日本の夏の風物詩である「夏祭り」は老人ホームで行われる人気のイベントのひとつです。
今回は夏祭りで盛り上がる催し物を具体的に紹介し、注意点についても解説します。
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夏祭りという言葉は、聞いただけで大人も子どももわくわくしてしまうほど魅力的です。老人ホームで夏祭りを行う目的は2つあります。
室温も快適に保たれている老人ホームでは、なかなか季節感を感じにくいものです。夏祭りを行うことで「夏だなぁ」と感じてもらうことで老人ホームに入居されている方のQOL(Quolity Of Life)=人生の質)を高めることができます。
入居されている方の中には、聴力が衰えたり発語がしにくく周りの入居者やスタッフとコミュニケーションをとるのが難しい方もいます。夏祭りなどで人が集まれば会話をする機会も増えます。会話が脳を活性化させ、認知症予防にも繋がります。
夏祭りを楽しむあまり、入居者の方も興奮状態になっていることもあるでしょう。夏祭りを入居者の方に楽しんでもらうためには、事前に安全面にしっかり配慮する必要があります。
入居者の方が飲食をするときは特に注意が必要です。認知症の方だけではなく嚥下機能が低下した高齢者であれば誰でも窒息や誤嚥などを起こす可能性があります。
普段食べているものでもいつも以上に気を配り、事故が起こらないよう気をつけましょう。
せっかくの夏祭りを楽しむにも、入居者の方にはこまめな水分補給と適度な塩分摂取を忘れずにおこなってもらいましょう。
高齢者は喉の渇きを感じにくくなることが多いので、入居者の皆さんで水分補給をする時間を設けても良いでしょう。
入居者の方全員に夏祭りを楽しんでもらえるよう、夏祭りを開催する前に参加する方の自立度や介護度を確認してから企画を立てる必要があります。
入居者の状態に合わせて楽しみ方や参加の仕方を考え、皆さんに満足してもらえる夏祭りにしましょう。
身体が思うように動かせない方でも気分を味わえるよう提灯を飾ったり、BGMにお囃子を流したりすると夏祭りの気分が盛り上がります。
老人ホームでの夏祭りでおすすめしたい具体的な催し物を紹介します。
夏祭りと言えばやはり盆踊りは外せません。体を動かせる方なら盆踊りを楽しめますし、車いすの方なら手を動かして踊ったり、おなじみのメロディーを口ずさんだりとそれぞれの楽しみ方で盆踊りを楽しめます。
どなたにもなじみのあるイベントですから、ご家族やご近所の方、近隣の幼稚園や保育園などとの交流イベントとして楽しむ施設もあるでしょう。いつもとはちょっと違う特別な催しを行うことで入居者の方にも刺激になるのではないでしょうか。
盆踊りらしい衣装を用意すると盆踊りの雰囲気がさらに盛り上がります。夏祭りの事前準備で、入居者全員でお揃いのはっぴを紙や不織布などでそれぞれ作ってもらうと、夏祭りはもちろん当日までわくわくした気分を楽しめます。
はっぴだけでなくはちまきや髪飾りなど、お祭り気分を盛り上げるための小物を用意してもいいですね。
夏のお楽しみのひとつに花火大会があります。庭がついている老人ホームなら、置き花火や線香花火などをやけどに注意しながら楽しめます。
近所で行われる花火大会に合わせてご家族を招待し、屋上やテラスなどを開放し入居者の皆さんと一緒に楽しむのも立派な花火大会です。
実際に花火をおこなうのはどんなに配慮しても安全面で不安が残ってしまうものです。遮光カーテンなどで部屋を暗くし、プロジェクターなどで有名な花火大会の映像を楽しむ施設も多いようです。最近では全国の有名花火大会の様子をYouTubeで見ることもできますので、見比べて楽しむこともできます。
見た目もかわいらしいヨーヨー釣りは、小さなお子さんからご高齢の方までどなたでも楽しめます。
手を動かせる方ならお一人で、介助があればできる方なら職員の方と一緒に参加できます。ヨーヨーの中に入れる水の量を少なくして重さを調節したり、切れない糸と針を用意するなど、簡単にヨーヨーを連れるように工夫すると盛り上がります。
翌日以降もヨーヨーを見ることで楽しかった思い出がよみがえることもあり、夏の風情を味わえます。
なかなかご家庭だけでは楽しめないスイカ割りを思いっきり楽しめるのは老人ホームだからこそ! ビニールシートを敷いてスイカを置き、スイカを順番で叩きます。周りで見ている方も、スイカを叩く人を声を出して誘導したり応援したりとみんなで盛り上がれます。
実際にスイカを割らず当てるだけで十分楽しめるイベントです。
夏祭りのお楽しみと言えば屋台も外せません。おすすめのメニューはかき氷やゼリーといった、お祭りらしさもありながら食べやすいものが喜ばれます。
かき氷はシロップの種類を選べるようにしたり、ゼリーもフルーツやコーヒーなど何種類か用意するなどちょっとした工夫で盛りあげましょう。
ホットプレートで作りやすく、具材のアレンジもしやすいたこ焼きも人気です。実際のお祭りのように、屋台風にメニューを張り出してみるのもおすすめです。
夏祭りは地域の小学校や、幼稚園や保育園などのお子さんたちを招待したり、地域の町内会やボランティアの方々にお手伝いしてもらうなど地域との交流イベントにもなります。
老人ホームに入居されている方は、入居者同士や職員の方、ご家族とのコミュニケーションが中心です。夏祭りというイベントを通して、普段は接する機会のない方との交流を楽しむことで気分転換もはかれます。
また、地域の夏祭り行事に入居者の方が職員と一緒に地域に出向くことができれば、なお雰囲気を楽しむことができるでしょう。
そのためには、施設・事業所が普段から「地域住民の一人」として行事に参加協力する姿勢が必要だと言えます。
高齢者の方が盆踊りやヨーヨー釣り、花火大会などを楽しんだり、屋台風メニューを満喫したりできるのは万全の体制がある老人ホームだからこそではないでしょうか。
夏祭りがこれまでに経験した楽しい思い出を振り返るきっかけになると同時に、新しい思い出作りにもなります。
入居者同士で夏祭りの話をするなど、新たな話題が生まれコミュニケーション作りにも役立ちます。
盛り上がる催し物は「盆踊り大会」「花火大会」「スイカ割り」「屋台」などが挙げられます。入居者の人が子どものときに体験したことのある催し物が大半なので、自然と昔を思い出し入居者の間で会話も弾むことでしょう。
多くの施設では夏祭りのコンセプトを入居者同士、家族、地域の人との交流としています。
中には、地域の幼稚園や保育園などの子どもたちを招待したり、ボランティアの人達による歌やダンスなどもプログラムに組み込まれている場合があります。普段は接する機会のない人の交流を楽しむことで入居者自身も活き活きとするでしょう。
夏祭り中、入居者の人には水分補給と塩分摂取の時間を設けている施設がほとんどです。また、飲食をする際は窒息や誤嚥が起こらないように常にスタッフが気にかけているので安心です。
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