ニュース
トヨタ自動車株式会社がシニア層の雇用を拡大することを発表しました。シニア層の雇用拡大には、シニア層の高い知識や技術を活かし、若手などの人材育成にもつなげるねらいがあるそうです。 定年後の再雇用を70歳まで引き上げ トヨタ自動車株式会社は、今まで60歳の定年後の再雇用は65歳まででした。しかし、2024年8月から全ての職種で定年後の再雇用を70歳まで引き上げることを発表しました。 また、同社は60~65歳までの再雇用者への処遇改善にも取り組むそうです。これまでは一部の役職を除いて再雇用では給与が半分程度に下がってしまうため、再雇用ではなく退職を選ぶ人が2割ほどいましたが、10月からは業務内容と能力に応じて処遇を決定する制度に改める方針だそうです。 シニアも働いている人は多い 総務省が2023年におこなった「労働力調査」によると、65~69歳の就業率は約半数の52%、70~74歳の就業率は34%、75歳以上の就業率は11.4%でした。 また、内閣府が2019年におこなった「高齢者の経済生活に関する調査」では、全国の60歳以上の男女3000人に対して「何歳まで収入を伴う仕事をしたいか」という質問をしたところ、「65歳くらいまで」と答えた人がもっとも多く25.6%、その次が「70歳くらいまで」と答えた人で21.7%、「働けるうちはいつまでも」が20.6%と続きました。 多くのシニア層の人が定年後も働きたいと考えており、実際に半数ほどの人が働いていることがわかりますね。 シニア層に対しての仕事に対する意識調査はこれまでにも何度もおこなわれており、働く意欲のあるシニア層が多いことがわかっています。働くことは、給料を貰えるだけでなく、自然と人と触れ合ったり身体を動かしたりできるので、フレイル予防にもつながります。少しでも興味のある仕事や、家から近い職場など、前向きに検討してみるのも良いですね。 参考:「労働力調査」(総務省) 参考:「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」(内閣府)
2024/05/15
株式会社パーソル総合研究所がおこなった調査で、「71歳以降も働きたい」と考える60~64歳の就業者は回答者全体の約20%、65~69歳の就業者は約40%であることがわかりました。 今回の調査により、高齢になっても働きたいと考える高齢者が多いことが明らかになったのです。 71歳以上になっても働き続けたい高齢者が多数 今回の調査は、現在働いている55歳以上のシニア世代、1万人に対しておこないました。調査の対象者を55~59歳、60~64歳、65~69歳、の3グループに分けてアンケートを実施。すると、最年長である65~69歳のグループは約40%の人が「71歳以上まで働きたい」と答えたことがわかったのです。 また、この調査は2017年より毎年おこなっており、65~69歳のグループはどの年も約40%の人が「71歳以上まで働きたい」と答えています。 働き続けたい理由には前向きな回答も 今回の調査で「就業終了希望年齢まで働き続けたい理由」を聞いたところ、一番多い理由は「働くことで健康を維持したいから」が半数以上の57.8%でした。 「就業終了希望年齢まで働き続けたい理由」の質問に対する回答の結果は以下です。 働くことで健康を維持したいから(57.8%) 生活を維持するために収入が必要だから(47.6%) 働かないと時間を持て余してしまうから(39.9%) 将来の年金生活が不安だから(39.7%) 仕事を通してやりがいを得たいから(35.8%) 別の調査では「働くことに生きがいを感じている」という高齢者が約7割もいることがわかっています。働くことで頭や身体を自然と動かしますし、人とコミュニケーションも取れます。 仕事が収入を得るだけでなく、健康を維持したりやりがいを感じるのはとても良いことですね。 参考:「働く1万人の成長実態調査 シニア就業者の意識・行動の変化と活躍促進のヒント」(株式会社パーソル総合研究所)
2024/02/28
新たな研究で、フレイルに該当する高齢者はそうでない人に比べて、転倒や転落などの事故を起こしやすいことが明らかになりました。 フレイルとは、加齢とともに心身の機能が衰えた状態のこと。要介護状態の前段階とも呼ばれていて、適度な運動など対策をすることで元の健康な状態に戻れると言われています。 今回の研究は、東京都健康長寿医療センター研究所の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Geriatrics and Gerontology International」という学術誌に掲載されています。 フレイルに該当する人は転倒・転落事故が多い 研究グループは、東京都内のシルバー人材センターに登録している7265人の高齢者の事故に関するデータを分析。その結果、全体の9.4%が過去1年間に事故を起こしていたことがわかりました。 フレイルに着目してみると、健康な人に比べてフレイル予備軍の高齢者は1.57倍、フレイルの高齢者は2.31倍も事故を多く経験していたことが明らかになったのです。 また、事故の種類別に分けて分析した結果、特に転倒・転落事故を経験した人が多いことが判明。転倒・転落事故を経験した人は、健康な人と比べ、フレイル予備軍の高齢者で1.92倍、フレイルの高齢者では3.1倍にも上ることが明らかになりました。 一方、物損事故など転倒・転落以外の事故については、健康な人とフレイルの人でそれほど大きな差がないこともわかりました。 フレイルに該当する人は安全就業について学ぶ機会が少ない それから研究グループは、フレイルのある高齢者はそうでない人に比べて、安全就業について学ぶ機会を得られていないことも突き止めました。 例えば、安全就業についてのチラシを読んでいないフレイルの高齢者は、健康な人に比べて1.39倍多いことが判明したのです。 また、安全就業に関する研修会についても、健康な人に比べて、フレイルの高齢者は1.14倍参加しない人が多いことが示されました。 研究グループは「フレイルの度合いに応じた就業内容の選択ができる機会を設けたり、フレイルの度合いが高い人に対して、安全就業に関する働きかけを積極的におこなったりすることが重要だ」と話しています。 フレイル状態になった人は身体機能が低下しているため、体を機敏に動かせず事故につながるリスクが高まります。フレイルの進行を予防して事故を未然に防ぐためにも、運動習慣を身につけ、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大切ですね。
2023/04/27
厚生労働省が企業に対し、定年制度の実態に関する調査をおこないました。その結果、過去最高となる24.5%の企業が「65歳かそれ以上を定年に設定している」と回答したことが明らかになったのです。 現在の定年制 2022年12月現在、定年は60歳以上であれば何歳でも良いことになっています。 しかし、高年齢者雇用安定法により定年を65歳未満に定めている企業は、65歳までの人の雇用機会を確保するための措置を取らなければなりません。 具体的には、企業は以下のうちいずれかの措置を講じる義務があります。 65歳までに定年を引き上げる 定年制を廃止する 再雇用制度など、65歳までの人が継続して働ける制度を導入する さらに国は、2021年4月1日から70歳までの定年引き上げを努力目標とするように企業側に要請しています。 厚生労働省の調査 厚生労働省は企業に対して定年制度の実態に関する調査を実施し、3757社から回答を得ました。 その結果、今年1月時点で一律の定年制を設けている企業のうち、21.1%の企業が「定年を65歳までにしている」と回答したことが明らかになったのです。さらに3.5%の企業は、定年を66歳以上に設定していることも判明しました。 定年を65歳かそれ以上に設定している企業を合わせると24.5%。これは過去最高の水準です。 いつまで働きたいか 厚生労働省が2018年におこなった調査で、20歳以上の男女に対し「いつまで働きたいか」と尋ねたところ、「65歳まで働きたい」という回答が約25%で最多に。次に多かったのが「70歳まで働きたい」という回答でした。一方、「働くのは60歳までにしたい」と回答した人は約15%にとどまりました。 また希望する老後の働き方を尋ねると、半分以上の人が「時間や日数を減らして働きたい」と回答したことも明らかになりました。 以上の回答結果から、ある程度高齢になっても、時間や日数などを減らしながら働いていきたい人が多いと考えられるでしょう。 厚生労働省は「これまでどおり働きたい高齢者にとって、定年の延長は意義がある」としています。
2022/12/20
働く高齢者が年々増えています。しかし、働く上で高齢者ならではの悩みというのはなかなか職場では相談しづらく、相談できる場所も限られているのではないでしょうか? 今回は、そんな働く高齢者のための電話相談という初めての試みをご紹介します。 働く高齢者が増えている 総務省によると、2020年において高齢者(65歳以上)で働いている人は906万人。これは17年連続の増加で過去最多の数字です。 つまり、高齢者のうち25.1%が働いているというのが実情です。働いている人全体に占める割合は13.6%で、こちらも過去最高を更新しました。 このように高齢労働者が増加している一因は、少子高齢化の中、政府が高齢者の雇用を拡大してきたこと。一方で、受け取ることができる年金が少なく、生活のために働かざるを得ない人が増えているのではないかとの指摘もあります。 電話相談に全国から声 こうした状況の下、高齢者が労災や賃金不払いなどの被害を受けているケースが増加。そこで、働く高齢者の問題に対して、東京都内の弁護士や労働組合などが、高齢の労働者を対象にした電話による労働相談を9月16日に開きました。 実施された労働相談では、全国から「雇い止めが不安」や「残業代が支払われない」など多くの不安の声が寄せられることとなりました。 具体的には、以下のような声が集まっています。 「年金の支給額が少ないために働いているが、雇い止めに遭わないか不安」(70代男性・調理師)「腰痛があるが、業務命令だと過酷な仕事を断りにくい」(60代女性・介護職) どれも切実な悩みと言えますね。 高齢者の事情に配慮した働き方の整備を 今回の電話相談を受けて、「高齢者の健康に配慮した働かせ方が必要だと感じた」と代表の青龍弁護士は発言しました。 また、尾林弁護士は「高齢者は非正規で契約を強いられることが多く、解雇を恐れ、厳しい状況にも声を上げられないでいる。体力や身体機能も低下しているのに、事情を考慮した対策が法的に整備されていない」と指摘しています。 実行委員は、寄せられた声をもとに国に高齢者の労働環境の改善・整備を求めていくとのこと。今後の活動にも期待が高まります。 こうした取り組みへの認知がもっと広がるといいですね。そして今回のように相談できる場を増やすことが、もっと高齢労働者が働きやすい社会につながるのではないでしょうか?
2022/09/22
今月14日、内閣府が「高齢社会白書」の2022年版を公表しました。 高齢社会白書とは、1996年から政府が毎年国会に提出している年次報告書のこと。超高齢社会である日本の状況や、政府がおこなった高齢社会対策の実施状況などをまとめたものです。 そのなかで、高齢者の暮らしについての調査結果を報告。それによると、3割の高齢者が「経済的な心配がある」と回答したことがわかりました。 また、高齢労働者の割合も年々増加しており、労働者の13.4%が65歳以上だそうです。 「家計が心配」が約3割 今月14日、政府が国会に提出した「高齢社会白書」の2022年版が決定したことが明らかになりました。 そのなかには、少子高齢化の状況、高齢者の就業状況、デジタル機器の活用の状況などについてまとめられています。 そのうちのひとつに、高齢者の暮らしについての調査結果があります。 調査によると、「家計にゆとりがなく心配である」と回答したのは31.2%、「心配がない」と答えたのは68.5%だったそうです。 約7割が「家計に心配がない」と回答した一方で、働く高齢者の割合は年々上昇。2021年の労働人口の中の高齢者の割合は13.4%で、過去最大の割合であることがわかりました。 さらに、各年代での労働人口も増加。65~69歳では51.7%、70~74歳では33.2%、75歳以上では10.6%が現役で働き続けているという結果になっています。 そして、働く高齢者の多くが高い就業意欲があることも今回の調査で判明。仕事を続ける時期について、もっとも多い回答は「働けるうちはいつまでも」の36.7%、「70歳くらいまで」が23.4%と続きました。 また、企業側もこうした高齢者の意欲を受け止める体制が整っており、希望者全員が65歳以上まで働ける制度が整備されているのは80.4%だったそうです。 シニアも働く時代に 2020年の高齢社会白書では、仕事をしている高齢者に働く理由を聞いています。すると、最も多い回答は「収入がほしいから(45.4%)」。経済的なゆとりが欲しいために仕事を続けていることがわかります。 その一方で、「働くのは体によいから、老化を防ぐから(23.5%)」「仕事そのものが面白いから、自分の知識・能力を生かせるから(21.9%)」という回答も多く、収入だけでなくて健康や生きがいのために働く人もいるようですね。 働く理由は人それぞれですが、老後の暮らし方について「高齢になっても働く」という選択肢が当たり前になっているのかもしれません。
2022/06/22
少子高齢化によって労働力が減少している一方で、働き続ける高齢者が増加しています。 内閣府の調査によると、2020年時点での高齢労働者の割合は13.4%。この割合は毎年上昇しています。 さらに、2020年におこなわれた国勢調査のうち就業状況についての結果が公表。そのなかで高知県は、労働力人口が前回の調査に比べて1万人あまり減少した一方で、70歳以上の労働者が増加していることがわかりました。 高齢労働者が増加 総務省が2020年におこなわれた国勢調査のうち、就業状況についての結果を公表しました。 そのうちの高知県については、15歳以上の労働力人口は約35万9400人。2015年の前回調査に比べて約1万人減少したことがわかりました。 特に減少していた年代は、40~44歳、35~39歳の人口。現役世代の労働力人口が低下していることがわかります。 対して、70歳以上の労働力人口は増加。70~74歳は8211人、75~79歳は2167人、80~84歳は410人も増えており、高齢者が働き続けている傾向が判明しました。 高齢者が働きやすい環境を 高知県にかぎらず、全国的にも働く高齢者が増えています。 労働力人口に対する高齢者の割合は、毎年、最高値を更新。さらに、65~69歳の男性の60%が現役で働き続けていることもわかっています。 さらに、働いている高齢者の約36%は「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答。「75歳くらいまで」「80歳くらいまで」と回答した人と合わせると、60%以上の人が長く働き続けたいと考えているそうです。 ただ、こうした働く意欲の高い高齢者が多い一方で、高齢者の労災が増加。2020年の労災のうちの60歳以上が占める割合は26.6%であり、この割合は年々増えています。 なかでも、年齢が上がるに従って男性労働者の転落や女性労働者の転倒の発生率が上昇していることがわかっています。 というのも、高齢者は加齢に伴って身体機能や注意力が低下する傾向があるから。そのため、労働環境には若い世代よりも一層の配慮が必要なのです。 つまり、高齢労働者の増加に対して、高齢者に合わせた労働環境の整備が間に合っていないのが実情。今後、さらに働く高齢者が増えることを見越して、高齢者に優しい職場づくりが重要になっています。
2022/06/06
働く高齢者が増えています。過去10年間で60歳以上の働く高齢者は1.5倍に増加。特に介護やサービス業などの業界で増えています。 それに伴って、高齢者の労災も増加傾向。2018年の労災による死傷者数のうち60歳以上の高齢者は26%となり、他の世代と比べて最も多い状況です。 そこで厚生労働省は、高齢者が働きやすい環境を整備するための費用を補助する「エイジフレンドリー補助金」を開始。今年度の申請受付が今月11日から始まりました。 高齢者が働きやすい企業へ 厚生省が今年度の「エイジフレンドリー補助金」の申請受付を今月11日から開始しました。 この補助金は、60歳以上の高齢者が安全に働ける環境を整備する企業に対して支給されるもの。高齢者を1人以上雇用している企業が対象です。 具体的には、高齢者を常時1人以上雇用しており、労働保険に加入している中小企業が対象。対象となる企業規模は業種によって決められており、小売業は労働者数が50人以下、資本金は5000万円以下、サービス業は労働者数が100人以下、5000万円以下などと異なります。 この補助金は、働く高齢者を対象として以下の対策に使用した費用が対象です。 働く⾼齢者の新型コロナウイルス感染予防のための費⽤ ⾝体機能の低下を補う設備・装置の導⼊に係る費⽤ 健康や体⼒状況等の把握に関する費⽤ 安全衛⽣教育の実施に関する費⽤ 例えば、移乗介助で使用するリフト、熱中症などの体調急変を把握するためのスマートバンドなどの購入費用も対象。また、保健師による身体機能を維持するための活動や高齢者の安全衛生に関する研修会などの開催費用も補助金が支給されます。 この補助金の最大支給額は100万円。環境整備にかかった経費の半額が支給されます。 高齢者が活躍する社会に 内閣府の2021年「高齢社会白書」によると、労働人口全体に占める65歳以上の高齢者の割合は13.4%。この割合は年々増加しています。 さらに、高齢者は身体機能や注意力が低下することにより若い世代よりも労災の発生率が高いこともわかっています。 少子高齢化で労働力を確保するためにも、高齢者の活躍は今後さらに重要になっていきます。そのため今回のエイジフレンドリー補助金が、高齢者が働きやすい環境を作るきっかけになると良いですね。
2022/05/20
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。