グループホームで受けられる補助金制度|自治体独自の家賃補助もあり

グループホームで受けられる補助金制度|自治体独自の家賃補助もあり

更新日 2024/03/25

障害者向けグループホームへの入居を考えたときに、「どのくらいの費用が必要なんだろう?」「費用を払い続けることができるだろうか…」と不安に思うこともあるでしょう。

そこで、本記事ではグループホームの入居者が利用できる補助金制度について詳しく紹介します。

グループホームで受けられる補助金制度

障害者グループホームは、障害のある人が自立した生活に向けて少人数で共同生活をする施設。入居すると家賃や食費、光熱水費やおむつ代などは保険適用外のため、入居者が全額自己負担します。

しかし、下記の制度を利用することで、金銭面の負担軽減が可能です。

  • 特定障害者特別給付
  • 障害福祉サービス

以下で詳しく説明します。

特定障害者特別給付

特定障害者特別給付は、グループホームの入居者の家賃を一部補助してくれる制度です。補助の支給額は上限1万円で、支払った家賃が1万円に満たない場合は実際の家賃額の補助を受けられます。

全国の自治体で実施されており、生活保護を受給している世帯や市町村民税が非課税世帯の障害者が対象となります。

ただし、あくまでも家賃のみを助成する制度であるため、光熱水費や日用品費など家賃以外の費用にあてることはできません。

特定障害者特別給付は入居者本人に給付されない

特定障害者特別給付は、入居者本人へ給付されるのではなく、自治体がグループホームへ直接給付します。

入居者本人が給付を受けられているか確認したい場合には、グループホームからの家賃請求額に内容が記載されているため、確認すると良いでしょう。

なお、家賃の改定や申請内容に変更が生じた場合には、住所地の市区町村の介護保険担当窓口で再申請の手続きが必要となります。

また、補助金の支給限度額は1年に1回、自治体が見直しをおこないます。そのため、1年間に収入の増額等があった場合には、補助が受けられなくなる可能性があります。

特定障害者特別給付を受けるには

特定障害者特別給付を受けるには、自治体への申請が必要です。申請は、入居者またはその家族が住所地の市区町村の担当窓口へ出向いて行います。

申請の際には、申請書と合わせてグループホームの家賃を証明する書類が必要となるため、事前に入居先で証明書をもらっておきましょう。

また、前述した通り、特定障害者特別給付の対象者は、生活保護を受給している世帯や、市町村民税が非課税世帯の障害者の方に限定されます。住民税が課税世帯の方は給付の対象外であるため、注意が必要です。

なお、障害者手帳と障害年金の等級によって、給付金額が変わることはありません。

障害福祉サービス利用料

障害福祉サービスの利用料は、原則として費用の1割を利用者が負担します。

利用者の負担が大きくならないように、所得に応じた負担上限額が設定されています。

以下は、所得に応じた負担上限月額の一覧です。

区分世帯の収入状況負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)
※ただしグループホーム利用者、入所施設利用者(20歳以上は除く)
9,300円
一般2上記以外(市町村民税が課税世帯)37,200円

なお、グループホームの料金は、サービス内容や人員配置の状況などにより各施設で異なります。詳しくは入居先のグループホームへ確認が必要です。

自治体独自の家賃補助

自治体によって、独自に障害者グループホームの補助金制度を設けている場合があります。ここでは、4つの自治体の補助金制度を紹介します。

家賃補助の例1:東京都立川市

東京都立川市では、収入が一定額以内の障害者グループホームの入居者を対象とした家賃補助を行っています。

ただし、特定障害者特別給付費で家賃の補助を受けている方は、下記の表の家賃助成額から補助額が差し引かれます。

利用者の所得額家賃助成額
区分1月額73,000円未満全額。ただし、月額24,000円を限度にする
区分2月額73,000円以上97,000円未満半額。ただし、月額12,000円を限度にする

なお、継続してグループホームに入居している方は、毎年7月のサービスの更新時期に合わせてグループホーム経由で申請の案内があります。

家賃補助の例2:兵庫県神戸市

兵庫県神戸市では、以下の要件を満たすグループホーム入居者が家賃助成の対象となります。

  • 障害者総合支援法第19条第1項の支給決定障害者のうち、共同生活援助の支給決定を受けていること。
  • 現にグループホームに入居していること。
  • 援護の実施者が神戸市であること。
  • 非課税世帯であること(生活保護世帯を除く)。
  • 利用者が支払う家賃月額が「10,000円超」であること。

なお、家賃1万円以下の助成は特定障害者特別給付費により支給されるため、1万円を超える場合のみ、助成制度が利用できます。

助成金額は(当該利用者が支払う家賃月額-10,000円)×2分の1(1円未満切捨て)で、補助の上限額は15,000円です。

家賃補助の例3:千葉県船橋市

千葉県船橋市では、グループホーム及び生活ホームに入居している身体・知的・精神障害者及び難病患者等に家賃補助を行っています。

市町村民税が非課税の方(生活保護の住宅扶助受給者は除く)が対象です。助成金額は家賃の2分の1(上限月額25,000円)となります。

ただし、特定障害者特別給付費の支給対象者は、家賃から特定障害者特別給付費を引いた額の2分の1(上限月額20,000円)です。

家賃補助の例4:神奈川県小田原市

神奈川県小田原市では、入所施設又は精神医療機関からグループホームに生活の場を移した方を対象に家賃の一部を助成しています。

収入に関わる要件はないため、住民税が課税の方でも利用可能。助成額は家賃月額(特定障害者特別給付費を受けている場合はその額は控除)の1/2の額で、上限は3万円となっています。

助成される期間は、グループホームに入居した月から3年間と決められていることに留意しましょう。

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