災害時は平時と異なり、誰もが動揺するもの。そのなかでも高齢者は、歩行が不安定だったり正確な情報を手に入れられないなどの理由で迅速な避難がさらに難しくなります。
そういった高齢者を把握する研究を京都橘大学の研究グループが開始しました。
この研究は、高齢者にアンケートを取ることでスムーズに避難ができるかをチェック。そのデータを防災計画に組み込むことで、迅速な避難ができるルートを設定する取り組みです。
京都橘大学の研究グループが、災害時に自力避難が難しい人がいる世帯を抽出する研究を始めました。
この研究によって、自力避難が難しい「災害弱者」が地域ごとにどの程度いるのかを把握。その結果を緊急時に迅速に指定避難場所までたどり着けるルートの作成に生かすそうです。
まず研究グループは、京都市山科区の隣接する3学区に住む高齢者100人に調査を実施。「時間に遅れそうになり急いで何かをする」「手の支えなく急いで椅子から立つ」といった15種の行動を転ばずにできる自信があるかを自己評価してもらいました。
この結果を、総合点で行動能力を低〜高の3段階で判定。能力が低い人ほど、災害時に素早く行動できなかったり、地震などでひび割れた道を歩きにくい可能性が高くなるそうです。
調査の結果、行動能力が「低」の災害弱者と判定された人が各学区に14~16人いることがわかったそうです。
この結果をもとに、研究グループは改めて避難経路を検討。災害弱者とされた人が住んでいる世帯に印をつけて、地域の防災担当者と話し合いをしました。
すると「この世帯からなら、隣の学区に行った方が近い」「避難経路に水没の危険がある」など、もともとの避難計画では難しいことが判明。避難所までの距離を短くするなら、学区を越えた移動が必要になることもわかったそうです。
災害時、高齢の徒歩移動が難しい人は「災害弱者」になりやすいのが現状です。しかし、地域でそうしたことが把握できていないと、支援が難しいでしょう。
今回の調査内容は、「こういう人が逃げ遅れやすい」というひとつの目安になるもの。本人がそれを自覚するのはもちろん、災害時は地域住民がサポートし合う「共助」が特に重要になります。
お互いが助け合えるような体制が整うと、いざという時に安心ですよね。
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