「グループホームの存在は知っているけれど、グループホームの生活や『ユニットケア』についてはよくわからない」という方も多いはずです。
まずは、グループホームの仕組みとメリット・デメリットを知ることから始めてみましょう。
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グループホームにおける「ユニット」とは、それぞれの居室と共有スペースからなる生活空間です。1ユニットは5~9名で構成され、1つの施設に原則として3ユニットまでと定められています。
現在は、多くのグループホームで2ユニットが採用されています。定員が18名程度という小規模で運営されている理由には、認知症や障がいのある方々にアットホームな環境で穏やかに生活してもらう、という目的があるからです。
グループホームを利用する認知症高齢者の方は、従来型の集団生活に困難を感じることがあります。そこでグループホームでは、できるだけ自宅に近い環境の中で徹底した個別ケアを提供する「ユニットケア」を基本としています。
グループホームの入居者は個室で生活し、リラックスできる時間を確保できます。そして、それぞれにとって最適なタイミングで食事や入浴、睡眠ができるような介護支援が受けられます。
また、施設内の共有スペースなどで他の入居者との交流を育むこともできるので、孤独感を減らすこともできます。
グループホームの生活のメリットには、次のようなものが挙げられます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
ユニット型のグループホームの入居者は、それぞれの個室で生活します。自分だけの時間を過ごせることに安心感を感じる入居者にとって、プライベートな空間が確保されていることや個人の尊厳が守られることは大きなメリットとなります。
入居者は基本的にそれぞれの自室で自由な時間を過ごしますが、併設されたリビングなどの共有スペースで他の入居者と交流を持つこともできます。
それぞれの個室でプライバシーを守りながらも、他の入居者たちと同じ時間を過ごしたり協力し合うことで入居者の孤立を防げる点は、ユニット型グループホームの大きな強みです。
ユニットケアの介護スタッフは、ユニットの入居者だけを担当します。よって、いつも同じスタッフが入居者と接することでお互いの距離は自然と縮まり、家族のような信頼関係を築けます。すると、グループホームの入居者は、気になることを介護スタッフに伝えやすくなり、安心してケアを任せられます。
一方の介護スタッフも、担当する入居者の個性を深く理解できるので、それぞれの入居者にあった最適な介護を効率よく提供できます。
このような介護スタッフの目が入居者一人ひとりに行き届きやすいという点は、ユニットケア最大のメリットです。
グループホームのユニットケアでは、次のようなことがデメリットとなってしまう可能性があります。
ユニット型のグループホームは個室で構成されているため、就寝時間やプライベートな時間は、それぞれの空間で過ごします。しかし中には、ひとりの時間を過ごすことに孤独や不安を感じてしまう入居者もいます。
ユニット型のグループホームでは、毎日同じメンバーが顔を合わせます。問題が起こらなければ穏やかな生活を送ることができますが、トラブルやいさかいがあった場合には、気まずい思いをするでしょう。
また、トラブルによっては別のユニットに転居しなければならず、新しい環境で他の入居者や新しい介護スタッフと触れ合うことに、ストレスを感じてしまうことがあります。
ユニットケアには個室があり、それぞれの入居者に寄り添った個別ケアを受けられることで、効率的な機能の改善を期待できます。認知症高齢者の場合には、自立を促す最適なサポートと一人ひとりの生活が大きなリハビリ効果をもたらし、症状の緩和や進行を遅らせる可能性を高めます。
さらには、ユニットケア施設にあるリビングや共同生活室などの共有スペースで他の入居者と触れ合うこともできるので、社会性の取り戻しや向上も期待できます。
グループホームのユニットとは、入居者がプライベートな時間を過ごす個人用の居室と、リビングや食堂、キッチンなどの共有スペースからなる生活空間のことです。
認知症高齢者向けのグループホームでは、1つのユニットが5~9名で構成され、1施設3ユニットまでと定められており、最大で27名の入居者が共同生活を送ります。
ユニットケアとは、自宅に近い環境の介護施設において他の入居者や介護スタッフと共同生活を送りながら、入居者ひとり一人の個性や食事や入浴、睡眠などの生活リズムに応じて個別ケアをおこなう介護手法のことを言います。
ユニットケアでは入居者のプライバシーを尊重しながら、それぞれに合った最適なサポートを提供することを目標としています。
ユニットケアをおこなう施設は徐々に増えています。しかし実際のところ、食事や入浴のタイミングが決められているなど、徹底した個別ケアを提供する本来のユニットケアをおこなえている施設は多くありません。
その理由には、施設にユニットケアを導入するためには、工事や改修などに多額な費用がかかるという背景が見られます。
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