― ご自身のYouTubeチャンネルでコーヒーについて熱く語っていらっしゃいますが、それ以外にご趣味はありますか?
子どもの頃からマンガが大好きで、「週刊少年ジャンプ」はいまだに毎週読み続けてますよ。「HUNTER×HUNTER」なんて何回読んでも飽きないし、「ワンパンマン」は何回読み返したかわからないです。
― 今でこそ日本のマンガは海外でも高い評価を受けていますが、斉木さんが子どもの頃は「マンガは害悪だ」なんて言われていた時代ですよね?
そうですよ。「大学生はマンガなんて読むな!」の時代で。
「何言ってるんだ、僕は小学生の頃からずっと読み続けているんだ」って、マンガを馬鹿にする人が許せなかった。僕はマンガからいろいろなことを学んだと思っていますから。
― 感性が若いと言いますか、本当に年齢を感じさせないですよね。
だから、がっかりしますよ、鏡を見ると(笑)。「あれっ? こんなはずじゃないのに」って。
年食っちゃったな。髪も白くなっちゃってとかね。
― でも、73歳という実年齢よりも十分に若々しく見えます。
それは無理してるから(笑)。実は昨年、腰を痛めて、やっと最近治ってきたんですよ。
今、ドラマの撮影中なんですけど、仕事している時は痛みがあまり苦にならない。やっぱり仕事をしているのが好きなんでしょうね。
― 斉木さんは、自分の若い頃の映像をご覧になったとき、どういう感情になるんですか?
もう他人だね(笑)。
「ああ、こんなことをやっていたんだ」とは思いますけど、そこにいるのは他人ですよ。別にその当時を羨ましいとも思わない。むしろ今の方がまともな感性になっているなとは感じますけどね。
― まさに、「今」を生きるってことですね。
そういうことだと思います。中学生の時に「自分の存在とは何か?」と突き詰めて考えたことがあるんですよ。それ以来、常に何かしら自分に対して問うようになったんです。
― 物事に対して、じっくり深い考えるタイプなんですね。
厭世的とも言えるんだけれども、人生の虚しさ、空虚感がつねにつきまとう。でもその一方で、もっと現実に目を向けて積極的に生きてみようと思う自分もいる。
すごい哲学的でしょ? 昔から仲間には「おまえは何を考えているのかわからん」って、よく言われます。
― その仲間とは、大竹まことさんやきたろうさんなのではないかと思うのですが、出会いから50年以上になるお二人。斉木さんにとって、どのような存在ですか?
何だろうね。いや、なくてはならない人たちですよ。恥ずかしいけれど、あの二人がいて自分がいる。だから感謝しなければいけないですね。なかなか感謝できないけど(笑)。
あの二人に関しては兄弟以上の思いがありますね。尊敬できる存在でもありますし。
― さまざまなジャンルで活動されていますが、これからやってみたいことはありますか?
やっぱり一人舞台ですね。小さな劇場でもいいから。やりたいテーマがあって、ずっとコロナ前から考えていたんですが、もう自分の肉体とのご相談で。お客さんが来てくれるかなって心配もありますけど(笑)。
― やりたいこと、目標があるから元気でいられるんですかね?
確かに目標って大事ですよ。僕も、やりたいテーマがなかったら一人舞台をやりたいなんて考えませんから。
普通、役者さんが舞台に出演するのは台本があって依頼を受けるわけですよね。もちろん依頼があれば出ますよ。でも、それは僕にとって「仕事」。
― たしかに、自分のやりたいものばかりできる仕事はないですよね。
そうそう。そうではなく、自分のやりたいことをやる芝居があってもいいと思うんですよ。
まあ、まだ未定ではありますけど、これから身体を整えて一人舞台に立てる自分でありたいと思います。
斉木しげる
1949年11月18日生まれ、静岡県出身。1979年、劇団仲間だった大竹まこと、きたろうと共にコントグループ「シティボーイズ」を結成。1981年に「お笑いスター誕生」(日本テレビ系)でグランプリに輝き、一躍人気グループに。俳優としては、1989年に「魔法少女ちゅうかなぱいぱい!」(フジテレビ系)でテレビドラマに初のレギュラー出演。以後、NHK大河ドラマ「元禄繚乱」「篤姫」「龍馬伝」など数多くのドラマをはじめ、2014年「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」、2016年「サブイボマスク」、2018年「人魚の眠る家」など映画にも多数出演。現在もバイプレイヤーとして多くの映像作品に出演する一方、文化放送で毎週土曜19時~「SAYONARAシティボーイズ」、YouTube「斉木しげるチャンネル」、トークショー「しげるの素」など多方面で活躍中。
▶斉木しげるさんインタビューの前編はこちらです
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