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コロナ禍で人との交流や外出自粛が減ったことによる影響か、高齢者への虐待の件数が増加しています。 厚生労働省が発表した2020年度の全国の高齢者虐待の件数は、過去最多の1万7281件でした。 また、各都道府県でも虐待件数のまとめを公開しており、千葉県の虐待件数は833件、和歌山県では177人といずれの地域でも虐待は増加傾向にあるようです。 各県で虐待件数が増加 厚生省が全国の高齢者の虐待件数を公表したことを受けて、各都道府県でも虐待状況のまとめを公開しています。 例えば、千葉県で虐待と認定されたのは833件。相談・通報件数は2007件と、どちらも過去最多の数字となりました。 特に多かったのは、家族や親戚などからの虐待。800件近くが家族や親戚からのもので、なかでも4割が息子が虐待者となったケースでした。 また、和歌山県で起きた家族などからの虐待件数は176件でこちらも過去最多。そのなかでも最も多かったのは息子からの虐待で76件と4割を占めています。 どちらの県でも全体の件数は過去最多。なかでも虐待を受けた高齢者と虐待者が2人暮らしのケースが多い傾向がありました。 これを受けて和歌山県は、コロナ禍の外出自粛で介護を受ける高齢者と介護者が一緒に過ごす時間が増えたことで、ストレスや介護疲れがたまってしまったことが影響しているとしています。 そのため、ストレスや悩みがある場合は市町村や地域包括支援センターに相談するように和歌山県では呼びかけをしているそうです。 距離を置くのは悪いことではない コロナ禍の長期化によって、ストレスが増加している人も多いのではないでしょうか。 特に家族の介護をしているとなおさら。身体的な負担はもちろん、心理的なストレスも大きいので1人で思い詰めてしまったりイライラすることもあるでしょう。 そういったときには、うまく介護サービスを利用して少し距離を置いてみることもひとつの手。例えば、デイサービスやショートステイなどのサービスを利用して、「介護をしなくて良い」時間を作ってみると気持ちにゆとりができるかもしれませんね。
2022/04/11
鳥取県が、県内で2020年度に報告された高齢者の虐待が65件に上ったことを発表しました。 そのなかの61件が家族によるものだったことを受けて、県は「家庭内の問題を抱え込まずに関係機関に早めに相談してほしい」と呼びかけています。 また、厚生労働省は2020年度の家族による高齢者への虐待が統計を取り始めてから最も多くなったことを公表しています。 高齢者虐待のほとんどが家族によるもの⁉ 鳥取県は、2020年度の高齢者虐待件数が報告されているもので65件であることを公表しました。 そのうちの9割を占める61件が家族によるもの。残りの4件は老人ホームなどの職員によるものだそうです。 虐待の被害者の8割が女性。家庭内で虐待した人は息子が45%、夫が19%、娘が17%。虐待被害者の4割以上が虐待した家族と2人暮らしだったこともわかっています。 虐待内容で最も多かったのは、暴行を加える「身体的虐待」の47件。暴言や威圧的な態度をとる「心理的虐待」が32件、「介護の放棄(ネグレクト)」が9件、被害者の金銭を勝手に使うなどの「経済的虐待」が7件だったとのことです。 全国的には、家族による高齢者の虐待件数は増加傾向にあります。特に2020年度は統計が始まってから最も多い1万7281件でした。 これについて厚生省は、「新型コロナウイルスの拡大で外出自粛が長引くなかで、家族の介護負担が増大したことによるもの」という見解を示しています。家族の負担が増えたことでストレスが溜まり、虐待につながってしまったようです。 10年続けられる介護を 高齢者の虐待のニュースを聞くと「自分は虐待なんてしない」と思う人もいるかもしれません。 しかし、家族の介護というのは長期戦。親の介護の場合、一般的には10年前後が介護期間の目安と言われています。 はじめのうちは、ある程度自分でできていたので介護者の負担が少なかったものの、介護度が進行していくと在宅介護では限界になることもあります。 そうなると、身体状況の悪化による介護者の身体への負担と、介護の長期化による精神的負担は大きいものに。介護のストレスから手を上げてしまうこともあるかもしれません。 それを避けるために、介護が本格的に始まると思ったら利用できるサービスをリストアップしておきましょう。 訪問介護やデイサービスなど在宅介護で利用できる介護サービスだけではなく、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどの施設系サービスもはじめから検討しておくと、いざというときに慌てなくて済むかもしれません。 介護のすべてを抱え込もうとせず、「使えるサービスはとことん使う」くらいの気持ちが介護する側もされる側も穏やかに暮らせる介護になるのではないでしょうか。
2022/03/15
厚生労働省が、高齢者虐待の防止などに関する2020年度の調査結果を公表しました。その結果、家族からの虐待件数が17,281件と、これまでで最も多くなったと伝えています。新型コロナウイルス拡大の影響で、介護サービスを受けられなくなり家族の負担が増加したことが原因のひとつと考えられます。 感染拡大で虐待数が増加か 厚生労働省の調査結果によると、家族・親族などによる虐待は2020年度で17,281件。2019年度の16,928件から353件も増加しています。最も多かったのは「身体的虐待」で68.2%、「心理的虐待」と「介護放棄」が続きます。 また虐待をした家族で多いのは、息子が39.9%、夫が22.4%、娘が17.8%。特に家族と高齢者が2人きりで暮らしているケースが半数以上となりました。他に家族がいないという閉じられた環境で虐待は起きやすいことがわかります。 虐待の原因で最も多いのは「虐待した家族の性格によるもの」が57.9%。「認知症の症状や介護疲れによるもの」がそれに続きます。 感染拡大の影響で、デイサービスの利用を自粛したり地域の集まりがなくなったりして、外部とのつながりが薄くなっている傾向があります。それにより家族の介護負担が増大。家族がストレスをため込みやすくなったために、虐待が増えたのかもしれません。 一方で介護施設の職員による虐待は、前年より減少しています。2019年度では644件だったのが、2020年度では595件になっています。しかし感染症対策のために面会が制限された施設が多く、施設内の様子がわかりにくくなったことが件数減少の一因ではないかと厚生労働省は分析しています。 虐待の認識がないことがある 高齢者虐待というと、高齢者をストレスのはけ口にするようなイメージがあります。しかし、それだけでなく家族が専門知識を持っていないために、虐待をしていることを認識していないケースもあります。 例えば「おばあちゃんは認知症だから…」と現金を使ったり、土地や家などを売却することもあるかもしれません。しかし、これを無断でしてしまうと「経済的虐待」にあたります。また、排泄に失敗した罰として下半身裸で生活させる、認知症のために同じ話を繰り返すので怒るといったことを、家族が“しつけ”として捉えている場合もあります。 家庭内で起きる高齢者虐待は表に出にくいため、発見されにくいのが特徴。加えて「よそ様の家庭のことだから」と、地域の人が口出しするのをためらってしまうかもしれません。このようなことが理由で、虐待がエスカレートしてしまう可能性もあります。介護に悩む家族に積極的に声をかけたりして、悲しい事件に発展させないようにしたいですね。
2022/01/11
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