30代以下の約3割が介護保険を「知らない」。若者に縁遠い介護サービス
更新日
2022/01/27
公立鳥取環境大学などが「若者の介護意識についての調査アンケート」を実施。その結果、
介護保険について「知らない」と回答した30代の若者は約30%、40代以上は約10%となりました。
また
30代以下は約20%、40代以下は約6%の人が「身近な人の介護について考えたことがない」と回答しました。
30代以下と40代以上の人の間で、介護に対する認識が大きく異なることがわかる結果となりました。
30代以下と40代以上で、大きな意識の差が
2021年11月に公立鳥取環境大学などのチームが「若者の介護意識についての調査アンケート 」をネット上で実施。16歳〜40代以上の男女313人の回答が集まりました。
家族などの身近な人の介護経験の有無、老人ホームや
デイサービスといった介護サービスを知っているかなどを質問。介護にまつわる物事について、さまざまな角度からアンケートを取りました。
介護保険について「知らない・わからない」と回答したのは、30代では約27%、40代以上では10%程度という結果でした。
また「家族や親戚の介護について考えたことはあるか」という質問も、同じような結果になっています。
「あまり考えたことがない」「まったく考えたことがない」と答えたのは、30代以下は約23%、40代以下は約6%。30代以下の若者は、介護を”遠いもの”と考えている人が多いようです。
”介護”を事前に学べる環境を
今回のアンケートは、当然の結果と言えるでしょう。
40代の人の親世代は多くが60~70代。親世代にとって自分自身の介護・老後への関心が高くなってくる年代です。親との会話で介護の話をしていく中で、介護サービスを調べていても不思議ではありません。
30代の人の親は、おそらく50~60代が多いでしょう。この年代であれば、親世代もまだ自分自身の介護の認識が低い可能性もあります。アンケートでは10代も回答していますから、親世代が30代ということもあるかもしれません。
介護サービスは「何かあったら考えよう」という人が多いので、縁遠く感じてしまうのは仕方がないことです。
しかし、若者の介護の意識が低いことは問題です。介護保険制度では、家族を介護の担い手と考えています。しかし、いざ介護が必要となったときに、
介護離職をしてしまいかねません。
多様な働き方が求められている現代、介護にもいろいろな形が求められています。
介護保険制度や、さまざまな介護サービスや相談窓口があると理解することが、仕事と介護の両立や遠距離介護の実現にもつながるでしょう。
そういった
知識を事前に手に入れられる場所を、身近に作ることが求められているのではないでしょうか。
この記事の執筆者
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