防犯カメラなどに映った人の動きを人工知能(AI)で解析し、道に迷った高齢者らの捜索や、倒れ込みなどの異常事態の検出に役立てる新技術の開発が進んでいます。警備員らの人手不足を先端技術で補いながらトラブルへの迅速対応が実現できれば、人命救助や被害防止といった安全向上につながるでしょう。
今回は、3つの会社が開発を行っている新技術に関して紹介していきます。
まず初めはコンピュータ機器や通信システム、情報処理システムなどを主な事業とする日本の電機メーカーである富士通が開発を行っている技術についてです。
富士通はAIを活用して人が歩く映像から関節の動きを抽出して、その人物が別の映像に映りこんでいる場合に照合できる技術を開発しました。道に迷った高齢者や子供の捜索などでの活用を見込んでおり、2023年度までの実用化を目指すとのことです。
検証で約90%の精度があることを確認しているほか、夜間などで顔が鮮明でない映像で照合できる利点もあります。
認知症やその疑いがある行方不明者として全国の警察に届け出があった人数は増加傾向です。そのため、富士通の担当者は「人手に頼るところが大きい捜索に役立つ技術になる」と話しています。
2つ目は、日本を代表する総合電機メーカーであるNECが開発を行っている技術についてです。
NECはうずくまりや倒れ込み、車いす使用などの際に生じる骨格の動きをサンプル映像からAIが学び、映像で類似の動きが映りこんだ場合に検出する技術を開発しました。実用化すれば速やかな介助、119番通報などへの対応が可能になることが期待されています。
同社の担当者は「技術検証を生かし、事故抑止や街の見守りなどに貢献していくことを目指す」としています。
最後に紹介するのは東芝、三菱電機と並ぶ総合電機メーカーであり、最大規模を誇る日立製作所です。
防犯カメラの映像をAIで解析するシステムを展開する日立製作所は、周囲を見回す動作を続ける迷子や不審者らの発見につながる新機能の提供を始めました。「見回す」の他、「指をさす」「殴る」「倒れる」「しゃがむ」など計9種類の行動や、荷物の持ち去り・置き去りを検知することができます。
駅や空港、大規模商業施設などでの活用を想定し、異常事態やその予兆を把握することで「迅速な対応や警備の効率化が期待できる」と担当者は語っています。
このようなAI技術が実用化されれば、困っている方を見逃すことなく発見し迅速に対応することが可能になるでしょう。今後さらにAI技術が発展していくことで、これまでより人々の笑顔があふれるまちになっていくことが望まれています。
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