医療者向けのAI機器の開発などを手がけている株式会社Meduranceは、今回新たな医療音声認識AIツール「RABBIT」をリリースしたことを明らかにしました。
看護師の業務の中でも特に業務量の多い看護実施記録(看護師がおこなったケアの過程を記録すること)の負担を減らし、業務改善につなげるねらいがあるといいます。
東京医療保健大学は、看護業務の実態を探るため、全国の47ヵ所の病院に勤める955人の看護師を対象に、タブレットを用いて業務時間を測定するタイムスタディ調査をおこないました。
その結果、1日24時間の看護業務の中で「日々の看護実施記録」を占める時間が最も多く、その行為時間は合計で173分に上ったことが判明。それから、多い順に「排泄介助や片付けなどの患者ケア」「血圧や体温などのバイタルサインの測定」「患者からの情報収集」「看護師間の申し送り(情報共有)」といった回答が続きました。
また、残業としておこなわれた看護業務についても調査。そこでも最も時間が長かったのは「日々の看護実施記録」であることが明らかになりました。以上の調査結果から、多くの看護師は看護実施記録の作成に多大な時間と労力を費やしていることがわかります。
今回、株式会社Meduranceは新たな医療音声認識AIツール「RABBIT」をリリース。大規模な医療用語の音声データを学習させた最新のAIを搭載しているため、専門的な医療用語の音声もスムーズに認識できるようになったといいます。
担当者は、「RABBIT」を看護現場で使うことで記録時間を短縮できるほか、短時間で記録を終えられるため、記録忘れの防止にもつなげられるとしています。
看護師や介護士の中には、タイピングが苦手で速く文字を打てないという人も少なくありません。今回紹介した「RABBIT」がさまざまな施設で普及していけば、よりスムーズに記録ができるようになりそうですね。
参考:「効率的な看護業務の推進に向けた実態調査研究」(東京医療保健大学)
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