抑えられている一方で、施設入居の場合には、居住費や食費を別途支払う必要があるため費用が高くなっています。 また、施設を利用して自宅が空き家になる場合でも、家の維持管理費などは支払うことになるために二重で居住費用がかかることもあります。 在宅介護は安いが身体的負担が大きい 在宅介護は費用面だけで考えれば、施設を利用する場合と比べてかなり安く済みます。多少サービスを増やして自己負担を増やしても経済的な負担は少ないでしょう。 しかし、介護は24時間365日必要です。介護者に身体的、精神的な負担が大きくかかることを忘れてはいけません。 在宅介護を続けることで家族に過度な負担がかかるようであれば、積極的に外部サービスなども活用していくべきです。外部サービスに対して抵抗がある人もいるかもしれませんが、介護に関する問題や悩みを家族の間だけで解決することは非常に困難です。 金銭的な問題で施設の通常利用が難しい場合も、デイサービスや訪問介護などの一時的な介護サービスを活用したり、家族内で分担して介護をおこなったりするなど負担を減らす方法も話し合ってみると良いでしょう。 介護施設に入居したときの費用目安 以下では介護施設に入居した際にかかる費用の目安について紹介していきます。 公的施設の場合 公的施設に入居する場合にかかる毎月の平均利用料は5万〜15万円で、民間施設に比べて比較的低価格で利用することができます。ただし、居室の大きさや施設のタイプによって金額は異なります。 詳しい料金については利用を検討している施設に問い合わせましょう。 民間施設の場合 民間が運営する施設に入居する場合、毎月の利用料の平均は15~30万円程度。入居するときに入居一時金も数十万円〜数千万円ほどかかる施設もあり、公的施設に比べると費用はかなり高くなります。 最近では、入居一時金がかからない施設もありますが、一方で入居一時金が数億円かかる超高級ホテルのような施設も登場しています。どのようなサービスを希望し、どんな施設に入りたいのかを予算と調整しながら比較検討すると良いでしょう。 また、介護施設を利用すると、入居一時金や利用料のほかに通院した際の医療費や、施設で開催されるレクリエーションの参加費などがかかるので注意が必要です。毎月かかる費用の目安については施設に確認しましょう。 在宅介護か施設介護どちらを選択すべき? 費用だけで比較すれば在宅介護の方が費用が抑えられます。 しかし、それは今まで住んでいた住居で家族が限られた時間を割いて無償で介護をおこなっているからです。介護状態はいつまで続くかわかりません。 介護度が高くなったことで、介護をしている家族が仕事を辞めなくてはならなくなったり、経済的に困窮することも社会問題になっています。介護者の肉体的、精神的な負担の大きさも見逃せません。介護が大変で心身のバランスを崩してしまうケースもあります。 そういった場合には、在宅介護を続けるという選択肢だけではなく、介護保険を利用して入居できる介護施設への入居も選択肢として入れておくようにしましょう。 在宅介護の費用を抑えるための対策 在宅介護における費用について紹介しましたが、以下ではその費用を抑える方法を見ていきましょう。 適切なケアプランを組んでもらう 介護サービスを保険適用させるためには、ケアマネジャーにケアプランを作成してもらう必要があります。ケアプランを作成してもらう際に大事なことは、介護を受ける本人そして家族の希望をきちんとケアマネジャーに伝えることです。 ケアマネジャーが自分の経験や知識をもとに最も良いと思うプランを提案したとしても、それが自分たちの希望と相違していたら意味がありません。 不要なサービスを受けることで必要のない費用がかかってしまいます。費用を抑えるためにも、適切なプランを組んでもらうことが大切です。 費用を抑えられるサービスを利用する 現在の日本では、介護における経済的負担を減らすために高額介護サービス費制度や高額介護合算療養費制度などがあります。知っておくと費用が想定を超えて高額になった場合も安心です。 高額介護サービス費 介護サービスには介護保険が利用でき、利用者は所得に応じた1~3割の自己負担で済みます。さらに自己負担額は、所得により1ヵ月の上限が決められています。「高額介護サービス費」はこの上限を越えた場合に、越えた分の金額が戻ってくる制度です。 支給対象の方には自治体から「支給申請書」が届き、1度申請すれば2回目以降は自動的に適用されます。申請期間はサービスを利用した翌月から2年間です。 高額医療・高額介護合算療養費 「高額医療・高額介護合算制度」は、同一世帯で支払った介護保険サービスと医療費の自己負担額の合計が基準を越えた場合、越えた分の金額が戻ってくる制度です。合算期間は8月1日から翌年の7月31日で、利用するには自治体の国民健康保険窓口で申請します。 ただし、同一世帯内でも「夫が75歳以上で後期高齢者医療保険、妻が75歳未満で国民健康保険」など、加入する保険が異なる場合は合算することができません。さらに、基準を500円以上越えない場合は適用外です。 在宅介護は安く済むが身体的・精神的負担も大きい 費用だけみると在宅介護は施設入居よりもかなり安くなります。しかし、家族の時間や体力を使って介護をおこなうには限界があります。 また、介護の専門職ではない限り、介護の経験や知識を豊富に持っている人は多くありません。介護経験がない人にとっては介護というだけでも大変ですし、体力的にも精神的にも負担が大きくなり、介護が長期化することで介護者も要介護者も疲弊してしまいます。 費用面だけを重視して在宅介護を選ぶのではなく、介護を受ける人も、その家族もどうしたらみんなが快適な生活を送れるのか、どのようなサービスを利用すると良いかを関係者全員できちんと話し合い、お互いが笑顔で過ごせるような方法を検討しましょう。 在宅介護の費用に関するよくある質問 在宅介護はどのくらいの費用がかかりますか? 在宅介護を始める際にかかる一時的な費用の平均は69万円、月額費用の平均は7.8万円です。 一時的にかかる費用は、自宅改修のために費用や車椅子、介護用ベットの購入費用などが含まれます。また月額費用は、紙おむつなどの消耗品の購入や在宅介護サービスを利用した場合の費用などが挙げられます。 在宅介護と施設介護どちらを選択した方が良いですか? 在宅介護は費用面だけで考えると経済的負担は安く済みます。しかし、要介護者の身体状況によっては介護が24時間365日必要な場合もあります。 昨今では在宅介護による、介護うつなどといった問題もあり、家族に負担がかかっているケースも多いです。 一方で施設介護は、24時間365日施設のスタッフが介護にあたり、リハビリや医療に特化している施設もあり安心です。ただし、経済的な部分を考えると入居一時金などが必要になる場合があります。 在宅介護の費用を少しでも抑えたい場合はどうすれば良いですか? 現状、在宅介護費用がかかりすぎていると感じたら、ケアマネジャーとケアプランの見直しをしましょう。 ケアマネジャーが自分の経験や知識をもとに最も良いと思うプランを提案していたとしても、利用者、家族にとっては不要なサービスかもしれません。 また、経済的負担を減らすために現在の日本では「高額介護サービス費」「高額医療・高額介護合算療養費」といった制度があります。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "在宅介護はどのくらいの費用がかかりますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
老人ホーム 重要事項説明
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老人ホームの重要事項説明書|入居前に確認したい10の項目

老人ホームの重要事項説明書は、契約前に施設の情報を把握するための書類です。この記事では重要事項説明書の10項目を徹底解説。重要な情報を見落とさないよう、重要事項説明書の記載内容や注目すべきポイントを押さえておきましょう。 重要事項説明書とは 重要事項説明書は、老人ホームだけでなく不動産や保険などの契約でも必要な書類で、契約内容のうち特に重要な項目がまとめてあります。 例えば、運営会社の情報や費用、サービスなどが網羅されているので、重要事項説明書を読めば契約前に知りたい情報を把握することができます。 多くの人が団体生活を送るため、老人ホームの重要事項説明書には施設内での決まり事も多く記載されています。入居者本人や家族が契約内容をしっかり理解し、ルールを守って生活するためにも重要事項説明書は作られています。 重要事項説明書には何が記載されている? 老人ホームの重要事項説明書には、経営会社の情報や施設の設備、職員配置、サービスの内容、料金、入居者の状況など幅広い情報が記載されています。 老人福祉法第29条により都道府県への提出が義務づけられている書類のため、どの施設でも必ず作成されています。入居相談のときにもらえるのはもちろん、希望すれば取り寄せることもできるので、入居を検討する際は必ず入手して内容を確認しましょう。 重要事項説明書が大切な理由 重要事項説明書は利用者の保護を目的に作成されています。老人ホームの入居には多額の費用が掛かるうえ、権利や条件が複雑です。 しかし、契約する本人や家族は知識や経験が不十分なことが多く、詳しい説明がなければ正確な情報を把握できず、誤解した状態で契約してしまうリスクがあります。 そこで、契約に関わる重要な情報を重要事項説明書にまとめ、契約前に交付するよう決められています。 重要事項説明書は字が小さかったり文章が堅苦しかったりと決して読みやすいものではありません。しかし、施設側は重要事項説明書を読み、内容を納得したうえで入居を決めたと判断します。このため、契約する前に記載内容をきちんと把握しておくことが大切です。 入居後のトラブル事例 契約前に重要事項説明書をしっかりチェックしてないと、入居後に必要なサービスを受けられなかったりトラブルにつながることもあります。入居後のトラブルには、次のような事例が挙げられます。 サービス内容が契約項目と違う長期入院のため、介護施設から退去を迫られた退去をする際の入居一時金の返金額が少ない トラブルを避けるためには重要事項説明書をよく読み、疑問点があれば契約前に施設担当者に確認しましょう。 重要事項説明書の10項目 老人ホームの重要事項説明書は、基本的に厚生労働省の標準様式に従って作成されています。 このため、事業者や自治体ごとに細部は異なるものの事業主体概要や事業の概要などの基本項目は共通しているので、複数の施設の中から入居先を選ぶときは、重要事項説明書を見比べることで検討しやすくなります。 事業主体概要有料老人ホーム事業の概要建物概要サービスの内容職員体制利用料金入居者の状況苦情・事故等に関する体制入居希望者への事前の情報開示その他 ここからは、重要事項説明書の標準様式にある10項目について解説していきます。 事業主体概要 事業主体概要には、施設を運営する法人の所在地や主な事業、会社が設立された年月日、連絡先やホームページアドレスなどが書かれており、運営会社の基本的な情報を把握できます。 有料老人ホーム事業の概要 有料老人ホーム事業の概要には、住まいの概要と類型が記載されています。それぞれどのような内容が書かれているのか見ていきましょう。 住まいの概要 住まいの概要には、運営会社ではなく老人ホーム自体に関する情報が記載されています。 具体的には、老人ホームの名称や所在地、施設までのアクセス(交通手段と所要時間)管理者の氏名と役職、事業の開始年月日などが書かれています。 類型 類型には、「介護付き」や「住宅型」「健康型」といった老人ホームの類型が書かれています。また介護付き有料老人ホームの場合は、介護保険事業者番号と指定した自治体名、指定を受けた年月日、指定の更新日が記載されています。 建物概要 建物概要には、老人ホームの敷地面積や土地の所有関係、建物の規模や構造などが記載されています。この項目で居室の面積やトイレ・浴室の有無、共用施設などが確認できるため、必ず一度は目を通しておきましょう。 また、消火用スプリンクラーの有無や建物が耐火構造なのかなど、消防設備についてもこの項目でチェックできます。 サービスの内容 サービスの内容には、施設の運営基本事項について多岐にわたる内容が記載されています。重要な情報が多いため、しっかり目を通しておきましょう。 全体の方針 全体の方針には、施設全体の運営方針や提供されるサービスの内容が簡潔に記載されています。 また、下記について施設が自らおこなっているか、外部へ委託しているかを確認できます。 入浴、排せつ又は食事の介護食事の提供洗濯、掃除等の家事の供与健康管理の供与安否確認又は状況把握サービス生活相談サービス  介護サービスの内容 この項目は、介護保険の「特定施設入居者生活介護」のサービスを提供している介護付き有料老人ホームのみが記載しています。 次のサービス加算の対象なのかがわかるため、施設でどのようなサービスが受けられるか判断することができます。 個別機能訓練加算夜間看護体制加算 医療機関連携加算看取り介護加算認知症専門ケア加算サービス提供体制強化加算人員配置が手厚い介護サービスの実施の有無ケア加算 医療連携の内容 医療連携の内容には、協力医療機関の名称や住所、診療科目、協力内容が記載されています。また、救急車の手配や入院時の付き添い、通院介助など、入居者に対してどのような医療支援サービスをおこなっているかも知ることができます。 入居後に居室を住み替える場合 老人ホームでは、常時介護が必要になった場合などに別の居室への住み替えを求められることがあります。この項目では、住み替えの判断基準や住み替え先の居室、手続きの内容などが記載されています。 また、この項目にある、住み替えた場合の追加費用の有無や、前払金(入居一時金)償却の調整の有無については特にしっかりチェックしておきましょう。 なお、償却とは時間をかけて賃料(家賃を)にあてていく費用のことで、短期間で退去した場合前払金が払い戻されることもあります。 入居に関する要件 入居に関する要件には入居条件や解約条件が記載されており、入居希望者にとっては特に気になる項目です。体験入居の期間や費用、事業主体から解約を求める場合の内容についても書かれているので、しっかり確認しておきましょう。 職員体制 職員体制には、施設で働く職員の情報が書かれています。職員体制は介護の質や生活の充実度にも関わるため、必ず目を通しておきましょう。 職種別の職員数 施設で働く次の職種の人数が常勤、非常勤別に記載されています。 管理者生活相談員介護職員看護職員機能訓練指導員計画作成担当者栄養士調理師その他の職員 また、就業規則に定められた週あたりの勤務時間を「1」として計算した「常勤換算人数」も知ることができます。 例えば常勤の1週間あたりの勤務時間を40時間としている場合、週40時間働く常勤職員と週20時間働く非常勤職員が1名ずついたとすると、常勤換算人数は1.5人です。 資格を有している介護職員の人数 この項目では、施設で働く次の有資格者の数がわかります。 社会福祉士介護福祉士実務者研修の修了者初任者研修の修了者介護支援専門員 このうち身体介護のプロである介護福祉士の人数は、しっかりチェックしておきましょう。 資格を有している機能訓練指導員の人数 機能訓練指導員として老人ホームで働くには、次のいずれかの資格が必要です。 看護師または准看護師理学療法士作業療法士言語聴覚士柔道整復士あん摩マッサージ指圧師鍼灸師 この項目では、施設で働く機能訓練指導員の職種と人数を知ることができます。機能訓練指導員の職種によって専門分野が異なるため、入居後にリハビリや機能訓練を希望する人は特に注目してチェックしましょう。 夜勤を行う看護・介護職員の人数 この項目では、夜勤の看護・介護職員数を知ることができます。平均人数のほかに、夜間に最も人手が少なくなる時間帯の職員数である「最小時人数」も記載されているため、常時見守りや介助を必要とする要介護度の高い人はしっかり確認しておきましょう。 特定施設入居者生活介護等の提供体制 前年度の利用者の平均数に対し、看護・介護職員が常勤換算で何人配置されていたかを確認できます。 なお、この項目は特定施設入居者生活介護の対象である介護付き有料老人ホームのみ記載しています。 職員の状況 職員の状況には、前年度の採用人数や退職者数のほか、職種ごとの職員数が経験年数別に書かれています。 豊富な知識や経験のあるベテランの介護職員数がわかるので、手厚い介護を求める人にとっては重要な項目です。また、極端に退職者が多い施設は労働環境に問題がある可能性が高く、入居者にとってもケアの質が低下するなどのデメリットにつながる恐れがあります。 利用料金 利用料金には、前払金や月額利用料など施設に入居するために必要な費用の情報が記載されています。入居を検討する際に特に注目したい部分なので、詳しく見ていきましょう。 利用料金の支払い方法 この項目には、入居時の年齢や要介護状態に応じた料金設定の有無など、入居費用についての基本的な情報が記載されています。 また、居住の権利形態が、「利用権方式」「建物賃貸借方式」「終身建物賃貸借方式」のいずれにあたるのかを確認することができます。 なお、権利形態についてはこちらの記事で詳しく説明しています。 利用料金のプラン 利用料金のプランには、その施設の代表的な料金プランが記載されています。この項目を見れば、入居時に必要な費用(入居一時金)や毎月支払う金額とその内訳などを把握できるため、特に念入りに確認しましょう。 この項目に目を通して入居費用をイメージするとともに、入居が長期間になった場合でも無理なく支払い続けられるかシミュレーションすることも大切です。 利用料金の算定根拠 利用料金の算定根拠には、利用料金のプランに書かれた家賃や管理費、食費などを算出するための根拠が記載されています。 例えば、家賃は居室面積ごとの金額を、管理費は人件費や事務費など含まれる費用の内訳をチェックできます。また、食費は朝昼晩それぞれの金額などがわかるため、利用料金のプランと合わせて目を通すことで入居後の費用がイメージしやすくなります。 特定施設入居者生活介護に関する利用料金の算定根拠 介護付き有料老人ホームでは、特定施設入居者介護に対する自己負担額の算定根拠や手厚い人員配置による上乗せサービスの有無をこの項目に記載しています。 上乗せサービスがある場合は、人員配置が基準を上回っていることを示しているため、介護サービスが充実してると言えます。 ただし、その分費用もプラスされるので、入居前によく確認しておきましょう。 前払金の受領 入居時に前払金を設定している施設では、算定根拠や想定居住期間、償却年月数、初期償却額といった詳細が記載されています。また、償却が終わる前に退去した場合の返還金の算定方法も知ることができます。 前払金は数十から数百万円と高額なことも多いため、前払金が設定されている場合は必ずこの項目をチェックしましょう。また、不明点や疑問点がある場合は施設側に確認しておきましょう。 入居者の状況 入居者の状況は、重要事項説明書が更新された時点における施設内の入居者の情報を表しています。入居後のミスマッチを防ぐため、どんな人が入居している施設なのかを知っておきましょう。 入居者の人数 この項目では、性別、年齢、要介護度、入居期間などで分類した入居者の人数を知ることができます。どんな人が入居しているかがわかるため、施設の全体像が読み取れます。 特に、自立の人や要介護の高い人の人数には注目してみましょう。その施設が健康な人向けなのか、それとも要介護度が高い人向けなのかといった入居者の受け入れ傾向をつかむことができます。 入居者の属性 入居者の属性には、施設に入居している人の平均年齢と、定員数に対する入居割合(入居率)が記載されています。 入居率が高ければ、人気の高い老人ホームということが言えるでしょう。一方、低ければすぐに入居しやすいと言えます。入居率が低い場合は入居者が集まらない理由を知るため、施設側に質問してみましょう。 前年度における退去者の状況 老人ホームの退去理由には、自宅に戻ったり他施設への転居のほか、長期入院による契約解除や死亡による退去などがあります。このうち死亡による退去が多い場合は、看取りの体制が整った施設であることがわかります。 また、「死亡以外の退去(生前解約)」には、解約に至った実例が記載されています。退去の理由には施設の方針が現れやすいため、目を通すことで貴重な情報が得られ失敗のない施設探しにつながります。 苦情・事故等に関する体制 苦情・事故等に関する体制では、苦情を受け付ける窓口のほか、事故が起こったときの対応などについても知ることができます。 利用者からの苦情に対応する窓口などの状況 利用者からの苦情や事故に対応する窓口の名称、電話番号、受付時間が記載されています。また、窓口の施設内における設置場所やどのように相談を受け付けているかもわかるため、入居後に苦情や事故を伝える際の参考にしましょう。 サービスの提供により賠償すべき事項が発生したときの対応 この項目では、施設の損害賠償責任保険加入の有無がわかります。また、事故が起きたときの対応方法や、事故予防への取り組みについても知ることができます。 介護サービスを受けるにあたり、事故が心配な方も多いのではないでしょうか。事故発生時どのような対応がとられるかを把握しておけば、施設への安心感につながります。 利用者等の意見を把握する体制、第三者による評価の実施状況など 施設で提供するサービス改善や向上のため、定期的に入居者にアンケート調査を実施しているかがわかります。 またサービスの質について第三者による評価を受けているかや、その結果開示の有無も確認できます。このため、この項目からはサービス向上への意識や施設運営のオープンさを読み取ることができます。 入居希望者への事前の情報開示 入居希望者が契約書や施設の経営状態を示す資料の開示を希望する場合、どのような形で公開可能なのかが書かれています。 施設の倒産や廃業のリスクについては入居前に知っておきたい情報の1つです。財務面の情報を得るために、事業収支計画書や財務諸表が開示可能かチェックしておきましょう。 その他 その他には、運営方法やサービスについて入居者や家族と施設側が話し合う「運営懇談会」の実施の有無や頻度が書かれています。 また、提携ホームへの移行の欄に「移行あり」とある場合、要介護度が上がるなどの理由により将来的に移行を勧められる場合があります。 さらに、法令上必要な届出の有無や建物や運営体制が法令に適合しているかも確認できるので、制度面で問題がないかについてもチェックしておきましょう。 事業主体が当該都道府県、指定都市、中核市内で実施する他の介護サービス 重要事項説明書の最後の数ページは別添資料で、別添1は老人ホームの事業者が同じ都道府県(または指定都市、中核市)内でおこなっている介護サービスの一覧表です。この表から、施設の事業者がほかにどのような事業を展開しているかを知ることができます。 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅が提供するサービスの一覧表 別添2は、老人ホームで提供されるサービスの一覧表です。 介護付き有料老人ホームと一部のサービス付き高齢者向け住宅では、介護や健康管理、生活支援などのサービスの内容と費用を入居を検討する人に対して明らかにする必要があるため、この表が添付されています。 この表では、各サービスが「あり」「なし」で分かりやすくまとめられているほか、提供頻度や料金なども記載されています。 重要事項説明書は最新を確認する 重要事項説明書は適宜更新されるため、古いものでは内容が変わっている可能性があります。このため、入居を検討する際は最も新しいものを入手しましょう。 また、最後に更新されてから時間が経過している場合は、老人ホームに求める条件に的を絞って現状の内容を確認します。口頭で説明を受けた部分はポイントをメモにとり、残しておきましょう。 記載されていない特徴は見学して確認 重要事項説明書は、契約前に施設の情報を把握するための書類です。 しかし、「近くに緑の多い公園がある」「近隣の保育園との交流が盛ん」「お花見や買い物などの外出レクリエーションが多い」といった施設の特徴は、重要事項説明書の10項目から読み取ることはできません。 施設の環境や雰囲気など、見学して初めてわかることもたくさんあります。気になる老人ホームは、資料を取り寄せるだけでなく実際に足を運び、自分の目で見ることも大切です。 老人ホームの重要事項説明書に関するよくある質問 重要事項説明書とは何ですか? 契約内容のうち特に重要な項目がまとめてある書類です。運営会社の情報や費用、サービスなどが網羅されているので、契約前に知りたい情報を把握することができます。 また老人ホームの場合、多くの人が団体生活を送るため施設内での決まり事なども記載されています。 老人ホームの重要事項説明書には主に何が記載されてますか? 「経営会社の情報」「施設の設備」「職員配置」「サービスの内容」「料金」「入居者の状況」など幅広い情報が記載されています。希望すれば取り寄せることもできるので、気になっている施設がある場合は入手をして内容を確認しましょう。 重要事項説明書だけでわからない場合はどうすれば良いですか? あくまで重要事項説明書は、契約前に施設の情報を把握するための書類です。施設の雰囲気や入居者、スタッフの様子、その他特徴などは施設の見学をして初めてわかることです。まずは実際に施設へ足を運び、どのような所かを見極め、疑問点などがあればその場で質問してみましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "重要事項説明書とは何ですか?", "acceptedAnswer": { 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介護の基礎知識

信頼できるケアマネジャーの選び方|9つのポイントと上手な付き合い方

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険サービスを受ける人にとって、ケアプランを作成してもらったり、介護サービス事業者との調整をおこなうなど、とても重要な存在です。 そこで今回は、ケアマネジャー選定のコツと、その後の上手な付き合い方について説明します。 ケアマネジャー選びの9つのポイント ケアマネジャーは同じ資格を持っていたとしても、それぞれ違った人生経験を歩んでいます。自分に合うケアマネジャーがどのような人なのか。ケアマネジャーの選定に失敗しないようにチェックすべき9つの確認ポイントを紹介します。 経験が豊富か相談がしやすいか親身になってくれるか知識が多いか態度・勤務形態資格を保有しているか適切なアイデアを出せるか信頼のある事業所に所属しているかすぐに連絡が取れるか 経験が豊富か ケアマネジャーの仕事は業務範囲も広く専門的なため、その人が今までどのような経験を積んできているかを事前に確認することはとても重要です。 ケアマネジャーの資格をとるためには、介護福祉士や社会福祉士、もしくは医師や看護婦、保健士などの資格をもち、生活相談員などの指定業務を5年以上かつ900日以上経験している必要があります。 ケアマネジャーがもつ資格や業務経験期間なども人により個人差があります。例えば、身体について気になることがある場合には、医療関係の経験があるケアマネジャーだと安心して相談できます。 ケアマネジャーがどのような経験をしてきているかは、必ず確認するようにしましょう。 得意分野を知ることも重要 ケアマネジャーになるために必要な「介護支援専門員」の資格をとるためには、介護や福祉、医療関係の資格の取得と、その分野のいずれかにおいて、5年以上の実務経験が必要になります。介護保険サービスを受けるために必要なケアプランの作成や介護施設との調整などにこれらの経験が活かされます。そのケアマネジャーの得意分野をしっかり把握したうえで、その人が自身や家族にあっているかどうかをしっかり考えて選定することが大切です。 相談がしやすいか 介護保険サービスを利用するにあたり、ケアマネジャーとは何度もコミュニケーションをとることになるため、相手との相性が良いかどうかという点は選定の重要な要素です。 例えば「自身や家族の状況や希望などを伝えやすい人か」「気兼ねなく相談をしやすい人か」「話し方や説明の仕方などが自分たちにあっているか」など。そのケアマネジャーとのコミュニケーションが円滑に進むかどうかは必ず確認しましょう。 親身になってくれるか 自身や家族のことを親身に考えてくれそうな人かも重要。そのケアマネジャーがこちらの悩みや相談内容を自分のことのように考えて真剣に丁寧にアドバイスしてくれるかどうかはとても大切な要素です。 例えば、何かを相談した際に、相手の反応が素っ気なかったり、あまりにも事務的だったりしたらどうでしょう?たとえその人の経験や知識が豊富だったりしても、今後、安心して長く付き合っていくのは難しい相手だと思われます。こちらも必ずチェックしましょう。 知識が豊富か 介護保険サービスを受ける際には、自身や家族の状況に応じて、さまざまな問題や疑問が発生します。また、制度やルールなども複雑でわかりにくいことも多いです。そんな時の相談相手となるケアマネジャーが、どれだけ知識を持っているかどうかは選定においてとても重要な要素です。 こちらの質問や相談に対して、素早く的確に答えてもらえる人であれば安心して相談ができます。ケアマネジャー選定の際に、いくつか相談や質問を用意して、自分の納得いく回答が得られるかどうかを事前に確認してみるのが良いかもしれません。 態度・勤務形態 やはりその人の人柄や態度に問題がないかも重要な要素です。例えば、自分以外の人との接し方や振る舞いなどをチェックして、これから長く安心して任せることができるケアマネジャーかどうかをしっかり判断しましょう。 また、今後相談をすることも多くなるので、そのケアマネジャーが働いている業務時間や休日なども事前に確認しておくと良いですよ。 資格を保有しているか 繰り返しになりますが、ケアマネジャーになるための資格を取得するためには、介護福祉士や社会福祉士、もしくは看護婦や保健士の資格をもっていることと、5年以上の実務経験が必要です。 ケアマネジャーが持っている資格によって、その人の得意分野にも差がでてきます。 例えば介護福祉系の資格をもっている人であれば、自身や家族の身体的なお世話などにより的確なアドバイスをしてくれるでしょう。ケアマネジャーの持っている資格についてもチェックしましょう。 適切なアイデアを出せるか 介護保険サービスを受けるにあたり、自身や家族の抱えてる悩みや問題を解決するために、さまざまな選択肢の中から最善の方法を選ぶ必要があります。 その際の相談相手となるケアマネジャーは、単に知識が豊富なだけでなく、人それぞれの状況にあわせて、何がもっとも適しているかを考えて提案してもらえるかどうかが重要です。 豊富な情報量にプラスして、適切なアイデアを素早く出してくれるケアマネジャーは頼れる存在だと言えるでしょう。 信頼のある事業所に所属しているか ケアマネジャーがどんな事業所に所属しているかも、チェックしておきたいポイントです。 ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所には、居宅介護支援サービスのみを行っている独立型と、あわせてデイサービスや老人ホームなどの業務もおこなっている併設型があります。 最近ではほとんどのケアマネジャーが併設型の事業所に所属していますが、ケアマネジャーだけでなく所属している事業所についても、信頼ができそうかどうかを判断する必要があります。 事業所が近いことも重要 介護保険サービスを受けるにあたり、なにかと緊急の対応や相談にのってもらうことが必要になることもあります。そんな時には、近くに頼れるケアマネジャーがいてくれると安心です。ケアマネジャーが所属している事業所や居住地が、自身や家族の自宅から近くにあるかどうかも必ずチェックしましょう。また、近くにいるケアマネジャーなら、その地域の施設や専門家などの情報にも詳しいというのも安心感につながりますよね。 すぐに連絡が取れるか 場所と同様に、例えば体調の変化などの緊急時にスムーズに連絡が取りやすいかどうかも重要です。 ケアマネジャー選定の際に、ケアマネジャーとの連絡手段がどうなっているのか、連絡がとれる時間帯、とれない時間帯はいつなのか、担当のケアマネジャーが対応できない場合のバックアップ体制がどうなっているかなども確認しておくと安心です。 ケアマネジャーの探し方 ケアマネジャーを探すには、まずは住んでいる市区町村の介護保険課、もしくは地域包括支援センターに行き、居宅介護支援事業所のリストあるいは「ハートページ」をもらい、そこから探すのが一般的です。 これらには、介護居宅支援事業所の名称や所在地をはじめ、連絡先や受付時間、休業日、所属するケアマネジャーの人数、併設サービスなどの基本情報が載っています。 また、主治医(かかりつけ医)に相談して、ご自身が重要視したい医療分野との連携が得意なケアマネジャーを教えてもらったり、地域内で介護保険サービスを実際に利用している人からの評判を参考にしたりするのも一手かもしれません。 前述した通り、ケアマネジャーは介護・医療・福祉分野の資格を持ち、実務経験が5年以上あります。 ご自身が医療に重点を置きたい場合は看護師資格を持つケアマネジャーを。身体介護や家事支援の必要性が高い場合は介護福祉士やヘルパーの資格を持つケアマネジャーを。 このように、該当分野の資格や経験実績の有無から選択するのも一案でしょう。 既存のケアマネジャーから施設のケアマネジャーへ引き継ぎ 自宅での生活から老人ホームに入所する場合に、現在のケアマネジャーに引き続き担当してもらうことができない場合があります。 介護付き有料ホームやグループホームの場合は、既存のケアマネジャーには依頼することができず、その施設のケアマネジャーにお願いすることになります。 逆に、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の場合、基本的には現在のケアマネジャーにそのままお願いすることができますが、その老人ホーム内にケアマネジャーの事業所がある場合などは、ケアマネジャーの変更が必要な場合もあるので、入所前に確認が必要です。 ケアマネジャーとの上手な付き合い方 ケアマネジャーとは、できる限り長く上手に付き合っていきたいものですよね。ここからはケアマネジャーと上手に付き合っていくためのポイントを紹介します。 利用者の状態を知ってもらう ケアマネージャには、介護保険サービスを受ける自身や家族について、よりよく理解してもらうことが大切です。 身体のことだけでなく、好きな物や嫌いな物、趣味や特技、不安や悩み、家族に関する情報など。ケアマネジャーにできる限りの情報を伝えることにより、ケアマネジャーも相手を深く理解することで、より適切なプランやアイデアを提案することができるようになります。 また、介護にはなにかとお金も必要になってくるので、経済面の状況なども可能な限り伝えておいたほう良いです。ケアマネジャーには守秘義務がありますので、知ってもらいたいことがあれば安心して遠慮なく伝えるようにしましょう。 要望は具体的に伝える また、要望はより具体的に伝えるようにすることがとても重要です。 ケアマネジャーの理解度や考え方もやはり人それぞれなので、伝えたかったことを正確に理解しもらえず、希望と違ったケアプランを作成されてしまうケースも出てきます。要望をより具体的にわかりやすく伝えることにより、そのようなズレも軽減させることができます。 相手が理解してくれてるだろうとは思わずに、要望は可能なかぎり明確に伝えるようにしましょう。 不明点は質問する 不明点や知りたいことがあれば些細な事でも遠慮なく質問することが大切です。質問することにより、不安を解消するだけでなく、ケアマネジャー側も、自身や家族がどんなことで悩んでいるのか、どんな問題を抱えているのかなども把握することができます。 質問がないために、ケアマネジャーも理解してくれてるものと勘違いして話を進めてしまうことも考えられます。 感謝を伝える ケアマネジャーに感謝の気持ちをきちんと伝えることも、ケアマネジャーと上手に付き合うためには大切なポイントです。 ケアマネジャーもひとりの人間です。自分のしたことが相手にとってプラスになっていることがわかれば、承認欲求も満たされ、より意欲的に仕事に取り組めるようになります。そのためにも、ケアマネジャーに何かしてもらった際には、感謝の気持ちを言葉にしてしっかり相手に伝えるようにしましょう。 良いケアマネジャーと上手に付き合っていこう ケアマネジャーの選び方のコツや上手な付き合い方について説明してきました。信頼できるパートナーとして、自身や家族と気持ちよくコミュニケーションをとれるケアマネジャーを選定して、その相手と長く付き合っていく必要があります。 利用者自身や家族と相性の合うケアマネジャーを見つけ、お互いに気持ち良い関係を築いていきましょう。 ケアマネジャーの選び方に関するよくある質問 ケアマネジャーを選ぶときのポイントは何ですか? 「経験が豊富か」「相談がしやすいか」「親身になってくれるか」「知識が多いか」「適切なアイデアを出せるか」「すぐに連絡が取れるか」などが挙げられます。 特に、利用者本人や家族のことを親身に考えてくれる人かどうかは非常に重要です。悩みや相談内容を自分のことのように捉え、相談しやすい関係を構築できる人が良いケアマネジャーと言えます。 ケアマネジャーは変更できますか? ケアマネジャーの変更は利用者の希望があればいつでも変更することが可能です。変更する理由は特段伝える必要はなく、手続きに関しては費用などはかかりません。 ケアマネジャーとの関係が上手く行かない場合は、変更も視野に入れましょう。相性の良いケアマネジャーを見つけることが、今後の介護生活を豊かにします。 老人ホームに入居した場合、今までのケアマネジャーを引き継げますか? 在宅生活から老人ホームへ入居する場合、現在のケアマネジャーに引き続き担当してもらうことができない場合があります。 介護付き有料ホームやグループホームの場合は、現在のケアマネジャーにお願いすることはできず、入居先のケアマネジャーへ引き継ぎます。 住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅の場合は、一般的に住宅扱いとしているので、現在のケアマネジャーに引き続き依頼することが可能です。 ただし、その施設内にケアマネジャーの事業所がある場合などは、ケアマネジャーの変更が必要な場合もあるので、入居前に確認が必要です。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "ケアマネジャーを選ぶときのポイントは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
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混合介護とは?|介護保険の規制緩和やメリット・デメリットについて

介護保険ではカバーしきれない範囲を介護保険外サービスで補う「混合介護」が注目されています。 「混合介護」にはどのようなサービスの組み合わせがあるのでしょうか。またそのメリットやデメリットについても説明します。 混合介護とは? 混合介護とは、高齢者のニーズにあわせて介護保険対象のサービスと対象外のサービスを柔軟に組み合わせて介護をおこなうことを言います。それぞれのサービスでは対応できない部分を補完しあうことができるので、介護の幅を広げることができます。 ただし現状では、介護保険内・外のサービスを明確に分けることが難しく、混合介護の提供は進んでいません。介護保険対象のサービスは自己負担額1割ですが、対象外サービスは全額自己負担です。 どこまでが介護保険の対象で、どこは対象ではないかの区分けは難しいもので、請求面などでトラブルが起きやすくなるからです。 介護保険外サービスとは? 介護保険の対象サービスは、介護保険法で明確に定められています。一方で、介護保険の対象にならない介護保険外サービスはサービスの種類も広く、時代や高齢者のニーズにあわせた新しいサービスもたくさんあります。 ただし介護保険外サービスを利用した場合の費用は全額自己負担になります。 介護保険外サービスの内容例 訪問介護の介護保険サービスを例に、よく利用されている介護保険外サービスの内容を紹介します。 同居するご家族の分の調理、洗濯、買い物利用者ご本人が使用する居室以外の掃除庭の草むしりや花木の水やりペットの散歩やお世話窓拭きや大掃除配食サービス いずれも介護保険対象外ですが、介護を受けている高齢者にとっては非常に利用価値の高いサービスです。 混合介護の規制緩和 最近では、政府の間でも混合介護についての規制緩和の議論が進んでいます。その理由については以下のような点が挙げられます。 保険内サービスの制約を補う 介護保険対象サービスは制約が多いために融通が利かず、実際の介護現場では実践したくてもできないサービスもあります。介護保険対象外サービスとの組み合わせによって制約を減らし、利用者のためにできるサービスを増やすことが可能です。 訪問介護を例にすると、介護保険のサービスでは対象者の食事を準備することはできますが、同居している家族の食事を作ることはできません。しかし実際は、同居する家族の分も一緒に作ることは介護スタッフにとってそれほど大きな違いではありません。そしてなにより、家族のみなさんに喜ばれます。 混合介護が実現すれば、追加料金を払って同居する家族分の食事を作ることができるようになります。 介護スタッフなどの収入源確保 介護に携わる介護スタッフは大変な仕事の割に、収入はあまり高くありません。今後さらに高齢化が進むにつれて財源の確保は難しく、また介護報酬を上げることも難しい状況です。 混合介護の可能性が広がることで、介護報酬以外の収入減を確保でき、介護スタッフに入る収入も増えることになります。サービスの幅が広がることによって、なじみの介護スタッフに指名料を支払うようなことも実現するかもしれません。 保険内・外サービスの組み合わせ緩和 介護保険法に基づく保険内サービスでは、多様化する高齢者のニーズを反映することは難しいのが現状です。そのために、保険内・外、それぞれのサービスの良さを組み合わせることで、利用の幅を広げようとする意図もあります。 混合介護のメリット 混合介護を利用することで考えられているメリットは以下の通りです。 サービスの幅が広がる家族の負担を軽減できる介護スタッフの働き方が変わる サービスの幅が広がる 超高齢社会を迎え、高齢者やその家族のニーズはますます多様化する傾向にあります。 今後はパソコンやスマートフォンといったIT機器を活用した高齢者サービスも増えてきました。 混合介護を積極的に導入することでサービスの幅が広がって、介護の現場が活況することは間違いないでしょう。また、介護サービスにビジネスチャンスを見つけて参入してくる企業や事業者も増えていく可能性もあります。 家族の負担を軽減できる 介護保険ではあくまで最低限の介護が対象になっているので、それ以外はすべて家族の負担になっています。 最近では、働き盛りの40代50代の介護離職が社会問題にもなっています。混合介護でできることが広がれば、家族の負担も軽減して仕事を続けることができます。 介護スタッフの働き方が変わる 介護スタッフの勤務体制についても、現在は介護保険法によりいろいろな面で制限を受けています。混合介護の利用が進めば、業務時間の短縮や業務フローの改善につながり、介護スタッフの働き方も改善することが期待できます。 また、介護保険で対応できない部分を有料で対応することによって、介護サービスの質もあがり、高齢者やご家族の満足度もあがります。 混合介護のデメリット 混合介護は良い点を多く説明してきましたが、もちろんデメリットも存在します。混合介護のデメリットを3つまとめました。 保険外サービスの費用が高い不要なサービスが提供される可能性がある自立支援を阻害する恐れがある 保険外サービスの費用が高い 介護保険内サービスを利用した場合は自己負担額1割程度で済みますが、保険外サービス費用は全額自己負担になります。サービス料金に規制がないので、高額の費用が請求されてトラブルが起きることも懸念されます。 そもそも社会保険制度として介護保険は一律誰もが利用できることが基本理念です。高額な保険外サービスが登場することによって、高齢者間のサービス格差を助長してしまうというリスクが考えられます。 不要なサービスが提供される可能性がある 混合介護では保険内・外サービスが混合されやすく、認知症などで自己判断能力がない高齢者が不必要なサービス提供を受けてしまう危険があります。 悪質な事業者が十分な説明のないまま不要なサービスを高額で押し付ける。そのようなことが起きないための防止策について検討することも必要です。 自立支援を阻害する恐れがある 高齢者の自立のためには、なるべく補助なく自力でおこなうことが望ましいこともあります。特に食事や着脱、入浴面などの日常生活に関することを過度にサポートしてしまうと、高齢者が自分でおこなう機会を奪ってしまい、自力でできることもできなくなってしまいます。 保険外サービスが拡大されたとしても、自立支援を阻害するようなサービスについては目を光らせておく必要があります。 介護保険外サービスと介護保険サービスを上手に組み合わせよう 混合介護についてはメリットが大きい反面、判断力の弱い高齢者が適切に利用するためにはまだまだ気を付けるべき点も多いのが実情です。 自由度が高く、新しいサービスが多い介護保険外と介護の基礎となるべき介護保険対象サービスを上手に組み合わせられるよう、国や事業者は議論をしていかなければいけないでしょう。 混合介護に関するよくある質問 混合介護とは何ですか? 混合介護とは、介護保険対象のサービスと対象外のサービスを柔軟に組み合わせて介護をおこなうことを指します。それぞれのサービスでは対応できない部分を補うことで生活しやすくします。 介護保険対象外のサービスを利用すると料金は高いですか? 介護保険対象外のサービスを利用した場合、費用については全額自己負担です。便利なサービスではあるものの、利用しすぎた場合、気づけば予算をオーバーしてしまう可能性もあります。介護保険対象外のサービスを利用する際は、ケアマネジャーに相談しましょう。 混合介護をすることで家族の負担は減りますか? 混合介護によって、介護の幅が広がれば家族の負担を軽減させることができ、昨今、社会問題にも挙げられている介護離職のリスクも下げることができます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "混合介護とは何ですか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...
介護リフォームについての解説。介護リフォームは介護保険制度から補助金を受け取ることができる
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介護リフォームとは?費用や補助金、リフォーム事例を解説

介護される方にとっても介護する方にとっても、自宅を暮らしやすくリフォームしたいと考える人も多いでしょう。 自宅のどこをリフォームしたらいいのか 介護保険で補助金を受け取れるの 業者の選び方はどうするのか そんな疑問にお答えするべく、介護リフォームの始まりから完成までの流れをご説明します。 介護リフォームとは? 介護される人がこれまで暮らしてきた自宅に安心して住み続けられるよう、家の中の危険な場所をリフォームして安全な環境に整えることを「介護リフォーム」と言います。 介護される人が安心して暮らせるように考えるのはもちろん、介護する方の視点も忘れてはいけません。トイレや浴室など一緒に入って介助できるスペースを確保したり、車いすの使用が考えられる場合は、安全に介助できる動線の確保も必要です。 介護リフォームを検討するタイミング 介護リフォームをいつ検討すればいいのか悩む人も多いでしょう。それは、実際に介護や介護予防が必要になったときがベストです。 これまでは年齢の割に元気だった方が、脳梗塞などのような突然の病気や骨折などの怪我に見舞われることもあるでしょう。 病院から退院したあとに、自宅で安全に暮らしていけるよう、危険な場所のリフォームを検討しなくてはなりません。 また、これまでは問題なく暮らしていけるほど元気であっても、年齢を重ねていけば体力や運動機能も低下していくのが一般的です。ちょっとした段差をなくしたり、階段に手すりを設置するなど。自宅での危険が見えてきたときも介護リフォームを検討するタイミングです。 介護保険制度で受けられる補助金 介護認定を受け介護保険を利用すると、上限20万円まで介護リフォームの工事に対して補助金が支給されます。この補助金は介護保険制度では「住宅改修費」と呼ばれ、他の介護保険サービスの支給限度額には含まれません。 したがって、毎月利用している介護サービスとの限度額を気にすることなく利用できます。また介護認定度によって限度額に差はないので、要支援認定であっても要介護認定であっても同様のリフォームをすることができます。 介護保険を利用し、介護リフォームの工事に対して補助金が受けられる要件は以下の通りです。 利用者が要介護認定で要支援もしくは要介護に認定されている利用者が実際に居住している利用者が福祉施設に入居中、病院に入院中ではない支給は1人1回20万円の工事まで住民登録地の1つの住宅につき原則1回限りの支給※ただし、ひとつの住宅に要支援・要介護者が複数いる場合は、利用者ごとに支給限度額が設定され、重複工事でなければそれぞれが申請可能要介護度が3段階以上上がると、1人1回に限り再度20万円まで給付が受けられる 償還払いと受領委任払いの違い 介護保険を使って住宅改修をおこなう場合、介護給付を受ける方法には「償還払い」と「受領委任払い」の2種類があります。 償還払い 「償還払い」の場合は、工事完了後に工事費の全額を施工業者に払う必要があります。 その領収書を申請書とともに窓口に提出すると、自己負担分を除く金額が自治体から払われるという仕組みです。 受領委任払い 「受領委任払い」では、業者への支払いは自己負担分のみ。必要な書類を窓口に提出することで、給付金が業者に直接支払われます。 介護リフォーム事例 では、実際に自宅のどの場所の介護リフォームを検討すればいいのでしょうか。具体的に、介護リフォームに適した箇所は、以下のようなところです。 玄関・廊下 浴室 トイレ 階段 具体的な事例を挙げて紹介します。 玄関・廊下 玄関・廊下の介護リフォームで考えられるのは、以下のようなものです。 スロープの設置 手すりの設置 ドアの取り替え スロープの設置 玄関から廊下には段差があることが多く、介護される方もする方も危険だと感じることも多い場所です。 段差は高くても15cm以内に収めると玄関の出入りもしやすいですが、もっと安全にするためにスロープを設置するのも一案。段差があるよりも肉体的な負担も少なくてすみます。 手すりの設置 立ち上がったり歩き始めの際、体を支えられる手すりがあると転倒防止にもつながります。靴を脱いだり履いたりする玄関だからこそ、手すりがあると安心です。 ドアの取り替え 現在の住宅に多い外開きのドアの場合、ドアの前で鍵を開け、一度下がってからドアをあけます。そのため、ドアを開けるときに、扉を開けるスペースを確保しないといけません。 歩行が困難な状態になったり車いすを使用するようになると、この少しの行動も負担に感じてしまうでしょう。 引き戸にリフォームすることで、扉を横に開くだけの最小限の行動ですみます。ただし引き戸へのリフォームは引いた扉を収納するスペースが必要となります。住宅の構造上リフォームできない場合もあるので、リフォーム業者に相談してみてください。 浴室 浴室の介護リフォームで考えられるのは、以下のようなものです。 床材の変更 手すりの設置 浴室面積の拡張 浴室暖房の設置 床材の変更 濡れると滑りやすい浴室は自宅の中でも事故が多い場所です。 浴室の床がタイルの場合は特に滑りやすく、介護される方だけでなく介護する方も事故に合わないよう注意する必要があります。床材を滑りにくいタイプにリフォームすると良いでしょう。 手すりの設置 浴槽に入る際には段差があったり、足をあげたりと行動も大きくなるので浴槽のそばに手すりがあると安心です。 もちろん浴槽の近くだけでなく、浴室の出入口や洗い場などにも手すりを設置できるスペースがあれば設置しましょう。 浴室面積の拡張 入浴介助が必要の場合は、大人が2人で入るスペースが必要になります。体などを洗うときは特に狭いと十分に作業ができません。今の浴室で広さが足りないようであれば、浴室の拡張を検討してみましょう。 浴室暖房の設置 浴室では温度差によるヒートショックが起きやすい場所と言われています。脱衣スペースに暖房を置いたり、浴室暖房を設置するなどして体に負担がかかる温度変化を少なくするようにしましょう。 トイレ トイレの介護リフォームで考えられるのは、以下のようなものです。 手すりの設置 トイレ内が冷えない対策 和式から様式への交換 手すりの設置 トイレは座ったり立ち上がったりするので、手すりは欠かせません。トイレは事故が起こりやすいので早めに対策しましょう。 トイレ内が冷えない対策 浴室と同じく、トイレもヒートショックが起きやすい場所と言われています。温水便座の設置やトイレ内に暖房を置くなど、トイレ内でも温度変化が起きにくい対策を取っておくと安心です。 和式から洋式への交換 トイレは1日に何度も利用するだけでなく、深夜にも利用する場所です。和式トイレを使っている家はなるべく洋式トイレに交換することをおすすめします。 洋式トイレのほうが使いやすく、介護する方の負担も軽減される場合が多いでしょう。 階段 階段の介護リフォームで考えられるのは、以下のようなものです。 手すりの設置 照明の設置 手すりの設置 階段の手すりは、階段の片側にのみ設置されている場合も多いです。毎日、階段の上り下りをするようであれば、階段の両側に手すりを設置することをおすすめします。 例えば、右側のみに手すりを設置した場合、上るときは利き手側に手すりがありますが、下りる場合には利き手側に手すりがありません。 年齢を重ねると、階段を上るよりも下りるときの方が危険な場合も多くなります。階段の両側に手すりがあると安心です。 照明の設置 ふつうの住宅では階段の照明は天井部分についています。しかし天井の照明は高さもあるため、明るさが足りないと感じていることがあります。 足元に照明を設置することで転倒を予防できます。足元の照明は人を検知して点灯する人感センサーが搭載されている照明を選ぶと便利です。 介護リフォームにかかる費用 介護リフォームにはどれくらいの費用がかかるのか心配な方もいるでしょう。具体的なリフォーム場所と金額を例示します。 玄関・廊下 段差の多い玄関は介護リフォームが必要になることが多い場所です。車いすでも出入りできるようスロープを設置したり、体を支える手すりやベンチを設置することもあるでしょう。開き戸のドアから引き戸へのリフォームや、滑りやすいタイルから滑りにくい床材へ変更される方も多いです。 スロープの設置:約2万円~ 手すりの設置:約5万円~ ベンチの設置:約2万円~ 開き戸から引き戸への変更:約10万円~ 滑りにくい床材への変更:約3000円/㎡~ 浴室 浴室は滑りやすく事故もおこりやすいため、安全面を考慮したリフォームがよくおこなわれます。特に寒い季節には、室内と浴室との温度差からヒートショックを起こし、高齢者が亡くなることもあります。 浴室暖房を設置することで温度差がなくなり、体への負担も少なくなります。浴室を広げたり、手すりの設置やドア交換、滑りにくい床材への変更は以下の金額が目安となっています。 浴室暖房の設置:約10万円~ 浴室拡張:約15万円~ 手すりの設置(1本あたり):約1万円~ ドア交換:約3万円~ 床材の変更:約4万円~ トイレ トイレを使いやすく負担が少ないようにリフォームしたいと考える方も多いでしょう。ヒートショックを防ぐために温水便座に交換したり、和式から洋式トイレにリフォームしたり。 体への負担が少なく快適に用を足せるようなリフォームに必要な金額の目安は以下の通りです。 便座の交換:約5万円~ 便器の交換:約10万円~ 便器の交換と床や壁紙の内装リフォーム:約20万円~ 和式から洋式への交換:約40万円~ 階段 戸建て住宅に住んでいる方にとって階段のリフォームは欠かせません。 階段で転倒すると大けがにつながります。階段の両側に手すりを設置したり、すべりにくい床材に変更するなどが考えられます。以下の通り数万円から数十万円かかるリフォームまで。階段のリフォームの料金の幅は広くなっています。 階段の勾配を調整:約50万円~ 床材の変更:約10万円~ きしみの改善:約3万円~ 照明の設置:約2万円~ 手すりの設置:約5万円~ 介護リフォームが完了するまでの流れ 市区町村に申請書類の一部を提出 申請には、申請書、理由書、工事の見積り書、改修図面、改修前の写真など資料の提出が必要で審査には時間がかかります。少なくとも工事の2週間前までには申請を終えるようにしましょう。 また給付金を受け取るために必ず着工前に申請し、審査が通ってから工事を開始してください。 施工業者に工事費の支払い 支払いの仕方には「償還払い」と「受領委任払い」の2種類があります。「償還払い」は、工事完了後に工事費の全額を施工業者に払う必要があるので注意が必要です。 また、「受領委任払い」では、業者への支払いは自己負担分のみになり持ち出しが少額で済みます。 住宅改修費の支給 申請が受理され承認されると、給付金が支払われます。支給のタイミングは自治体によってルールが異なりますが、1~2ヵ月かかることもあるので注意が必要です。 良い業者の選び方 介護リフォームに限らず、リフォームは良い業者を選ぶことが大切です。リフォーム業者にはそれぞれ得意分野がありますので、介護リフォームに強い業者を選ぶと良いでしょう。 福祉関連の専門知識を持つ福祉用具専門相談員や福祉住環境コーディネーターが関わっているかどうかを確認するのもひとつの方法です。 介護リフォームの作業実績を確認したり、担当のケアマネジャーに業者選びを相談するのも良いでしょう。 自治体によっては自治体主催の住宅改修研修会などに参加した業者を公開している場合もありますので、お住まいの自治体のホームページもチェックしてみてください。 介護リフォームの注意点 介護保険サービスを使用して介護リフォーム、つまり「住宅改修費」を利用する場合には、工事前に必ず自治体に事前申請する必要があります。工事が始まっていたり完了してしまってからでは、原則「住宅改修費」として介護保険サービスを受けられません。 介護リフォームは、介護される方の身体の症状や家の状態によってそれぞれ異なります。介護リフォームする前に、必ずリフォーム業者やリフォーム個所についてケアマネジャーなど介護のプロに相談しましょう。 介護保険の上限支給額以上の金額を請求されたり、不必要な工事が含まれてしまうなど余計なトラブルを防ぐことができます。 介護リフォームを利用し快適な生活を送ろう これまで暮らしてきた家でも、年齢を重ね体力や身体機能が低下すると玄関、浴室、トイレ、階段などで思わぬ危険が出てきます。 介護保険サービスを使って介護リフォームをすることで、経済的な負担を抑えながら安心な住環境を整えることができます。 ケアマネジャーにきちんと相談しながら、適切なリフォームと「住宅改修費」の申請をおこない、これまで暮らした家で快適な生活を送りましょう。 介護リフォームに関するよくある質問 介護リフォームとは何ですか? 家の中の危険な場所をリフォームして安全な環境に整えることを「介護リフォーム」と言います。介護される側だけではなく、介護をする家族のためにも介護リフォームは有効な手段です。 介護リフォームはどの箇所をすれば良いですか? 主に「玄関・廊下」「浴室」「トイレ」「階段」などが挙げられます。例えば、玄関へスロープを設置したり、浴室には手すりを設置、トイレは和式から洋式への変換をおこなったり、階段には照明を設置したりとさまざまです。 介護リフォームにかかる費用はどのぐらいですか? 介護リフォームをする箇所や依頼する事業所によってさまざまです。 例えば、玄関へスロープを設置した際は約2万円~、浴室の床材の変更は約4万円~、トイレの便器交換は約10万円~、階段の勾配を調整した場合は約50万円~と金額に差があります。介護リフォームを検討する際は、事業所とよく話し合い決めましょう。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": 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介護保険が適用にならない「介護保険外サービス」の内容
介護の基礎知識

介護保険外サービスとは?内容例やメリット・デメリットを解説

介護保険の対象にならない介護保険サービスは種類も多く、利用者のさまざまなニーズに対応しています。介護保険外サービスを知っておくことで、介護の幅も広がります。 介護保険外サービスは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。またそのメリットとデメリットについてもまとめました。 介護保険サービスと介護保険外サービス。両方のバランスをとって、より良い介護を目指したいですよね。 介護保険外サービスとは? 介護保険外サービスとはその名称の通りに介護保険の対象にならないサービスのことです。介護保険の対象ではないので、当然、費用は全額自己負担です。 介護保険の対象になるサービスが介護をおこなう上で最低限必要なサービスであるのに対し、介護保険外サービスは、より自由度の高いサービスになります。 介護保険の対象サービスは要介護の高さによって利用に制限があったりしますが、介護保険外サービスは要介護の低い人でも誰でも受けることができます。 介護保険外サービスの内容例 介護保険外サービスにはいろいろな種類があります。具体的にどのようなものがあるか例を見ていきましょう。 主な保険外サービスの種類は以下の通りです。 訪問介護系の保険外サービス ※外出支援サービスなど 通所介護系の保険外サービス ※お泊りデイサービスなど 高齢者の見守り 配食 訪問理美容 地方自治体サービス ※おむつの支給・おむつ代の助成、緊急通報システムなど 訪問介護系の保険外サービス 訪問介護の介護保険外サービスは、ニーズは高かったものの通常の介護保険では対応できないような、日常的なサポートが中心。例えば、介護が必要な高齢者が一人ですることが難しい料理の準備や、大掃除といったものを代行するサービスです。 サービス範囲は広く家族旅行への付き添いやペットの世話といったものもあります。 外出支援サービス 外出支援サービスは、歩行に不安がある方や車いすの方の外出をサポートするサービスです。 公共交通機関に乗ることが難しい場合は、車いすのまま乗り降りできる介護タクシーなどを利用します。外出支援サービスは利用が多く、自治体や社会福祉法人サービスを主にサービスを提供しています。 通所介護系の保険外サービス 通所介護の保険外サービスは、主に介護事業所で介護保険サービスに付随して提供されています。 最近、介護保険法改正で介護保険報酬が下がったために、事業者も新たな保険外サービスを提供するようになりました。具体的にはお泊まりデイサービスや滞在延長、身体づくりに関するものなど。 ただし、同じ事業者が介護保険サービスと介護保険外サービスをおこなっていると、どちらか見分けがつきにくく請求時にトラブルが起きる可能性があるので注意しましょう。 お泊りデイサービス お泊りデイサービスとは、通常日中で終わるデイサービスを、そのまま夜間まで引き続き利用して宿泊できるサービスです。 通所介護の延長利用は保険対象サービスではありますが、事業者の負担が大きく、あまり利用されていません。一方で、保険対象外のお泊まりデイサービスは家族の外泊などの際によく利用されています。 高齢者の見守りサービス 核家族化が進んだことで、成人した子供と高齢の親が離れて暮らしている家庭も多くなっています。離れていると親が健康に元気に暮らしているか、トラブルに巻き込まれていないかといった心配が尽きません。 高齢者の見守りサービスはそのようなニーズに対応して、代わりに親の見守りサポートをしてくれるサービスです。 配食サービス 配食サービスは、高齢者の自宅に食事を届けてくれるサービスです。 高齢者にとっては毎日三食料理を作ることは大変です。また身体に不調があり買い物にいくことが難しいケースもあります。 配食サービスは、届けてくれるだけでなく、利用者の健康状況などにも配慮され、噛む力の弱い高齢者向けに食べやすい形で提供しています。 訪問理美容サービス 外出することが難しい高齢者向けに、訪問してヘアカットやハンドケアなどをおこなうサービスを訪問理美容サービスといいます。 理美容の中心はヘアカットなど髪のケアですが、ネイルやマッサージ、メイクなども対象。訪問理美容サービスは介護保険外サービスですが、自治体によっては利用に対してクーポンなどの補助をおこなっているところもあります。 地方自治体サービス 介護保険外サービスは全額実費負担になりますので、利用者にとっては金銭的に重荷です。そこで各地方自治体によっては、それぞれ独自の補助をおこなっているところもあります。 地方自治体による支援サービスの対象者は、原則としてその市区町村に住民票がある高齢者限定です。 どのようなサービスがあるのか、各自治体がおこなっているサービスについて一例を見ていきましょう。 おむつの支給・おむつ代の助成 高齢者向けのおむつやパット、リハビリパンツをを無料で配達してもらえるサービスです。 おむつは通常、介護保険対象外ですが、数が増えると金額的にも負担になります。施設におむつが持ち込めない場合は、購入費用分の金額が支給されるサービスもあります。配られるおむつの種類や数量、自己負担額などは各自治体によって異なります。 緊急通報システム 緊急通報システムとは緊急通報装置を自宅に設置。急に具合が悪くなって倒れてしまったり、火災や地震などの緊急事態が起きたときに、民間のセンターに通報してくれるサービスです。 基本的に24時間いつでも救助にきてもらえます。緊急通報システムは高齢者の安否を知るうえで大切なシステムなので、自治体から月額料金や初期費用の助成があるケースが多くなっています。 介護保険外サービスのメリット 介護保険外サービスは全額自己負担になりますが、サービスは活況です。介護保険外サービスを利用するメリットには以下のようなものがあります。 サービスの幅が広がる家族の負担を軽減できる生活の質(QOL)の向上に繋がる サービスの幅が広がる 介護保険の対象サービスは介護保険法によって利用条件などが決められています。それに対して介護保険対象外サービスはニーズにあわせてサービスの幅を自由に広げることができます。 最近では、AIやロボットを活用した介護サービスも登場しています。今後はさらにIoT化が進み、革新的なサービスが出てくることでしょう。 家族の負担を軽減できる 介護保険ではあくまで高齢者の「介護」を主眼においているので、それ以外のサポートはすべて家族が負担することになります。 例えば料理を作ったり、ペットの世話をしたりという生活面での補助も介護保険対象外サービスでは利用できるので、家族の負担を軽減することにつながります。 生活の質(QOL)の向上に繋がる 高齢者の方の生活スタイルや趣味、考え方は人によってさまざまです。高齢者の生活の質(QOL)を高めるために介護保険対象外サービスは有効です。 補助があれば旅行に行くことも、コンサートに行くことも可能。高齢者が充実した毎日を過ごすためには、介護保険対象外サービスの利用も一案です。 介護保険外サービスのデメリット 介護保険対象外サービスにはメリットが多い一方で、デメリットもあります。介護保険対象外サービスのデメリットについては下記の通りです。 金銭的負担が大きい不要なサービスが提供される可能性もある 金銭的負担が大きい 介護保険対象のサービスであれば自己負担額は費用の1割(収入よっては2~3割)ですみます。しかし介護保険対象外サービスの場合は、全額を負担しなければなりません。 便利だからと利用しすぎると、気づけば予算がオーバーしているなんてこともあり得ます。介護保険対象外サービスを利用する時は、ケアマネジャーにあらかじめ相談してアドバイスをもらってからにした方が良いでしょう。 不要なサービスが提供される可能性もある 介護保険対象外サービスは金額もサービス内容も自由であるために、必要のないサービスを高額でおしつけられてしまうケースがあります。 高齢者の方も強く出られると上手に断れなかったり、密室の中で断りにくい雰囲気をになったりすることも。保険外サービスを利用するときは、ちゃんとした業者かあらかじめ確認しましょう。 介護保険外サービスは計画的に利用しよう 介護保険対象外サービスは、高齢者の生活の質を向上させる大切なサービスです。ただし、金銭面で負担があるので、利用は予算を考えながら計画的に利用しましょう。 また、介護保険外サービス業者も玉石混交なので、まずはケアマネジャーや市町村の窓口に相談してください。評判の良い業者を紹介してくれたり、どのようなサービスに強いかといったことも聞くことができます。 介護保険サービスと介護保険外サービス。両方のバランスをとって、より良い介護を目指しましょう。 介護保険外サービスに関するよくある質問 介護保険外サービスはどのようなことをしてくれますか? 介護保険外のサービス内容は主に「外出支援」「高齢者の見守り」「配食」「訪問理美容」などが挙げられます。サービス内容は幅広く、家族旅行の付き添いや、ペットの世話にも対応しています。 介護保険外サービスは誰でも利用できますか? 介護保険サービスは要介護認定を受けている人からを対象としているサービスもある中、介護保険外サービスでは利用制限はなく、誰でも利用することができます。 介護保険外サービスを利用することでどんなことが期待できますか? 「サービスの幅が広がる」「家族の負担を軽減できる」「生活の質の向上につながる」といったことが期待できます。 介護保険サービスの場合、利用者のニーズにすべて応えるのは難しいです。しかし、介護保険外サービスを利用することで補助があれば旅行に行くことも、コンサートに行くことも可能で、充実した生活を送ることができます。 { "@context": "https://schema.org", "@type": "FAQPage", "mainEntity": [{ "@type": "Question", "name": "介護保険外サービスはどのようなことをしてくれますか?", "acceptedAnswer": { "@type": "Answer", ...

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介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

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グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

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