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新潟県新潟市で、介護支援専門員(ケアマネジャー)の女が、利用者の財布から現金およそ2万円を盗んだ疑いで逮捕されました。 女は容疑を認めていると言います。 ケアマネジャーが利用者の現金を盗んで逮捕 警察などの調べによると、容疑者の女は2023年7月27日、ケアマネジャーの業務の一環で新潟市内にある80代男性の自宅を訪問しました。その際、利用者の男性が所有している財布の中から現金2万1000円を盗んだ疑いがもたれています。 被害に遭った男性の家族は警察に被害届を提出。警察が捜査したところ、ケアマネジャーの女が容疑者として浮上し、今回の逮捕に至ったそうです。 女は取り調べに対し容疑を認めていて、警察は余罪も視野に捜査を進めていく方針を示しています。 後見人制度の利用も視野に 今回のような、高齢者の金銭を無断で使用する行為は「経済的虐待」に該当します。 厚生労働省の調査によると、2020年時点で起きた訪問介護における経済的虐待はすべての虐待の中で14.4%を占めていたことが判明。特養において経済的虐待は0.2%、グループホームでは0%だったことを踏まえれば、訪問介護では特に経済的な搾取がおこなわれやすいことがわかります。 今回のような被害を防ぐためにはどのような対策をすれば良いのでしょうか? 日本高齢者虐待防止学会理事長の池田直樹氏は、判断能力が不十分な人の生活支援や財産管理などをおこなう「任意後見制度」の利用を提案。「判断能力が衰える前に、預金の出し入れを行う権限のある後見人をつくる必要がある」と話しています。 また、何かなくなったらすぐに把握できるように、所有物に名前を書いたり所有している物のリストを作ったりすることも有効です。それでも心配な方は、防犯カメラの導入などを検討してみても良いかもしれませんね。 参考:「令和2年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果」(厚生労働省)
2023/08/09
大阪府泉佐野市にある訪問介護事業を運営している取締役が、虚偽の申請書を提出して金銭をだまし取った疑いで逮捕されました。 取締役らは、訪問介護を提供していないにもかかわらず介護給付費を申請して、約170万円を受け取ったとみられています。 介護給付費を不正にだまし取る 警察の調べによると、容疑者らはおととし、介護サービスを提供していないにもかかわらず泉佐野市に対して申請書を提出し、介護給付費10人分に相当する約170万円をだまし取ったとみられています。 情報提供を受けた泉佐野市が調査したところ、容疑者らはほかの市でも同様の不正受給をおこなったことが判明。その額は合計で9000万円にも上るそうです。 不正受給を受けて、泉佐野市は容疑者らが運営していたとされる訪問介護事業所の指定取り消し処分を実行し、刑事告訴しました。 警察は容疑者らの余罪を含め、さらに詳しい調査を進めていく方針を示しています。 取り消し処分までの流れ 介護サービスを提供している事業者は、監査などで適切な運営がなされていないと判断された場合、その重さに応じて行政処分が下されます。 介護事業所で不正がおこなわれた場合、まずは改善勧告や改善命令が下され、業務を改善するように指示されます。改善勧告はあくまでも「指導」のため強制力がありませんが、改善命令は「行政処分」なので強制力があります。 また、改善命令にも従わない場合は不正の程度に応じて、業務の一部またはすべてを一時的に停止させられます。 介護事業者に下される最も重い処分が、今回の事件の容疑者らが受けた「指定取り消し」処分で、これを受けると介護報酬が国から入ってこなくなるため、実質的に事業を続けることはできなくなります。 大阪府の発表によると、府内で指定居宅サービス事業者としての指定の取り消しや、効力停止処分を受けた事例は、2019~2021年の3年間で16件に上るそうです。処分を下した理由は、ほとんどが介護報酬の不正受給によるものでした。 介護報酬は有限なので、不正受給する事業者がいればその分きちんと運営している事業者にしわ寄せがいくことになります。高齢者が健やかに暮らせる社会をつくっていくためにも、徹底した監査をおこなってほしいですね。 参考:「指定居宅サービス事業者等に対する指導および監査について」(大阪府)
2023/07/21
訪問介護サービス利用時における悩ましい事件が、また発生してしまいました。事件の概要は以下の通りです。 訪問先の高齢者宅で、利用者の女性のキャッシュカードを使って現金約600万円を引き出したとして、大阪府門真市の介護福祉士・栗栖翔吾容疑者(30)が窃盗の疑いで逮捕されました。 栗栖容疑者は「ギャンブルで遊ぶ金が欲しかった」と答えているようです。 介護従事者にも広がる「はた迷惑」の声 栗栖容疑者は2015年頃からこの女性の訪問介護を担当しており、週に2回、訪問して介護サービスを提供していたそうです。 女性はかねてより足腰の具合が良くなく、一人での外出に不安があったとか。そのため、女性に代わって栗栖容疑者が銀行ATMに行き現金を引き出すこともあったと言います。 老人ホームなど介護施設でも事件や問題が起こるたびに、「また介護か…」といった声も聞こえてくるようになってしまった昨今。もちろんですが、“介護”とひとくくりにしてこうした問題を見られては、たまったものじゃありませんよね。 こうした現状には、介護事業に携わる関係者からも「何もしてないのに『盗ったんじゃないか』と疑われることが増えた」「真面目に介護の仕事をしている人にとって、はなはだ迷惑な話だ」といった言葉も聞かれます。 「お金の引き出し」は介護保険のサービス外 そもそもですが、本来は銀行での預金の引き出しは介護保険上のサービスでは認められていません。範囲を超えた行為であり、その点でもそもそも問題があったのです(犯罪行為を犯すくらいなので、軽く無視されたのでしょうが)。 ひとつ言えることは、「銀行での預金の引き出しは介護保険上のサービスでは認められていない」という点について、家族をはじめ社会も認識しておく必要もある、ということでしょうか。 家族が知っていれば、「訪問介護スタッフに預金の引き出しを依頼した」という話を聞いたら止めさせることもできるはずです。 介護サービスは確かに必要な社会保障であり、保険料さえ支払っていれば誰でも使えるものです。だからこそ、そのサービス内容をきちんと把握して、適切に、正しく利用しなければなりません。 今回の事件を通して改めて、その必要性も問われています(本来はまったく不要なはずなのですが!)。 ▼介護サービスについて以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。 https://e-nursingcare.com/guide/homecare/type_homecare/home-visit-care/
2022/02/09
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。