高齢化が進み、老人ホームの需要は日に日に高まっています。しかし、介護する側の人手不足はかなり深刻な問題であり、近年では、老人ホームや介護施設でもボランティアを募集しています。
老人ホームのボランティア活動に参加するには資格や技術などが必要なのでしょうか?
そこでこの記事では、ボランティア活動の詳しい内容と活動する際の注意点を解説します!
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老人ホームでのボランティアの活動によって、入居者の多くである要介護状態の高齢者は、地域コミュニティと交流する機会を持つことができます。
老人ホームの外部との接触が減り、閉塞的な環境で過ごす入居者にとって、ボランティアとの交流は良い刺激となり、生活に活気を与えるものになるでしょう。
また、高齢化により、常に人手不足の問題を抱えている施設の介護スタッフは、ボランティアに業務を補助してもらうことで、負担を軽減することができます。その結果、入居者の生活の質(QOL)が向上することも期待できるのです。
老人ホームでのボランティア活動内容には、入居者の身体介護は基本的にありません。活動内容は幅広く、入居者一人ひとりに対して行うものや入居者全体に対し行うもの、職員の業務補助などがあります。
入居者の生活の質(QOL)を上げる手助けをすることがボランティア活動の主な目的であり、特別な知識や技術は必要としません。
日常生活の中で培われた家事や炊事、コミュニケーション技術こそが最大の武器となり、趣味や特技を活かした活動でも入居者と関わることができます。
ボランティアスタッフが、入居者に対して身体介護などの介護業務のメインとなることを行うことはありませんが、介護スタッフを補助するため、介護業務をサポートすることがあります。その活動内容には、下記のものが挙げられます。
ボランティアが入居者一人ひとりに行う個別の対応は、介護スタッフの業務に含まれます。
しかし、人手不足が深刻化している施設の多くでは、介護スタッフが個別の対応に充分な時間を割くことが難しくなり、ボランティアが入居者に対して充分な対話と快適な生活を提供する手助けを行います。
その個別の対応には、下記の活動が挙げられます。
ボランティアが、複数の入居者に対して行う対応にはさまざまのものがあり、多くの入居者の生活を豊かにし、楽しんでもらうことを目的とした取り組みを行います。
レクリエーションのサポートや主催をすることもあり、特技や資格を活かした活動をすることも可能です。その活動内容には下記のようなものが挙げられます。
ボランティア活動をしたいと思ったときに気になるのが資格です。資格は必要なのでしょうか?
老人ホームでのボランティアを行う際には、特別な資格や経験は一切必要ありません。ボランティアとして活動するためにもっとも必要なものは、自分にできることで「役に立ちたい」という気持ちです。
ボランティア活動に参加することで、入居者のお役に立てた、楽しんでもらえたという喜びを実感することで、その気持ちは大きくなっていくでしょう。
老人ホームでのボランティアには、幅広い年代の方が参加しています。介護を学ぶ学生や社会人だけでなく、地域に住む主婦や元気な高齢者の方も、個人やNPO団体として参加しています。
特に元気な高齢者のボランティアは年々増えており、入居者を支援することで、高齢者自身の介護予防にも効果を見せているようです。
実際にボランティアを始めたいと思った場合、どこに問い合わせればよいのでしょうか?
多くの介護施設ではボランティアを随時募集しています。自宅近隣の老人ホームなど現在の募集状況を確認してみましょう。
ボランティアセンターが設置され、活動したい方と利用したい方の橋渡しをしており、募集内容をホームページでも掲載しています。
介護施設でのボランティアを募集しているNPO法人もあります。最寄りにNPO法人があれば活動内容などを確認してみましょう。
高齢者を対象とし、ボランティア活動を通じて社会参加や地域貢献をし、参加する高齢者自身の健康増進と介護予防に繋げることを目的として設けられた制度です。
ボランティア活動を行うことで得られるメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?
介護施設では、入居者の外部の社会や人との接触が限られてきてしまい、なかには、もっと多くのコミュニケーションの機会がほしいと願われる入居者もいます。
入居者にとって、ボランティアの活動が地域社会との交流の機会となり、コミュニケーション能力の維持や認知症予防に繋がることが最大のメリットになるでしょう。
また、単調になりがちな施設で暮らしにも良い刺激となり、気分転換やストレス緩和も期待できます。
ボランティアを行うスタッフ側にも、メリットは生じます。
趣味や特技を生かし、入居者や施設、介護スタッフによって感謝の言葉をいただくことで、「何かの役に立つ」というやりがいや生きがいを感じられることが一番のメリットになるでしょう。
また、普段接する機会がない世代との交流が持てることも利点であるといえます。
常に人手不足の問題を抱えている老人ホームでは、ボランティアスタッフにレクリエーションや個別の対応などの業務を補助してもらうことで、介護スタッフの業務負担を減らすことができます。
また、ボランティアとの関わりによって、閉ざされがちな老人ホームを、地域に開かれた施設へと変化させることができるのです。
実際にボランティアに参加する際には、注意しなければならないことが6つあります。詳しく説明していきましょう。
ボランティアとしてだけではなく、社会人としての最低限のマナーを守りましょう。
入居者のみならず、介護スタッフや他のボランティアスタッフとのより良い関係を保つためにも、笑顔とあいさつは忘れてはいけません。また、笑顔で入居者と関わることで、コミュニケーションを円滑にすすめることができます。
ボランティアを行う際は体調管理を徹底し、発熱・鼻水・下痢や風邪など、少しでも体調に異変がある場合は、必ず活動をお休みしましょう。
老人ホームなどの介護施設では、免疫力が低下している高齢者が多く、なんらかの病気に感染してしまったら重症化してしまうことも少なくありません。体調が回復し、元気になってから活動に参加しましょう。
ボランティア活動でもっとも大切なことは、相手の気持ちを尊重することです。
自己満足からくる行動は避け、入居している高齢者を敬い、何を望んでいるのかを考えて行動するように心がけましょう。
入居者だけでなく、職員や他のボランティアスタッフのことを思う行動をとることで、協力しあえる良い関係を築くこともできるでしょう。
老人ホームには、認知症患者もいます。認知症の方を驚かせたり、行動をせかす行為や発言、自尊心を傷つけることは禁物です。
認知症がどんな病気なのか、症状などを前もって正しく理解してから、ボランティアに参加することをおすすめします。地域で開催されている認知症サポーター養成講座を事前に受講しておくのも良いでしょう。
老人ホームでのボランティア活動は、介護スタッフから依頼された案件に集中し、指示通りに取り組みましょう。
活動内容について、介護スタッフと事前に打ち合わせをし確認したうえで、ご自身でしっかりと納得してから行いましょう。入居者から身体介護を要求された場合はすみやかに介護スタッフに報告し、決して自分で介助を行ってはいけません。
ボランティアを行う上で、知りえたプライベートな情報を外部に漏らしてはいけません。
入居者や職員へ対して、興味本位での個人的な質問はせず、偶然にも知ってしまった個人情報についても外部に漏らすようなことがあってはいけません。施設のルールや職員の指示に必ず従い、情報管理を意識してボランティア活動を行いましょう。
ボランティアでの活動が難しくなった時や辞めたい場合は無理せず、活動している団体や介護施設にその旨をきちんと伝えましょう。
ボランティア活動は、仕事のような契約ではないため、強制されることはなく、個人の自発的な意思をもとに行われることが前提です。
日本は今、超高齢化社会を迎え、老人ホームなど介護施設の需要はますます高まっていきます。その一方で、介護を支える人材不足は深刻な問題であり、ボランティアの重要性が注目され、今後の介護業界には絶対に必要な存在であると認識されています。
ボランティア活動には、誰でも参加できます。元気な高齢者がボランティア活動に参加されることで、社会の中で役立てる自信や生きがいを感じ、ご自身の介護予防も期待できます。
ボランティア活動への参加を検討されている場合は、一度見学の問い合わせをしてみても良いでしょう。
老人ホームでボランティアを始めたいときは、まず施設に募集状況を確認してみましょう。
そのほかに、社会福祉協議会にはボランティアセンターが設置され募集をおこなっていたり、NPO法人でも募集をしている場合があるので一度活動内容について問い合わせてみましょう。
老人ホームでのボランティア活動は、入居者の身体介護は基本的になく、特別な知識・資格は不要です。
基本的には、介護スタッフの業務補助である場合が多いです。例えば、ベッドのシーツ交換や共有スペースなどの清掃、囲碁・将棋の相手や編み物・書道など内容は多岐に渡ります。
施設によって活動内容は異なるので、ボランティアを検討してる際は施設へ確認しましょう。
「笑顔とあいさつを忘れない」「体調管理を徹底する」「相手の気持ちを尊重した行動をする」「認知症を理解する」「職務権限を守る」「個人情報を外部に漏らさない」などが挙げられます。
特にボランティアの活動内容以外の行為は入居者に危険を及ぼす可能性があるので止めましょう。
またボランティア活動をおこなうことで、さまざまな喜びを得られる反面、リスクに遭遇する機会も増えるので、安心して活動をおこなうためにボランティア保険への加入も検討しましょう。
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