介護費用は年金だけで足りる?|在宅介護・施設介護の目安の費用と助成制度

介護費用は年金だけで足りる?|在宅介護・施設介護の目安の費用と助成制度

更新日 2023/06/29

家族の介護が必要になると心配なのが介護費用です。特に年金や貯蓄が少ない場合、親のお金だけで介護費用がまかなえるのか不安な方も多いのではないでしょうか。

この記事では、介護保険サービスの自己負担割合や介護にかかる費用の目安を解説。介護費用を軽減する制度とその支給要件と申請方法も紹介します。

自分の将来の介護費用が心配という方も、ぜひ参考にしてください。

介護保険の仕組みを理解して費用を把握しよう

介護にかかる費用の大部分を占めるのが「介護保険サービス費」です。要介護度により上限額が決まるほか、所得などにより自己負担割合も変わります。まずは介護保険の仕組みを知り、介護費用の把握につなげましょう。

介護保険サービスは基本的に1割負担

介護保険サービスの利用費は、利用者自身が負担する「自己負担」と、介護保険制度が負担する「介護給付」で支払います。このうち介護給付の半分は、40歳以上の方が納める介護保険料で、残りの半分は税金でまかなわれています。

自己負担は基本的には1割ですが、所得などの条件によっては2割または3割になることも。これは介護保険費用の増大が社会問題化し、一定以上の収入がある高齢者の自己負担額が引き上げられたことによります。

今後も自己負担額を増やすために法改正などが検討されています。収入によっては自己負担割合が変わることもあるので、制度の変更には注目しておきましょう。

自己負担割合はどうやって決まる?

自己負担額は、世帯人数と合計所得金額によって変わります。どのようなパターンがあるか具体的に見ていきましょう。

世帯に65歳以上の方が1人の場合(単身者含む)

介護保険の自己負担割合を判定するためのチャート。世帯に65歳以上高齢者が1人しかいない場合

世帯に65歳以上の方が2人以上の場合

介護保険の自己負担割合を判定するためのチャート。世帯に65歳以上高齢者が2人以上いる場合

介護費用の目安は?

それでは、実際に介護が必要になるとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ここからは、在宅介護と施設介護、それぞれの費用の目安を紹介していきます。

在宅介護の場合

生命保険文化センターがおこなった全国実態調査によると、在宅介護を始める際にかかる一時的な費用の平均は74万円、月額費用の平均は8.3万円となっています。

一時的に必要な介護費用は平均で74万円

出典:「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(公益財団法人 生命保険文化センター)

一時的にかかる費用には、自宅を介護に適した環境にするためのリフォーム費用や車椅子、介護用ベットといった介護用品の購入費用が含まれています。

毎月の介護費用の平均は8.3万円

出典:「2021(令和3)年度生命保険に関する全国実態調査」(公益財団法人 生命保険文化センター)

また月額費用としては紙おむつなどの消耗品の購入や、デイサービスなどの外部サービスを利用した場合の費用などが挙げられます。

施設介護の場合

老人ホームには、国や自治体などが運営する「公的施設」と民間企業が運営する「民間施設」があります。次の表は、公的施設と民間施設の費用の相場です。

公的/民間 施設の種類 初期費用 月額費用
民間 介護付き有料老人ホーム 0~数千万円 15~30万円
住宅型有料老人ホーム 0~数千万円 11~25万円
サービス付き高齢者向け住宅 0~数十万円 11~25万円
グループホーム 0~数十万円 10~15万円
公的 ケアハウス 0円~数十万円 6~17万円
特別養護老人ホーム 0円 8~14万円
介護老人保健施設 0円 8~14万円
介護医療院 0円 10~20万円

老人ホームの費用には、契約時に支払う「初期費用」と毎月かかる「月額費用」があります。表中の月額費用は家賃・管理費・食費・水道光熱費などの最低限必要な費用のため、医療費や介護保険自己負担額、日用品や嗜好品購入費などは別途必要です。

表を見てわかる通り、公的施設の費用は民間に比べて安く、厚生年金を受給している方なら年金だけでの入居も不可能ではありません。ただし、公的施設は費用が安いことから待機期間が長い傾向にあり、すぐに入れるとは限らないことは理解しておきましょう。

【具体例】要介護3の場合

在宅介護特別養護老人ホーム
(ユニット型個室)
有料老人ホーム
介護サービス費27,048円23,790円20,220円
家賃
(居住費)
0円60,180円115,000円
管理費0円0円98,000円
食費0円43,350円54,000円
その他35,000円10,000円10,000円
合計62,048円137,320円297,220円

なお、この表における在宅介護の費用には家賃・管理費・食費は含まれていません。これらは介護が必要になる前からかかっているので、対象外としています。ただし介護を始めるにあたって家をリフォームする場合はその分の支出は一時的な費用として追加します。

上記表によると、在宅介護にかかる費用は62,048円と最も安く、最も費用が高い介護付き有料老人ホームとの金額差は235,172円にものぼります

在宅で介護をおこなう場合には家賃や管理費、食費などが追加でかからず費用を安く抑えられている一方で、施設入居の場合には、居住費や食費を別途支払う必要があるため費用が高くなっています。

また、施設を利用して自宅が空き家になる場合でも、家の維持管理費などは支払うことになるために二重で居住費用がかかることもあります。

受け取れる年金額を把握しよう

受け取れる年金額を把握しよう

受け取れる年金額は国民年金のみで約6万円程、厚生年金の場合は約21万円程が支給されています。

以下では、令和4年度の月額の年金金額をまとめました。

厚生年金国民年金
令和4年度
219,593円
64,816円

出典:「令和4年4月分からの年金額」(日本年金機構)

すでに年金を受給している方で「いくら年金をもらってるかわからない」という場合は、銀行口座の確認をしましょう。年金は2ヵ月に一度支給されるので、その金額を1/2にすることで月額の金額を把握することができます。

年金だけでは介護費用が足りないときの助成制度

年金受給額は人によって異なり、年金だけでは介護費用が足りないという方も少なくありません。そこで、介護の費用負担を軽減するために、次のような制度があります。

  • 介護休業給付
  • 居宅介護住宅改修費
  • 福祉用具購入費
  • 家族介護慰労金
  • 高額介護サービス費
  • 高額介護合算療養費制度
  • 医療費控除

それでは、それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。

介護休業給付

家族の介護のために介護休業を取得すると、雇用保険から介護休業給付を受けられます。休業中も給与の約67%を受け取れるので、介護のために仕事を休まざるを得ない雇用保険加入者はぜひ活用しましょう。

給付額は「休業開始時賃金日額×支給日数×67%」で計算します。ただし、1つの支給単位期間(介護休業開始日から起算した1ヵ月ごとの期間)で休業開始時賃金日額×支給日数の80%以上の賃金が支払われた場合、給付額は0円です。

また、80%未満でも収入によっては減額される場合があります。

支給要件・申請方法

介護休業給付の受給には、雇用保険の被保険者期間が12ヵ月あることに加え、以下の要件を満たす必要があります。

  • 介護休暇ではなく介護休業を取得していること
  • 介護休業を開始する前の2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヵ月以上あること
  • 介護休業終了後に離職の予定がないこと
  • 期間雇用者は介護休業開始から93日~6ヵ月経過までの期間に雇用期間の終了予定がないこと

要件にあてはまる場合、対象となる1人の家族に対して93日まで支給されます。通算93日以内であれば、3回までは分けての取得も可能です。

介護休業給付を受けるには、介護休業修了の翌日から2ヵ月後の月末までにハローワークで申請します。

居宅介護住宅改修費

介護が必要になっても自宅で安全に生活し続けられるよう次のようなリフォームをおこなうと、介護保険から居宅介護住宅改修費が支給されます。

  • 手すりの設置
  • 段差の解消
  • 床材の変更・滑り止め設置
  • 扉の取り換え
  • 便器の取り換え
  • 上記に付帯して必要となる工事

    新築工事は対象外のため、支給を受けるには完成後に改めて設置工事をおこないます。賃貸住宅に居住している場合も家主の承諾が得られれば改修できますが、転居や退去に伴う原状回復費用は全額自己負担です。

    支給限度基準額は要介護度や工事の内容に関わらず20万円です。受け取れる金額は介護保険の自己負担割合によって異なり、たとえば自己負担割合が1割の方が上限の20万円を超えるリフォーム工事をおこなった場合、支給額は自己負担額の2万円を除いた18万円です。

    支給要件・申請方法

    居宅介護住宅改修費の支給要件は次の通りです。

    • 要介護認定で要支援・要介護の認定を受けていること
    • 介護保険被保険者証の住所と同一かつ居住している住宅の改修であること
    • 入院や介護施設入居等で自宅を離れていないこと
    • 以前に支給上限額以上の住宅改修費を利用をしていないこと

      引っ越しなどで住所が変わった場合や要介護度が3段階以上上がった場合は上限額がリセットされ、再度利用可能になります。また、1回の工事で上限に達しなかった場合、残りの金額は次回以降の改修時に利用できます。

      自治体への申請は、工事前の「事前申請」と工事後の「事後申請」が必要です。居宅介護住宅改修費の支給を受けるには、まずはリフォームしたい旨担当ケアマネジャーに相談しましょう。

      なお、居宅介護住宅改修費は、全額を支払ったのち申請後に払い戻しを受ける「償還払い」が原則です。

      ただし、自治体によっては施工業者に自己負担額のみを支払い、残りは自治体から直接支払う「受領委任払い」を認めていることもあります。詳しくは担当ケアマネジャーにお問い合わせください。

      福祉用具購入費

      介護保険の福祉用具は、自立した日常生活を支援して家族の負担を軽減するためのものです。レンタルが基本ですが、再利用に抵抗があるものや使用によって品質が劣化するものには福祉用具購入費が支給されます。

      対象は以下の品目で、これらは「特定福祉用具」と呼ばれます。

      • 腰掛便座
      • 特殊尿器
      • 入浴補助用具
      • 簡易浴槽
      • 移動用リフトのつり具の部分

        福祉用具購入費の支給限度基準額は、要介護度に関わらず4月から翌年3月の1年間で10万円です。例えば、自己負担割合1割の人が10万円の特定福祉用具を購入した場合、自己負担額の1万円を除いた9万円が支給額されます。

        支給要件・申請方法

        福祉用具購入費の支給要件は、要支援・要介護の認定を受けていることです。なお、要介護の方は「特定福祉用具販売」要支援の方は「特定介護予防福祉用具販売」と名称が異なりますが、対象品目や支給限度基準額は同じです。

        利用するには、まずは担当のケアマネジャーに相談し、紹介された特定福祉用具販売事業所で商品を購入します。購入後に必要書類を揃えて自治体に申請すると、後日振り込みで支給されます。

        福祉用具購入費も償還払いが原則ですが、自治体によっては受領委任払いを利用できます。受領委任払いを希望する場合は、福祉用具の選定と合わせて担当ケアマネジャーに相談しましょう。

        家族介護慰労金

        家族が要介護4や5であっても、「できるだけ家族だけで介護したい」「本人が拒否するため介護サービスを利用できない」「居住地域で介護サービスが整っていない」などの理由で家族だけで介護しているケースもあります。

        家族介護慰労金は、このような介護サービスを利用せず自宅で介護している方に対し、ねぎらいと経済的な負担軽減のために支給されます。

        支給金額は自治体により異なりますが、一般的には年間10~12万円程度です。

        支給要件・申請方法

        家族介護慰労金は、介護保険や医療保険などの税金の支払いを滞納していると支給されません。また、自治体ごとにいくつかの要件があり、例えば東京の新宿区では以下の項目を満たす必要があります。

        • 高齢者が介護保険の要介護認定で、1年間を通じて要介護4または要介護5と認定されている
        • 高齢者が要介護認定後、1年間介護保険のサービスを利用していない(年間1週間程度のショートステイ利用を除く)
        • 高齢者、介護者とも住民税非課税世帯である
        • 介護者が高齢者と同居、もしくは隣地に居住するなど事実上同居に近い形で介護している

          支給金額や支給要件、申請の流れは、自治体ごとに異なります。一般的には自治体窓口で申請し、支給要件を満たしているかの確認と自治体職員による実態調査がおこなわれ、支給が認められると指定した口座に振り込まれます。

          高額介護サービス費

          高額介護サービス費は、1ヵ月に支払った介護保険サービスの自己負担額が限度額を超えると還付される制度で、介護保険サービスのうち「居宅サービス」「介護施設サービス」「地域密着型サービス」が対象です。

          支給されるのは自己負担限度額を超えた金額で、自己負担額は所得が少ない人ほど低く設定されています。例えば世帯全員が市町村民税非課税の場合の限度額は、世帯で24,600円です。

          支給要件・申請方法

          高額介護サービス費の支給要件は、自治体から要介護・要支援の認定を受けており、1ヵ月あたりの自己負担額が上限を超えていることです。ただし、介護保険料を滞納していると支給をされません。

          高額介護サービス費の支給対象になると、自治体から申請書が届くのが一般的です。受け取ったら必要事項を記入して郵送するか、自治体の窓口に提出します。

          一度申請をおこなえば、次回以降も上限額を超えると自動的に支給されます。なお、申請期限は介護保険サービスを利用した月の翌月1日から2年間です。

          高額介護合算療養費制度

          高額介護合算療養費制度は、1年間に支払った医療保険と介護保険の自己負担が高額になったときに利用できる制度です。高額な医療費負担を軽減する「高額療養費制度」と、高額な介護費用を軽減する「高額介護サービス費制度」を利用し、さらに自己負担額が上限を超えた場合に支給されます。

          高額介護合算療養費制度の対象は、医療費は健康保険と、介護費用は高額介護サービス費と同様です。このため、入院時の食事代や差額ベッド代、居住費や日常生活費、介護保険の支給限度額を超えた利用者負担分などは支給の対象外です。

          支給されるのは自己負担限度額を超えた金額です。ただし、限度額を超えた金額が500円未満の場合は支給されません。限度額は年齢や所得により細かく区分けされており。例えば70歳以上で住民税非課税世帯(区分2)の場合は31万円です。

          支給要件・申請方法

          高額介護合算療養費制度を利用できるのは、8月から翌年7月までの1年間に支払った医療保険と介護保険の自己負担額が限度額を超える世帯です。医療保険と介護保険両方の利用が必要で、どちらかだけでは対象になりません。

          申請方法は加入している公的医療保険によって異なります。国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入している方は、支給対象になると自治体から申請書が届きます。受け取ったら必要事項を記入し、必要書類とともに郵送するか自治体の窓口に提出します。

          協会けんぽや健康保険組合などの被用者保険に加入している方は、勤務先を通して申請します。自分で計算して合計金額が自己負担の上限を上回る場合は、自治体に「支給申請書兼自己負担額証明書交付申請書」を提出し、届いた「介護自己負担額証明書」に「介護自己負担額証明書」を添えて被用者保険に提出します。

          医療費控除

          医療費控除は、医療費が家計に与える負担を軽くするための制度で、1年間で支払った医療費が一定額を超えた場合に手続きすると「所得控除」を受けられます。

          入院や通院費用だけでなく、介護サービスのうち訪問看護訪問リハビリテーションなどの医療系サービスも合算できます。また、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設サービス利用費も対象です(特別養護老人ホームは支払った額の1/2)。

          医療費控除額は「年間の医療費から10万円または所得の5%(どちらか安い方)を引いた金額」で、上限は200万円です。この金額がそのまま還付されるのではなく、税額を計算し直すことで所得税は納めた税金の一部が戻り、住民税は翌年の税額が安くなります。

          支給要件・申請方法

          医療費控除は、本人および同一生計の親族が1月から12月までの1年間に支払った医療費が10万円または所得の5%を超えている方が対象です。税金を安くする制度のため、所得税や住民税が非課税の方は利用できません。

          医療費控除を受けるには、会社員や年金受給者も確定申告をおこないます。確定申告の時期は対象期間の翌年の2月16日~3月15日なので、もらった領収書はしっかり保管し、忘れず申告しましょう。

          よくある質問

          介護にはどれくらいの費用がかかりますか?

          在宅介護にかかる費用の平均は、介護の開始時に74万円程度、それ以降毎月8.3万円程度です。

          施設介護は入居先により大きな差があります。例えば、特別養護老人ホームは初期費用は0円、月額費用は8~14万円程度、介護付き有料老人ホームは初期費用0~数千万円、月額費用15~30万円程度です。

          介護費用は要介護度や利用するサービスにより変わるうえ、そのほかに日常生活に必要な費用などもかかります。予算を組むときは、ある程度余裕を持たせておきましょう。

          年金はいくらぐらい受け取れますか?

          年金受給額の平均は、国民年金のみで6万円、厚生年金で21万円程度です。実際の金額は加入している年金や在職中の収入などで変わるため、これから年金を受け取る方は、ねんきん定期便などで確認しましょう。

          すでに年金を受け取っている方で「いくらもらっているかわからない」という場合は、銀行通帳などで確認します。なお、年金の支給は2ヵ月ごとのため、支給額を2で割ることで月額がわかります。

          介護費用を軽減する方法はありますか?

          介護費用の軽減に利用できる制度には、「介護休業給付」「居宅介護住宅改修費」「福祉用具購入費」「家族介護慰労金」「高額介護サービス費」「高額介護合算療養費制度」「医療費控除」があります。

          それぞれ支給要件があり誰でも利用できるわけではありませんが、対象であれば活用して介護費用の軽減に役立てましょう。

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          グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

          認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

          2021/11/15

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          【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

          介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

          2021/10/28

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