認知症を発症する危険因子に、糖尿病や喫煙習慣などがあることはご存じでしょうか。
カナダのベイクレスト高齢者医療センターは、認知症の危険因子がない高齢者では「10〜20歳若い人と同じように脳の健康が保たれている」との研究結果を明らかにしました。
カナダのベイクレスト高齢者医療センターは、脳の健康状態を簡単に評価できる「コグニシティ 脳の健康 評価ツール」を利用して、認知症のリスクについて調査しました。
このツールで調べられるのは、認知症の危険因子として知られている高血圧、糖尿病、喫煙習慣、難聴、外傷性脳損傷、アルコール・薬物乱用、うつ病、低教育などの項目です。
今回の調査には、18~89歳の2万2117人が参加。自宅でこのツールを使って認知症リスクについて判定を受けました。その結果、高齢者(66~89歳)は、中年者(45~65歳)や若年者(18~44歳)に比べ、危険因子が多い傾向があったそうです。
しかし、40代~70代で危険因子を持たない人は、多くの危険因子をもつ10~20歳年下の人と認知能力は同等であることがわかりました。
さらに、認知症の危険因子が増えるにつれて認知能力の低下も進むそうです。たとえば、3つの危険因子をもつ人は、9歳分の年齢を増すほどの認知能力の低下につながる可能性があるのです。
加えて今回の調査は、若年期から高齢期までの長い期間の危険因子を生活スタイルから調べた初めての調査でした。その結果、認知症の危険因子は、できる限り人生の早期から対処していくとリスクを減らす可能性があることが分かりました。
今回の調査結果では、認知症の対策は人生の早いうちに始めると効果的であることがわかりました。認知症予防が若いうちから始めても効果があるとは驚きですね。
さらに今回の研究では、すでに糖尿病の人や喫煙習慣のある人でも、生活スタイルを改善して対策を始めれば認知症のリスクを減らせることも分かりました。
ということは、認知症予防に年齢は関係ないようです。食生活の見直しや運動、禁煙などできることから始めてみるといいかもしれません。
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