新たな研究で、居住地域の自然が豊かであるほど、認知症や動きが鈍くなったり手が震えたりするパーキンソン病の入院リスクが低下する可能性が示されました。
この研究は、アメリカのハーバード公衆衛生大学院によっておこなわれ、研究結果は「JAMA Netowork Open」という医学誌に掲載されています。
この研究の対象者は以下のとおりです。
これらの条件に該当した研究の対象者数は、約6200万人です。
また、今回の研究にあたって、研究グループは対象者が住んでいた地域の自然環境も調査しています。調査した自然環境は以下のとおりです。
約6200万人分にも及ぶ対象者の医療データを解析した結果、居住地域の自然環境と、パーキンソン病や認知症の入院リスクは相関関係にあったことが明らかになりました。
パーキンソン病の入院リスクは、周囲の緑地面積、公園の割合、水辺の割合という今回の研究で用いられたすべての指標に関連性が見られました。
つまり、さまざまな植物が生えていたり、公園や水辺が多かったりする地域に住んでいる人のほうがパーキンソン病の入院リスクが低いことが判明したのです。
一方、認知症の入院リスクは周囲の緑地面積のみに関連性が見られました。言い換えると、公園や水辺の多さは認知症の入院リスクに関係ありませんでした。
今回の結果を踏まえ、研究グループは「今回の研究で、豊かな自然環境に身を置く高齢者のほうが、認知症やパーキンソン病の入院リスクが低下することがわかった。このことを踏まえ、政策決定者は高齢者の居住環境に対する政策アプローチを検討してほしい」としています。
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