デイサービスで提供されるサービスのひとつが機能訓練です。心身共に健やかな日常生活を送れるよう、デイサービスを選ぶ際は実施される機能訓練にも注目してみましょう。
今回は、機能訓練の目的や実施される内容、対象者のほか、リハビリとの違いについても解説します。
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デイサービスでは、利用者の生活の質の向上を目的に、食事やトイレ、入浴、着替えなどの動作をスムーズにおこなうための「日常生活動作(ADL)訓練」が実施されています。
また、「歩けるようになりたい」「認知症を予防したい」といった機能訓練のニーズは利用者ごとに異なります。このため、利用者に合わせた機能訓練をおこなうことで、より質の高い生活の実現を目指しているのです。
デイサービスでは、食事や入浴などの日常生活支援やレクリエーション、機能訓練などのさまざまなサービスが提供されます。機能訓練は、主に日常生活動作を向上するために次のようなプログラムが実施されます。
デイサービスは介護保険法に基づく介護施設で、利用には要介護1以上の認定が必要です。そのため、要支援1~2の方や要介護認定を受けていない方はデイサービスで機能訓練を受けられません。
デイサービスの機能訓練は機能訓練指導員が担当します。機能訓練指導員は利用者本人やその家族の要望を聞いたうえで必要な訓練を判断し、「機能訓練計画書」を作成。ほかのスタッフと協力して機能訓練を実施します。
機能訓練指導員には以下のいずれかの資格が必要で、資格によって業務内容が異なります。
「個別機能訓練加算」は、機能訓練指導員が中心となって利用者に合わせた個別の機能訓練を提供した場合に加算されます。
従来からの個別機能訓練加算Ⅰと2021年に新設された個別機能訓練加算Ⅱがあり、個別機能訓練加算Ⅰの追加費用は1日あたり56~85円です。
厚生労働省に訓練計画の情報を提出してフィードバックを受けると、個別機能訓練加算Ⅰに加えて個別機能訓練加算Ⅱも加算されます。個別機能訓練加算Ⅱの追加費用は1ヵ月あたり20円です。
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機能訓練とリハビリはどちらも身体機能の改善を目的にしているため混同されがちですが、厳密には異なります。
機能訓練は、機能訓練指導員の作成した機能訓練計画書をもとに実施すれば、スタッフの資格は問いません。一方リハビリは、医師の指示に基づいて理学療法士や作業療法士などの有資格者が実施します。それぞれの目的や内容について見ていきましょう。
デイサービスの機能訓練は、介護保険サービスとして提供されます。介護保険の大きなテーマに「自立支援」があり、実現には「改善」と「減退防止」が重要です。このため、機能訓練をおこなうことで、要介護状態から要支援や自立状態への改善や進行予防を目指します。
実施される内容は、全員でおこなう体操や歩行が困難な人の歩行訓練・筋肉トレーニングなどのほか、ゲームや歌といったレクリエーションとしても提供されます。
リハビリは、医師の指示をもとに理学療法士などが機能の維持、回復のためにおこなう医療行為です。具体的には、ケガから回復するためにマンツーマンで指導を受けながらおこなうトレーニングなどが該当します。
「リハビリ特化型デイサービス」は、通常のデイサービスよりも機能訓練に重点を置いた施設です。
提供されるサービスは、通常のデイサービスが食事や入浴などの日常生活のケアが中心なのに対し、リハビリ特化型デイサービスでは体操や歩行訓練、マシントレーニングなどがメインです。
また、通常のデイサービスの機能訓練は体操など集団でおこなうものが多いですが、リハビリ特化型デイサービスでは利用者一人ひとりの身体能力に合わせた個別機能訓練を実施しています。
さらに、通常のデイサービスのサービス提供時間は7時間〜9時間が一般的なのに対し、特化型デイサービスは3~5時間の短時間で運営する施設が多いです。
デイサービス (通所介護) | デイケア (通所リハビリテーション) | |
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デイサービスと同じく通所で利用する施設に「デイケア」があります。デイサービスが「通所介護」なのに対しデイケアは「通所リハビリテーション」で、利用の目的や利用対象となる人が異なります。
デイケアは、介護やリハビリを必要とする人が自宅での日常生活を続けられるようにするのが目的で、リハビリのほか食事などの日常生活のケアも提供されます。利用できるのは、要支援1~2、要介護1~5の人のうち医師が専門的なリハビリが必要と判断した人です。
デイケアには常勤の医師が1名以上いるほか、理学療法士や作業療法士などのリハビリ専門職が利用者100人に対して1人以上勤務。医師の診断などをもとに利用者ごとにリハビリの計画が立てられ、集団リハビリや個別リハビリをおこないます。
デイサービスの機能訓練は、「歩く」「着替える」など日常生活で欠かせない動作の改善や減退防止を目的におこないます。
歩行訓練や関節可動域訓練などのトレーニングのような訓練から、レクリエーションを通じて楽しみながら取り組めるものまでさまざまな種類があります。
機能訓練は体を動かす習慣づくりが大きな目的のため、機能訓練計画書をもとに実施すればスタッフの資格は問いません。
一方リハビリは、身体機能の回復や維持を目的とした医療行為で、医師の指導のもと専門スタッフによる手厚いサポートを受けながらおこなわれます。
レクリエーションは、利用者に楽しんでもらうだけでなく機能訓練としての要素も持ち合わせています。例えば、ゲームや歌などを通して体を動かしたり頭を使うことで、身体機能や認知機能の維持・向上が期待できます。
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