精神障害者向けグループホームには、マンションタイプや戸建てタイプ、ワンルームタイプといった住居タイプが存在し、さまざまな支援が提供されています。
「どんなところで生活するんだろう」「それぞれどんな特徴があるの?」といった疑問を持っている方も多いことでしょう。
そこで本記事では、マンションタイプの精神障害者向けグループホームの概要と入居条件、マンションタイプ以外の住居について詳しく説明していきます。
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マンション・アパートなどに住みながら、さまざまな支援を受けられるグループホームです。
マンションタイプの精神障害者向けグループホームは、普通のマンションと同じ造りであることが多く、居室にはユニットバスなども設置されています。また、一人一部屋ずつであるため、プライバシーにも配慮されており、プライベートな空間が欲しい方も利用しやすいタイプです。
食事は他の入居者と共有スペースでとりますが、少人数であることが多く、食事以外の時間は一人で過ごします。適度に入居者との交流も図りながら生活できるため、社会性を身につけやすい環境と言えるでしょう。
精神障害を対象としたグループホームは、マンションタイプ以外にも3種類あります。詳しく見ていきましょう。
一戸建ての住宅で、少人数で生活するグループホームです。
キッチンやトイレ、リビングなどが共同空間となっていることが多く、シェアハウスのように生活します。部屋は一人一部屋ずつですが、マンションタイプと比べ、多くの時間を他の入居者や世話人と過ごします。
そのため、支援の目が届きやすく、手厚い支援が必要な方でも安心して利用できるのがメリットです。
一方、一人の時間が比較的少ないため、プライベートな空間を確保しにくいことはデメリットと言えます。
既存の戸建てではなく、グループホーム用に建設した建物や、老人介護施設を障害者グループホームへ転換した施設などで生活します。
戸建てタイプと同様にリビングやトイレ、食堂などが共同空間となっており、他の入居者と共同で利用します。
また、建物がグループホーム用の仕様になっていて、車いすも利用できる場合が多いです。そのため、 精神障害と併せて身体障害を持つ方でも安心して利用できます。
ワンルームタイプは、居室にはユニットバスやミニキッチンがついており、最も一人暮らしに近い環境です。
一人で過ごす時間が長く、プライベートな空間が確保しやすいことがメリットです。将来、単身生活を目標にしている方がスキルを身につけるには適したタイプです。
また、別室には共有スペースが設けられており、食事のときなどは他の入居者との交流もできます。
一方、戸建てタイプや共同住宅タイプと比較すると支援の目が届きにくいことがデメリットとも言えます。
障害者向けグループホームは、下記のいずれかの障害に該当する方が、利用できます。
なお、精神障害者向けのグループホームへ入居する際は、「精神障害者保健福祉手帳」を所有し、障害支援区分1〜6級に認定されていることが条件です。
入居を検討する際は、相談支援専門員やお住まいの障害福祉課などに、入居条件について確認しましょう。
「精神障害者保健福祉手帳」は、精神疾患や発達障害による障害で、長期にわたり日常生活や社会生活に制約があり、「精神保健福祉法」に基づいて支援が必要であると判断された方に交付されます。
等級は重い方から1~3級に分けられており、申請された都道府県や指定都市によって提出した診断書などを参考に判定されます。また、2年おきの更新が必要です。
なお発達障害の方も、精神障害者手帳の対象です。ただし、初診から6カ月以上が経過していること、知的障害での診断が出ていないことを前提に、基準を満たしていれば交付されます。
以下では、対象疾患に関して説明していきます。
精神障害者保健福祉手帳の対象となる主な疾患は以下の通りです。
各疾患の特徴について、順番に解説します。
幻覚や妄想、異常な思考や行動、意欲の低下などの症状が出現します。
発症原因は明確に解明されていませんが、遺伝やストレスなどの外的要因が引き金となる可能性が高いと考えられています。
主な治療法は薬物療法やリハビリテーション、地域支援活動などです。ストレスへの耐性が低い方が多い傾向で、環境変化などがあった際には周囲の理解と協力が不可欠です。
気分障害のひとつで、気分の落ち込みといった精神症状に加え睡眠障害や食欲低下などの身体症状が現れ、日常生活に支障が生じます。
気分障害にはうつ病の他に双極性障害(躁うつ病)などがあり、うつ病と躁状態を繰り返す場合もあります。
治療には継続した抗うつ薬の内服が必要です。服用しても効果はすぐに現れませんが、自分の判断で薬の量を調整しないことが重要です。内服以外には、心身の休養が取れるようストレス源となる環境から離れて生活すると症状が軽減する場合もあります。
依存症は、日々の生活や健康などに悪影響を及ぼしているにも関わらず、自身の行動をコントロールできない状態のことを指します。
日本では、薬物依存症は約1万人、アルコール依存症は約10万人が病院で治療を受けています。
治療を続けていても些細なきっかけで再発してしまう場合がありますが、治療はあきらめず気長に取り組むことが重要です。
突然意識を失って反応がなくなるなどの発作を、繰り返し起こす病気です。原因や症状は人によりさまざまで、誰にでも発症する可能性があります。
治療は発作の抑制のために、主に抗てんかん薬の調整をおこないます。発作防止には内服継続が重要であるため、自己判断で中止するのはやめましょう。
さらに発作は前触れなく起こるため、発作時には安全を確保し、ただちに主治医に相談できる体制を整えておく必要があります。
頭のけがや病気により脳に損傷を負った場合、以下のような症状が出現します。
外見上は障害が目立たず、本人自身も障害を十分に認識できないため、他者に理解されにくい傾向があります。そのため、周囲がこの障害を理解し、適切な対応を心がける必要があります。
「精神障害者保健福祉手帳」を所有し、障害支援区分1〜6級に認定されていることが条件です。
精神障害者向けグループホームの入居を検討する際は、相談支援専門員やお住まいの障害福祉課などで相談すると良いでしょう。
マンション・アパートタイプをはじめ、戸建てタイプ、共同住宅タイプ、ワンルームタイプといった住居で生活します。各施設で住居タイプは異なるので、詳しくは施設に確認しましょう。
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