わが国の認知症高齢者の数は2025年には約700万人となり、65歳以上の高齢者の約5人に1人に達することが見込まれています。
そうしたなかで、福祉について学ぶ高校生を対象に、認知症の症状の特徴を知り、サポートに役立ててもらおうという研修会が松山市で開かれました。
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松山市にある愛媛県在宅介護研修センターでは、福祉を専攻する高校生を対象に認知症の症状の特徴を知り、サポートに役立ててもらうための研修会を開催しました。
同センターの金田由美子センター長が講師を務め、認知症の人に対する介助の方法について、「認知症の症状が進行すると足腰が弱まり入浴が難しくなるケースがあることから、浴室に台を置くことで座ったまま浴槽に入れるようになる」などと、効果的なサポートについて紹介しました。
さらに生徒たちは、VR装置で認知症の人の視点を疑似体験。生徒たちはゴーグルを装着したうえで周囲を見回しながら、距離の感覚がつかみにくかったり、その場に実際にないものが見えたりする認知症の症状の特徴について理解を深めていました。
参加した3年の女子生徒は「認知症の視点を初めて体験できてよかったです。認知症の人と接する際には寄り添ったサポートを心がけたいです」と話していました。
認知症の高齢者が増えているなか、地域に認知症の人がいることが特別なことではなくなっています。
そういったなかで、認知症の症状にはどんなことがあるのか、どんなことに困るのか、どのようなサポートをしたらいいのかということを誰もが学ぶ機会を持つことができれば、認知症への理解が深まり自然にサポートできるようになりますよね。
例えば、厚生労働省の取り組みでは2005年から「認知症サポーター」を全国で養成するキャンペーンを行っており、今年3月にはサポーターが1,380万人を達成したそうです。認知症の人への理解を深めてやさしい地域づくりへの取り組みが広がっていることがうかがえます。
このように、地域の中に認知症への正しい理解や見守り、手助けをする存在が増えていくことで、認知症の高齢者やその家族にとって大きな安心感につながるのではないでしょうか。
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