認知機能が低下し、物忘れや判断力の低下などを引き起こす認知症。進行すると日常生活に支障をきたす場合があり、多くの人が恐れる病気です。
この認知症の原因については、さまざまなものがありますが、中国・イギリスの大学の共同研究によって「社会的孤立」が認知症リスクを高めることがわかりました。
その研究によると、友人や家族との交流が極端に少ない社会的孤立の状態にある人は、認知症リスクが26%も高かったそうです。
中国の復旦大学、イギリスのケンブリッジ大学やウォーリック大学が共同で社会的孤立と認知症リスクの関連性に関する研究を実施。その結果を報告しました。
社会的孤立とは、家族や友人などとの交流が希薄な状態のこと。家族や友人と全く会う機会がなかったり地域の集まりなどに参加していないと社会的孤立と言えます。
今回の研究は、イギリスの大規模調査に参加した約46万2600人の健康や社会的活動などのデータを解析したもの。社会的活動の頻度などについてアンケートをおこない、平均11.7年にわたって追跡調査をしています。
社会的孤立については、アンケートで「月1回以上の友人・家族との面会」「週1回以上の社会活動(ボランティア活動、趣味の集まりなど)の有無」などについて3つの質問中2つに「なし」と回答した人を定義。対象者のうち、約4万2000人が社会的孤立に該当していました。
その結果、対象者のうち約5000人が調査期間中に認知症を発症。社会的孤立をしている人は、認知症リスクが26%も高まっていました。
さらに、社会的孤立している人は記憶に関連する脳の神経細胞が減少していることもわかりました。
こうした結果を受けて、研究グループは「社会的孤立が、認知症を予測する要因として利用できる」としています。
新型コロナの拡大で外出自粛となり、人と交流する機会を減らした人も多いでしょう。
しかし、今回の研究結果を知ると外出自粛で人と会わないことは、新型コロナに感染するよりもリスクの高いことなのかもしれません。
そのため、認知症予防という観点では感染対策をしながら短時間でも人と交流する時間を確保することが重要と言えそうです。
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