2023年1月26日から、今までは紙だった処方せんを電子化した「電子処方せん」の運用が全国の医療機関や薬局でスタートします。
1月15日時点で対応可能な医療機関や薬局は178ヵ所で、今後さらに対応できる施設が増えていくと見られています。
ところで、電子処方せんとはどのようなものなのでしょうか?
端的に言えば、これまで紙で医療機関が発行していた処方せんを電子化したもので、患者は今までと同じような紙での処方せんか電子処方せんを選択できるようになります。
電子処方せんを選択し、医師や薬剤師が過去の薬のデータを参照することに同意すると、直近三年間に処方された薬の情報に基づいた医療を受けられるようになるのです。
電子処方せんを活用するメリットは何でしょうか?
まず、より安全に薬の処方が受けられるようになります。これまでだったら、患者を診療した病院と薬を処方する薬局間でしか、処方せんのやり取りはされませんでした。しかし、電子処方せんを使い、患者が承諾すれば複数の医療機関や薬局をまたがり薬のデータが共有されます。そうすれば、ほかの薬局で処方された薬と同じ成分の薬をもらう「重複投薬」を防げるのです。
また、患者自身もスマートフォンなどから処方された薬のデータを参照できます。さらに、紙ではないので、処方せんを紛失することもなくなるでしょう。
電子処方せんの使い方は以下のとおりです。
希望すれば、健康保険証でも電子処方せんを発行できます。しかし、その場合は過去に処方された薬の情報を参照できないため、これまで使ってきたおくすり手帳を医師や薬剤師に見せる必要があります。
対象になっている医療機関や薬局にはポスターが貼ってあるほか、厚生労働省のホームページからも確認できます。
これまでは、おくすり手帳を医療機関に持っていくのを忘れたり紛失したりするリスクがありました。しかし、電子処方せんが普及すればこういったこともなくなりそうですね。
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