住宅型有料老人ホームは、自立・要支援もしくは要介護度が低い高齢者向けの施設。スタッフによる食事や掃除などの生活支援や緊急時の対応といったサービスが受けられるほか、外部の介護サービス利用することが可能です。
施設によりサービス内容が異なるので、入居者に合ったライフスタイルを選択することができます。
この記事では、住宅型有料老人ホームのサービスの特徴や費用・入居条件を詳しく解説していきます。
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住宅型有料老人ホームの特徴は主に以下の5つです。
住宅型有料老人ホームには、自立の方や要介護度が軽度の方が多く入居しているので、日々入居者が楽しめるようなレクリエーションやイベントを充実させている施設が多くあります。
各施設のレクリエーションには特色があり、レクリエーションの種類や頻度もさまざま。囲碁・将棋・カラオケなどのレクリエーション、講師による絵画・華道・茶道などの本格的な習いごと、日帰り旅行を企画する施設などもあります。
レクリエーションやイベントの内容はパンフレットやホームページで紹介されているので、入居者の趣味や好みに合わせた施設を検討できます。
住宅型有料老人ホームで受けらえる生活支援サービスは施設により異なりますが、基本的には食事(3食+おやつ)の提供、居室の掃除や、洗濯、買い物代行といった日常生活のサポートに加え、日常の生活相談もすることができます。
日中は施設内にスタッフが常駐しているので、緊急時でも適切な対応をしてもらえます。施設によっては、看護スタッフや夜間も介護スタッフが常駐しているところもあります。
施設はバリアフリーで、⼿すりやスロープが設置されており、高齢者が安心して生活できる設備が完備されています。
住宅型有料老人ホームはでは居室のほかに浴室・トイレなどの共同設備、食堂や共同リビング、カラオケ・麻雀卓・図書室などの娯楽設備、理美容室や売店、健康設備などそれぞれの施設で、豊富なバリエーションがあります。
リハビリに力を入れている施設、娯楽設備が豊富な施設、イベントを充実させた施設、ホテルのような仕様の施設など、施設により特徴がさまざまですので、入居者のライフスタイルや予算に合わせた入居先を選ぶことができます。
住宅型有料老人ホームでは介護サービスが必要なときには、「訪問介護」や「デイサービス(通所介護)」などの外部サービスを利用し自分の受けたい介護サービスを自由に選択することができます。
施設に入る以前から自宅で介護サービスを利用していた方は入居後も同じサービスを利用することも可能です。
ただし、外部サービスを利用することになるため、24時間体制の介護サービスを受けられない場合もあるので注意が必要です。
施設によっては、施設内に訪問介護事業所やデイサービスを併設し、介護付き有料老人ホームと同じような介護サービスが受けられるところもあります。
住宅型有料老人ホームでは、外部の介護サービスの利用に介護保険が適用されます。
介護保険を利用すれば、自己負担限度額以内であれば、基本的に1割の自己負担(所得によっては2割負担もしくは3割負担)ですみます。
福祉用具のレンタルにも介護保険が適用されます。レンタルなので身体の状態に変化があっても無料で変更や交換が可能です。
※介護保険でレンタルできる種目は要介護度により異なり、対象でないものは、実費での購入となります。
住宅型有料老人ホームには医療体制についての制度上の規定がないため、施設ごとに医療サービスの内容は異なります。
基本的には医療サービスはご自身で医療機関に出向いて受診することになります。しかし、看護師が配置されている施設や訪問看護に対応している施設であれば、感染症にかかっている方や、胃ろう、ストマ、気管切開などのための医療行為を受けることも可能です。
医療機関との連携がある施設も増えているので、連携のある施設では内科検診や歯科検診なども受けることもできます。
入所時には必要とする医療体制が整っているか確認が必要です。
住宅型有料老人ホームの利用には多くの場合、入居一時金などの「初期費用」と毎月支払う「月額利用料」という2種類の費用が必要になります。
初期費用 | 0円~数千万円 |
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月額利用料 | 11万円~25万円 |
施設の地域や設備、利用するサービスの内容によって金額が大きく異なります。
最近では、入居時一時金が無料で、月額利用料を比較的高めに設定する施設も増えています。
月額利用料には、家賃や管理費、食費、水道光熱費が含まれ、外部の介護サービスを利用する場合、介護サービス費が別途かかります。
また入居者によってはおむつなどの消耗品代なども必要になる場合があります。
住宅型有料老人ホームでは、個人に必要な介護サービスのみを選択して受けられるので、介護が不要な方は費用を抑えることができますが、要介護度が高まると金銭的な負担が大きくなります。
介護保険の利用には、下記のように要支援・要介護度に応じた支給上限額が定められています。
出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)
支給限度額の範囲内であれば、自己負担はかかった介護サービス費の1割(一定以上の所得者の場合は2割・3割)です。しかし、支給限度額を超えた分や、介護サービスの範囲外で利用したサービスに関しては全額自己負担になります。
施設の多くが入居条件として60歳もしくは65歳以上という年齢制限を設けていますが、施設と入居希望者の状況によっては60歳未満でも入居できる場合もあります。
要介護度に関する基準も施設ごとに異なり、認知症の方は軽度の場合しか入れないケースや、24時間体制の介護や日常的な医療ケアが必要な場合は入居できない施設もあります。
住宅型有料老人ホームでは施設ごとに入居条件が異なるため、それぞれの施設で確認が必要です。
また、住宅型有料老人ホームでは、施設により医療体制が異なるため、施設によっては要介護度が高まったことでサポートができなくなり退去をしなければいけないことがあるので、退去をしなければならない条件も事前に確認しておきましょう。
住宅型有料老人ホームは施設に選択肢が多く、個人のライフスタイルに合わせることができるメリットがあります。
住宅型有料老人ホームは自立した高齢者の方から要支援・要介護の方まで入居することができる施設まで多くの選択肢があり、介護を必要としない方でも入居が可能です。
個人に合った介護サービスを選択して受けることができるため、介護度の低い場合は費用を抑えることができます。
外部の訪問介護やデイサービスを自分で選択することができるため、個人にあった介護サービスを受けることができます。
入居中に要介護度が変わった場合でも介護サービスの内容を変更することが可能です。
住宅型有料老人ホームでは日常生活の充実のために、レクリエーションやイベントなど施設独自の取り組みが多く企画されているので、ライフスタイルや趣味にあった施設での生活を送ることができます。
住宅型有料老人ホームでは要介護度が変わったときには注意が必要になります。
住宅型有料老人ホームは、基本的には外部の提携医療機関や、介護サービスを利用することになります。自立や要介護度の低い方を対象とした施設では、入居中に介護度が重くなり外部サービスでは対応しきれない場合には退去や転居をしなくてはなりません。
住宅型有料老人ホームは自由に介護サービスを選択できるメリットがある反面、要介護度が高くなると介護サービスの利用回数が多くなり月々の負担が多くなります。
介護保険の自己負担額上限を超えたサービス利用は全額自己負担となるので注意が必要です。
「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」は、高齢者が住みやすいバリアフリー構造の設備であり、外部の介護サービスを利用するなど共通することが多いのですが、大きく3つの点が異なります。
住宅型有料老人ホームでは「利用権方式」という契約を締結し、入居時に一時金を支払い、終身の施設(居室・共用施設)を利用する権利と、生活支援等サービスを受ける権利が保障されます。
サービス付き高齢者向け住宅の場合、住宅部分のみ「建物賃貸借契約」を交わし、生活支等援サービスについては、別にサービス利用契約を結びます。
住宅型有料老人ホームは入居一時金を数十万~数千万(施設やプランにより異なる)、保証金を支払うことに対し、サービス付き高齢者向け住宅では一般の賃貸住宅同様に敷金・礼金、保証金、サービス料を数十万程度支払います。
同じ高齢者向けの住宅ではありますが「住宅型有料老人ホーム」は『施設』であり、「サービス付き高齢者向け住宅」は『賃貸住宅』という違いがあります。
住宅型有料老人ホームは食事サービス、生活支援サービス、健康管理、アクティビティ、緊急時の対応などの日常のサービスが含まれています。
一方、サービス付き高齢者向け住宅のサービスは基本的に安否確認と生活相談のみです。その他のサービスについては管理会社によりオプションで付けることになります。
また、施設である住宅型有料老人ホームは食事や入浴の時間など1日のスケジュールがある程度決まっており、生活に多少の制限があります。一方で、サービス付き高齢者向け住宅はキッチンや浴室付の建物も多く、好きな時間に食事や入浴、外出ができるなど自由度の高い生活ができます。
住宅型有料老人ホームの場合、自立・要支援・要介護まで幅広い方が入居できますが、介護付き有料老人ホームでは自立・要支援の方が入居できるかは施設によって状況が異なります。
住宅型有料老人ホームでは介護サービスはサービスを利用した分に対して支払い、介護保険が対応できる上限を超えた分に関してはすべて自己負担となります。一方、介護付き有料老人ホームは、毎月かかる介護サービスの費用は要介護認定の段階ごとにあらかじめ決められています。
介護サービスの利用回数が増えても費用が上がることがないので、要介護度の高い方でも安心してサービスを受けられますが、他の介護サービスを併用することはできません。
住宅型有料⽼⼈ホームでは、さまざまな⽣活援助サービス、外部の介護サービスを入居者の必要に応じて⾃由に組み合わせて利⽤します。
一方、介護付き有料老人ホームでは、そのホームで働くスタッフから直接介護サービスが提供されます。
また「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているので、介護の設備やサポートも充実し、自立の方から要介護の方までそれぞれの身体状況などに合わせた介護サービスの提供が可能になっています。看護師もしくは准看護師の配置も義務づけられています。
住宅型有料老人ホームでは要介護度が上がった場合にも外部事業者から介護サービスを受けることで生活を続けられますが、施設によってサポートが難しい場合には、ほかの介護施設に移らなければならないことがあります。
介護付き有料老人ホームは基本的に介護を必要とする方向けの施設のため、介護度が高くなっても退去することなく住み続けることができます。ただし、認知症高齢者への対応力は施設によって異なります。
住宅型有料老人ホームは基本的に自立の方や介護度の低い方に向けた施設です。施設により設備やサービス内容がさまざまで、入居費用も施設により大きく異なります。
費用や立地だけでなく、現状希望しているサービス体制が整った施設であること、また介護が必要になった場合に住み替えをするか、介護サービスや医療体制が整った施設を選ぶのかなど、将来を想定しながら、予算に合わせて選ぶことが重要です。
施設見学や体験入居などをおこない、十分な情報収集と比較検討をおすすめします。
住宅型有料老人ホームは、自立・要支援・要介護まで幅広い身体状況の人が入居できます。
ただし、介護サービス費用については介護付き有料老人ホームと異なり、サービスを利用した分に対して支払い、介護保険が対応できる上限を超えた分に関しては自己負担です。したがって、要介護度が高い場合は上限を超える可能性もあるので注意が必要です。
認知症の人でも入居することができます。住宅型有料老人ホームの中には認知症に特化した施設もあり、入居者の身体状況・心身状況に応じて介護サービスをおこなってくれる施設が増えてきています。
高齢者が住みやすいバリアフリー構造の設備であり、外部の介護サービスを利用するなど共通点が多い両施設の違いは、「契約形態の違い」「初期費用の違い」「施設と住宅との違い」が挙げられます。
比較した際に、身体介護が必要であれば住宅型有料老人ホーム、まだ自立して生活できるが見守りなどが必要ということであればサービス付き高齢者向け住宅をおすすめします。
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