「親が認知症かもしれない」「認知症の検査をしてみたいがどこに行けば良い?」「認知症の検査はどのような検査をするの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
認知症は早期発見、早期治療が大切です。この記事では、認知症の検査内容や診断後にどうすれば良いかなど詳しく紹介していきます。
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認知症診断の流れは以下の通り。
認知症診断では、問診を含む面談、他の病気の可能性も確認するための身体検査、神経心理学検査と脳画像検査となります。
まずは本人と家族に対して医師の面談があり、過去の病歴や現在の状態についてヒアリングがおこなわれます。正確に伝えるために、あらかじめ内容をまとめたメモなどを準備しておくと良いでしょう。
身体検査では、一般的な健康診断や人間ドックのような内容(レントゲン、血液検査、尿検査、血液検査など)をおこないます。
認知症だけではなく、他の病気の有無や身体の状態について確認します。
認知症の検査は以下の2つに分類されます。
「神経心理学的検査」は、医師や心理士からの設問に答えていく形式がほとんどです。検査手順は簡易的なものですが、質問に患者が正確に答えていくことで認知機能の状態がおおまかに測れます。
ただし、患者が検査中に疲れてきたり周りからのプレッシャーがあることにより、正しい検査の結果が出ないこともあります。答えが思い出せず上手に回答できなかった場合、患者が落ち込んでしまうことがあるので、同伴する方のフォローが必要になることも。
一方、「脳画像検査」は、脳の状態や働きを物理的にみる検査のことです。
代表的な神経心理学的検査と脳画像検査は下記の5種類です。
それでは詳しく説明していきましょう。
神経心理学的検査で行われる認知機能テストのひとつに長谷川式スケールがあります。1974年に精神科医の長谷川氏が開発し全国的にも普及させました。1991年に改訂されたため、現在では「改訂 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)」と呼ばれています。
所要時間は10~15分ほどの口頭形式。名前や生年月日、年齢、場所、人間関係、簡単な計算などの設問に患者が答えていき、30点満点中20点以下だと認知症の可能性が高いとされます。
身近な質問もあるため検査もスムーズに進んでいきますが、その日の体調や状態によって正答率が下がることもあり、テスト結果だけで認知症と診断がつくわけではありません。
設問は口頭が多いため、難聴の方は医師の質問の聞き取りが難しく不正解となる場合もあるため注意が必要です。
神経心理学的検査でおこなわれる認知機能テストのひとつで、国際的に広く使われています。
およそ10~15分間かけて11個の設問に答えていき、記憶力や計算力、言語能力、図形描写力などをチェックします。30点満点のうち27点以下は軽度認知障害の疑いがあり、23点以下だと認知症の疑いがあるとされています。
前述の長谷川式より難しめの問題が入っており、10秒以上経っても答えられないと医師が次の質問に行くため、患者にはプレッシャーを感じる人もいるかもしれません。
そのため、同伴する方は問題に集中させる、設問に答えられなくてもプライドが傷つかないようフォローすることが必要です。
丸時計の数字や針、中心点を描く検査で、丸時計を描いた内容から前頭葉・側頭葉・頭頂葉の状態を知ることができます。
この検査は、受ける側もリラックスして受けやすいテストのため、認知症の早期発見に繋がりやすいと言われており、高齢者の自動車運転免許更新時にも組み込まれています。
老人性うつ病やパーキンソン病患者は、丸時計の描写が可能なことからアルツハイマー型認知症との区別がつきやすくなり、長谷川式検査とあわせてテストすれば、認知機能障害の状態も把握しやすいと言われています。
脳の血流などの状態や萎縮度合いをみる検査は下記の2種類です。
脳の状態を分析するための画像検査で、認知症になると脳の萎縮や病変が広がったりといった異変が現れることがあり、それらを発見・分析することができます。
SPECTは認知症の診断には欠かせない脳の働きをみる検査です。微量の放射線を出す検査薬を使い、集積する部位を発見し画像化します。
脳の働きや脳内の血流を診る検査や、脳内の神経経路(ドパミン神経)を画像化してドパミン神経の脱落や変性レベルをみる検査などがあります。これらによりアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症などが診断できます。
また、検査薬に含まれる放射線に副作用はなく、検査を受ける方へ影響を及ぼさない程度と言われています。
認知症の平均発症年齢は51歳と言われています。認知症にならないように早い段階から意識しておくことをおすすめします。認知症予防を生活に取り入れていることで、認知症になったとしても、その進行を緩やかにすることができます。
認知症の予防として大切なのが食生活です。バランスの取れた食生活を意識することは、あらゆる病気のリスクを軽減させます。認知症も同様で、多くの食材をバランスよく食べることが大切です。
また、アルツハイマー型認知症は糖尿病や脳血管障害など生活習慣病との関連が強いとも言われているので、低塩分、低糖質の食事を心がけましょう。
あわせて適度な運動も大切です。適度な運動をすることで、筋肉量の低下を予防し、いつまでも元気な足腰を維持することができます。また、運動は身体だけではなく、脳にも良い刺激をもたらします。
認知症は早期発見、早期治療が重要です。認知症の初期症状である記憶障害は単なるもの忘れとして見逃されることも多いのですが、早く対処すれば進行を遅らせることもできます。
他の病気と同様に、放置しておくことは非常にリスクがあります。早い段階からさまざまな治療をすることで、たとえ認知症が発症しても、症状を抑えて生活することが可能です。
持病などがなく、かかりつけ医がいない場合には認知症を専門としている精神科や心療内科、脳神経科を受診することになります。
自治体では認知症サポート医やもの忘れ相談医などをリストにしているところも多いので、本人がお住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみると、情報を共有してもらえますよ。
軽度認知障害=MCI(Mild Cognitive Impairment)は、認知症になる一歩手前のグレーゾーンの段階のことです。そのまま見落としたままにしてしまうと、認知症へと進行する可能性があります。
ただし、適切な予防と対策をすれば、発症を遅らせたり、健常な状態へ戻ることもできます。
認知症には3大認知症と言われる「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」があり、発症の仕組みによって分類されています。
認知症で最も多いのが「アルツハイマー型認知症」で、アミロイドβやタウタンパクというたんぱく質が脳にたまることで神経細胞が減少し、脳全体が委縮することで起こります。
もの忘れや時間の見当識障害、料理がうまくできなくなるなどの実行機能障害実行機能障害が見られ、これらの症状からうつや無気力、幻覚や妄想、暴言や暴力などの二次的な行動・心理症状が生じることがあります。
適切な支援や環境が整えば、二次的な症状を防げる場合があります。
「レビー小体型認知症」は、レビー小体というたんぱく質のかたまりが脳にたまり、脳の神経細胞の数が徐々に減少することで起きる認知症です。
「レビー小体型認知症」では、認知機能の低下よりも先に、手足が震える、筋肉が硬くなるといったパーキンソン症状があらわれます。幻視やレム睡眠行動障害といった特有の症状が見られるのが特徴です。
「アルツハイマー型認知症」と「レビー小体型認知症」には根本的な治療法はなく、薬によって症状の進行を遅らせることはできます。
「脳血管性認知症」は脳の血管に出血やつまりが生じ、脳細胞が死滅することによって引き起こされる認知症です。アルツハイマー型認知症に比べて男性の割合が高く、女性の2倍近い報告があります。
「脳血管性認知症」ではもの忘れなどに加え、できることとできないことの差が大きかったり、1日のうちでも症状の変動が大きかったり、感情をコントロールしにくいなど特有の症状が見られます。
症状に波があり、障がいを受けていない機能は保たれているので症状の発見が遅れる傾向があるので注意が必要です。
いずれの認知症でも、発症された方自身ができないことにいらだちを覚えたり、自尊心を傷つけるような方法を取ってしまうと、認知症以外の二次症状を起こしかねません。
本人の認知症の特性を理解し、適した対応を取ることで症状の安定へと繋がります。
認知症を発症しても、初期の段階ではご家族と一緒にこれまでと同じようにご自分の家で日常生活を送っても問題ありません。
しかし、症状の進行にともない、身体的な介護負担が増えていくと介護する方の精神的な負担も大きくなります。
認知症を発症したらまずは介護認定を受け、ケアマネジャーに依頼して必要な介護サービスの利用を検討しましょう。
介護サービスにはホームヘルパーが自宅を訪れ身体介護や生活支援をおこなってくれる「訪問介護」や、自宅に専用の浴槽を持ち込みスタッフが入浴介助をおこなってくれる「訪問入浴介護」、食事や入浴などの生活支援やレクを介護施設で日帰りでおこなう「デイサービス」、介護施設などに宿泊する「ショートステイ」などがあります。
介護の形は家庭によってそれぞれ違います。介護する方の負担を減らし、介護疲れを防ぐことも大切な介護支援と考えられていますので、積極的に利用しましょう。
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愛する家族が認知症を発症することは、とてもショックなことです。家族が変わっていく姿を見ることは辛いですし、ストレスを感じてしまいます。
介護をするときに重要なのは、必要以上に頑張りすぎたりせずに、自分自身の健康や時間も大切にすることです。
認知症の検査は「脳画像検査」と「神経心理学検査」の2種類があり、またその中でも5種類にわけられます。
脳画像検査はCTやMRIで脳を撮影して、脳の状態を検査するものです。また神経心理検査は、絵を見て絵の内容を答えるものや、記憶の確認、単純な計算問題などの脳の働きをチェックする検査です。よく耳にする長谷川式簡易知能評価スケールは神経心理検査にあたります。
認知症は、脳の病気や機能の低下が原因で起こる病気です。アルツハイマー型認知症は脳神経変性で起こり、ゆっくりと症状が進みます。
また、次に患者数が多いとされる脳血管認知症は、脳出血や脳梗塞などの脳の血管障害によって症状が起こります。
認知症の種類の中には、若い世代でも発症するレビー小体型認知症というものもあります。他の認知症と比較して症状の進行スピードが早いことが特徴として挙げられ、神経細胞にできたレビー小体が大脳皮質や脳幹に過剰に作られることが原因です。
もの忘れの場合は、自分が何かを忘れてしまったという自覚はあります。しかし、認知症の場合は自覚そのものがなく、自分がしたこと自体を忘れてしまいます。症状が進行すると物事の計画が立てられなくなったり、時間や場所などもわからなくなるといった症状が出ます。
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