light icon

ニュース

AI

AI 健康管理 最新テクノロジー

レントゲンで疾患の進行度がわかる!?AI判定の体内年齢と見比べ

2023年8月17日、大阪公立大学の研究グループが、胸部のレントゲン画像から体内年齢を推定するモデルを開発したことを発表。実際の年齢とAIが推定した体内年齢を比べることで、高血圧などの慢性疾患の進行具合が測定可能だとしています。 今回の研究は、「The Lancet Healthy Longevity」という学術誌に掲載されています。 AI学習を用いて体内年齢を推定するモデルを開発 今回、研究グループは、AIの機械学習を用いて、健康診断などで撮影された胸部のレントゲン画像から体内年齢を推定するモデルを開発しました。 開発にあたって、AIモデルの精度を検証するために、2008~2021年の間に3施設から合計3万6051人の胸部のレントゲン画像を収集。胸部のレントゲン画像と対象者の年齢間で現れる特徴を学習させました。 評価の結果、開発したモデルは非常に高い精度で対象者の体内年齢を測定できることが明らかになりました。 慢性疾患の進行具合も推定可能 さらに研究グループは、開発したAIモデルが、疾患がどれくらい進行しているかを測る指標としても有用かどうかを検証。2018~2021年の間に、上述したところとは別の2施設から収集した、何らかの疾患がある患者3万4197の胸部のレントゲン画像を分析しました。 その結果、実際の年齢とAIが推定する年齢の差と、高血圧や慢性腎不全、不整脈といった慢性疾患の進行度の間に高い関連性を示したことが判明。つまり、AIが推定した年齢が実際の年齢より高いほど、慢性疾患がより進行している傾向にあることが明らかになったのです。 一方、尿路感染症や虫垂炎などの急性疾患との間には関連性がみられなかったと言います。 今回の結果を受けて、研究グループは「この研究をさらに発展させて、余命や合併症の予測にも応用していきたい」と述べています。 胸部のレントゲン写真は簡単に撮影できるため、今回の研究がさらに発展していけば、よりスムーズな健康チェックができるようになりそうですね。 参考:「AIが胸部レントゲン画像から体内年齢を推定 重症化リスクを予測するバイオマーカーの開発に期待」(大阪公立大学)

2023/08/22

AI 最新研究 認知症予防

AIと話すだけで認知症がわかる!?認知症の早期発見に役に立つ

AIを駆使したサービスを提供している株式会社エクサウィザーズは、認知症の早期発見につなげることを目指して、会話音声AIを活用した新たなプログラム医療機器を開発することを明らかにしました。 今年の秋までに規制当局と相談し、早期承認に向けて取り組んでいくとしています。 認知症の早期発見が大きな課題 厚生労働省の試算によると、2025年には65歳以上の高齢者のうち、およそ5人に1人が認知症患者になる可能性が指摘されています。 認知症患者が増えると、これまで以上に要介護認定が遅れてしまう可能性もあると言われています。 認知症の人が福祉サービスを利用するためには、その前に要介護認定を受けなければなりません。ただ、要介護認定は本人の様子を観察したり専門家たちが集まって会議したりする必要があるため、時間がかかります。 言い換えると、認知症が今よりもっと早く発見できるようになれば、その分要介護認定も早い段階で受けられ、認知症の人を速やかに福祉につなげられるようになるのです。 認知症の早期発見につながる医療機器の開発を開始 エクサウィザーズは、昭和大学病院脳神経内科の認知症専門医と連携して、AIを活用した新たなプログラム医療機器を開発することを発表しました。 開発予定の医療機器では、エクサウィザーズが独自開発した会話音声AIを活用。現在、昭和大学病院と共同で試験をおこなっており、すでに現時点で、数分の会話音声から高い精度で認知症の判定ができることが確認されているそうです。 今回開発しているプログラムは、スマートフォンやタブレット端末のような、身近にあるデバイスで利用できるようにする予定だと言います。 認知症の診断には、認知テストを受けたりMRI画像を撮影したりと多大な労力と時間を要します。認知症の人の負担を減らし、よりスムーズに福祉につなげるためにも、今回のプログラム医療機器が普及していくと良いですね。 参考:「認知症施策推進総合戦略」(厚生労働省)

2023/07/28

AI 介護職員 最新テクノロジー

AIがケアマネジャーに!?対話AI「MICSUS」で業務が7割減

KDDI株式会社、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)、NECソリューションイノベータ株式会社は、内閣府主催の「総合科学技術・イノベーション会議」に3社共同の事業が採択。開発している高齢者向け対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」を活用した介護モニタリングの実証実験をおこないました。 その結果、ぬいぐるみ型の専用端末やスマートフォンアプリを活用することで、ケアマネジャーが高齢者の生活状況などを確認する「介護モニタリング」における面談と記録に要する時間を7割削減できたことが明らかになったのです。 高齢者向け対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」について そもそも、KDDIらが開発している、高齢者向け対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」とは何でしょうか? 「MICSUS」は、専用のぬいぐるみ型の端末やスマートフォンアプリに搭載された、会話したり音声や表情を読み取ったりできるAI。「MICSUS」には、介護の専門家の知見を取り入れたAIシステムが組み込まれていて、高齢者と「MICSUS」との対話を通じて高齢者の健康状態や生活状況の変化などの情報を収集します。 もともと、これらの情報はケアマネジャーが高齢者にヒアリングをおこなうことで入手し、ケアプランの見直しなどに活用していました。しかし「MICSUS」を使えば、ケアマネジャーがヒアリングしなくてもケアプランの見直しに必要な情報が入手できるのです。 ケアマネジャーの業務時間が大幅減少 今回の実証実験は、2022年6月28日~2023年1月28日の期間に実施。自宅やサービス付き高齢者住宅などの施設で暮らす高齢者179人を対象におこなわれました。 実証実験中は、「MICSUS」が組み込まれたぬいぐるみ型の専用端末やスマートフォンと高齢者が計927回面談。ケアマネジャーが記録用のツールアプリから高齢者の情報を読み取ることで、面談1回当たりの面談と記録に要する業務時間を平均7.0分から2.2分へと約7割短縮することに成功したことを明かしました。 また、「MICSUS」が質問して高齢者が回答するという対話を通して、高齢者の健康状態や生活習慣を約93%の精度で収集できたことも確認されました。 これからますます高齢化社会が進展することが見込まれ、より少ない人数で高齢者を支えることが予想されている中、ケアマネジャーや介護士などの業務改善は急務となっています。この「MICSUS」が普及していけば、ケアマネジャーもより効率的に業務に取り込めそうですね。

2023/03/10

AI 最新研究 認知症予防

試作アプリ「脳の健康チェックAI」&「脳の健康トレーニングAI」が公開に!継続使用で認知機能の維持に

2023年1月26日、NTTドコモは認知機能低下の防止に役立つ「脳の健康チェックAI」と「脳の健康トレーニングAI」を搭載した試作アプリを公開しました。 これからアプリを利用したことによる効果などを評価し、2025年の3月までにはサービス化したいとしています。 「脳の健康チェックAIとは」 「脳の健康チェックAI」は、スマートフォンの利用状況などからAIが脳の健康状態をチェックするというものです。 アプリをインストールすると、スマートフォンの利用時間や毎日の歩数、位置情報などのデータからユーザーの認知能力をAIが分析し、脳の健康状態を測定します。 分析される認知能力は、情報処理能力、操作効率、遂行力、活動量、社会性、行動範囲の6つ。それぞれの認知能力はグラフ化されるため、一目でチェック可能です。 また、脳トレや専門的な認知症検査の受検案内など、認知症の早期対策に向けた情報も提供されます。 「脳の健康トレーニングAIとは」 一方、「脳の健康トレーニングAI」は、頬や舌などの口回りの運動と計算問題などの脳のトレーニングを同時におこなうというものです。 口元の動作と計算問題を連動させることで、脳に負荷をかけてトレーニングをする狙いがあると考えられます。また、高齢者にとっては、口元を動かすことで食べ物が誤って気管に入ってしまう誤嚥の予防にもなります。 「脳の健康チェックAI」と「脳の健康トレーニングAI」を搭載した試作アプリは、2023年2月2日からインターネット上で開かれる「docomo open house’23」で公開予定だとしています。 脳トレは毎日継続的におこなうことが大事です。「脳の健康トレーニングAI」なら楽しみながら続けられそうですね。

2023/01/31

AI 最新研究

認知症発見の切り札登場!? AIが普段の会話から認知症を判定

日本における65歳以上の認知症の人の数は約600万人(2020年現在)。2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)が認知症になると予測されています。高齢化社会の日本では、認知症に向けた取り組みが今後ますます重要になってきているのです。 これまで認知症の診断には専門の訓練を受けた医療関係者が携わってきましたが、認知症の診断には記憶や計算力などを測る複数の検査が必要なこと、検査の専門性が高く、医療従事者の訓練に時間がかかるなどの問題がありました。しかし、そうした問題も将来、AIが解決してくれるかもしれません。 2022年8月4日、自然言語解析AIを開発するFRONTEO(東京都港区)は、慶應義塾大学医学部と共同で、自然言語処理(NLP)を用いた「会話型 認知症診断支援AIプログラム」を開発したと発表したのです。 たった5分での会話から認知症の判定が可能に!? FRONTEOは、認知症が言語能力の低下を引き起こす点に着目。135人の被験者の会話を録音し、自動音声認識などでテキストデータ化し、それをクラウド上のAIプログラムが読み込み、認知症の可能性があるかどうかを判定する研究をおこなってきました。その結果、3〜5分程度の会話から、高い精度で認知症の判定が可能という結論が出たのです。 この結果を受けてFRONTEOは今後、「会話型 認知症診断支援AIプログラム」を医療機器として実用化することを目指しているとのこと。このプログラムを使用すれば、専門医に限らず一般医による使用や、遠隔診療などで活用することも可能になるかもしれません。 被験者の“学習”も回避。より精度の高い検査に また、従来の検査で課題だった、被験者が検査内容を覚えてしまい検査の精度が低下する「学習効果」を避けることが可能な技術としても注目されています。 認知症は発見が早ければ早いほど、高い治療効果が見込まれます。人手不足が続く医療・介護業界。医療従事者と患者、そして患者の家族の負担を軽くするプログラムとしても、「会話型 認知症診断支援AIプログラム」の活用に期待したいですね。

2022/08/22

AI 人材不足 介護のICT化

介護施設の見守りをAIで!プライバシーに配慮した「kizkia-Knight」

人員が少なくなり、介助の手が足りなくなることの多い夜間帯。排泄介助をしているタイミングに、見守りセンサーのアラームが鳴って駆けつけてみたら何も起こっていなかった、とセンサーに振り回されていることもあるかもしれません。 そこで、三菱電機インフォメーションシステムズがベッドやトイレを見守る「AI×見守りサービスkizkia-Knight(きづきあ-ないと)」の提供を開始。シルエットで見守るためプライバシーを守りつつ、AIが駆けつけの優先順位を判断するためより効率的な介助ができるようになるそうです。 AIの見守りで科学的な介護を 三菱電機インフォメーションシステムズが、「AI×見守りサービスkizkia-Knight」の販売を開始しました。 このサービスは、介護施設の居室やトイレの見守りを1つのアプリでまとめておこなえるものです。 このサービスでは、居室用・トイレ用の2種類のカメラを使用。居室用カメラの映像は、実際の様子をそのまま確認できる「リアル映像モード」と白黒の映像の「プライバシーモード」に切りかえられ、トイレ用は「シルエット映像」で見守ります。 そのため、入居者のプライバシーに配慮しながらの見守りが可能になるそうです。 また、万が一、異常があった際は、スタッフのスマホやタブレットなどに通知。AIが入居者の状況を判断して転倒や転倒につながるリスクの高い動作を感知して知らせます。 さらに、そうした見守りデータは記録として後で見直すことも可能。異常を検知した履歴や画像を分析することで、利用者の健康状態を把握したりケアプランに反映して科学的な介護の促進につながります。 本当に必要なケアを見極める 特に夜間帯は、センサーが鳴ったりナースコールで複数の入居者から呼び出されたりと対応するスタッフが足りなくなることもあるのではないでしょうか。 もしかしたら、複数の入居者の対応をしていたら、転倒リスクの高い人のもとに駆けつけるのが遅くなって転倒していた、という経験がある人もいるかもしれません。 そうしたときに、居室へ行く前にスマホで様子を確認できると本当に対応が必要な状況かどうかを判断しやすいので、効率的に見守りができそうですね。 スタッフが少なくなる夜間帯は、特に介助の優先付けが重要。ICT機器の力を借りながら、効率的にケアをしていけるようになると良いですね。

2022/05/30

AI 認知症予防

”作曲”で認知症予防する「音会」とは?AIで初心者も簡単に曲を楽しめる

現在、認知症の人は国内だけでも約500万人います。2025年には700万人を超えるという予測もあるほど、日本での認知症患者の数は増加の一途をたどっています。 そのため、認知症の治療法や認知機能を向上させる方法への注目が集まっており、治療薬はもちろん、薬を使わない治療の研究も盛んにおこなわれています。 そのひとつが音楽療法。音楽を聴いたり歌を歌うことで脳に刺激を与えて認知機能を向上させるとされています。 そのなかでも今回、東京都立産業技術大学院大学などが「作曲をすることの認知機能への影響について」の研究を開始しました。 作曲が認知機能に効果がある? 東京都立産業技術大学院大学とAmadeus Code社が、作曲の認知機能への効果についての検証プロジェクト「音会(おとかい)」をおこなうことを明らかにしました。 Amadeus Code社は、自動作曲AIを使って音楽を生成するアプリをしている企業。今回は、同社の音楽生成アプリを使って高齢者の認知機能に作曲がどのような影響を与えるのかを確かめるそうです。 具体的には、まずは講師から与えられた写真や俳句などの「お題」から連想する言葉をソフトウェアに入力。その言葉からアプリが自動作曲をするので、最もイメージに近い曲を選びます。 そして、音会の当日は少人数のグループワークをおこない、自分の作品を発表。その曲を選んだ理由を説明したり講師から曲やその曲のイメージについて講評を受けます。 こうしてグループメンバー同士での感想を共有することで、コミュニケーション能力が身に付いたり新しいものの見方を身に着けるそうです。 このプログラムを受ける前後で認知機能の検査をおこない、週1回の音会を通じてどのように認知機能が変化するのかを検証するそうです。 AIで簡単に作曲ができる時代に 介護施設などで音楽療法をおこなっていることはありますが、そのほとんどは歌ったり楽器を弾いたりするもの。作曲するプログラムはとても珍しいです。 というのも、作曲は経験がない人にとってとてもハードルが高いから。その問題を自動作曲AIアプリでクリアすることで、まったく経験のない人も気軽にプログラムに参加できるのが良いですね。 「認知症予防」というと、簡単なクイズを解いたりと人によっては簡単に感じてしまうことも。そこで今回のプログラムの形であれば、趣味のひとつとして認知症予防を楽しめるかもしれないですね。

2022/04/11

AI 介護のICT化 最新テクノロジー

介護ロボットの開発拠点が誕生!在宅と施設を再現した環境で検証できる

ロボットに介護される未来が近づいているのかもしれません。 今月14日、東北大学が介護ロボットの開発支援拠点を開設したことを発表。その拠点の一角に、企業が開発した介護ロボットの検証ができるよう介護現場を再現したスペースを作りました。 2030年までに、AI(人工知能)ロボットを介護現場に本格導入することを目標に掲げています。 在宅・施設の介護現場を再現 東北大学が開設したのは、「青葉山リビングラボ」という介護ロボットの研究開発拠点です。 ここには、250㎡のスペースに介護施設の環境を再現。寝室や玄関、浴室などを実際の施設と近づけることで、開発されたロボットが活用できるかどうかの検証ができるようになっています。 この「リビングラボ」というのは、厚生労働省が実施する「介護ロボットの開発・実証・普及のプラットフォーム構築事業」というプロジェクトの一環。介護ロボットの評価や検証を実施することで、開発普及を加速させることが目的の事業です。 この施設を活用して、介護ロボットを開発している企業と介護現場のニーズをつなげ、介護サービスの質が向上することも期待されています。 また、3月末には在宅介護の環境を再現したスペースも完成する予定。より多様な介護ロボット開発の支援につながりそうです。 東北初の介護ロボット開発拠点に 介護ロボットの開発には多くの企業が取り組んでいますが、本格的に導入しているのはごくごく一部の施設です。 それは導入コストの問題もありますが、現場のニーズに合ったロボットが少ないことも理由のひとつとしてあるのかもしれません。 そのため、青葉山リビングラボのような設備が増えると、開発企業にとっても介護施設にとっても助かりますよね。 ちなみにリビングラボは全国にあり、青葉山リビングラボで8ヵ所目。東北初のリビングラボだそうです。 2030年までにAIロボットを本格的に介護現場に導入することを目指しているそうなので、さらに多くの企業がより良い介護ロボットを作る場所となると良いですね。

2022/02/25

AI 医療現場の改革 最新研究 糖尿病治療

AIで糖尿病性腎臓病の重症化を予防⁉糖尿病患者の実証実験がスタート

実は日本は世界2位の人工透析大国。国内の約34万人が人工透析を受けており、なかでも糖尿病と合わせて発症する「糖尿病性腎臓病」による透析患者数は全体の4割にもなります。 この糖尿病性腎臓病の重症化を防ぐために、金沢大学などの共同研究グループがAI(人工知能)を使った実証実験を開始することを公表しました。 この実証実験の結果をもとに、AIシステムの普及をおこなって多くの患者の生活の質の向上を目指すとしています。 AIが病気の重症化リスクを解析 金沢大学の和田理事・副学長らの研究グループは、糖尿病性腎臓病の重症化を予防するAIシステムの実証実験の開始を公表しました。 このシステムは、2019年8月から糖尿病性腎臓病が悪化・改善するメカニズムを金沢大学と東芝グループが共同で研究していたものです。 具体的には、金沢大学が長期にわたって研究してきた糖尿病性腎臓病のデータを、東芝のAIによって解析し、詳細なメカニズムを調べていました。 その後、SOMPOグループの研究の参加によって、同社の持つヘルスケアのノウハウなども組み合わさり、糖尿病性腎臓病が重症化するリスクを算出するAIシステムの開発に成功したそうです。 今回の実証実験では、研究の対象者それぞれの健康診断結果をAIが解析。それによって、対象者の良好な項目と改善が必要な項目が記載された「生活習慣の維持/改善目標シート」を作成します。 そして、そのシートを活用して管理栄養士が患者への保健指導を実施。さらに従来の健康指導も組み合わせることで、対象者の生活習慣などの変化を検証するそうです。 今後はこの研究のデータをもとに、このAIシステムの糖尿病性腎臓病の重症化予防効果を検証。医療機関や自治体、民間事業者が連携してプログラムの普及を目指すとしています。 AIはあくまで”補助”するもの 研究グループによると、今回のAIシステムは「人をサポートする」もの。AIがすべてを判断するのではなく、専門家が指導・指示をするときの補助としての役割が期待されています。 つまり、健康を維持するためには「AIが判断してくれるから、すべて任せておけばいい」と思うのではなく、自分から生活習慣を変える努力もしなければならないということかもしれませんね。

2022/02/25

AI 介護のICT化 介護者への支援 最新テクノロジー

介護記録からAIが転倒リスクを予測!介護現場の負担軽減となるか

高齢者の転倒やベッドからの転落は、その怪我によって要介護状態になったり、寝たきり状態になったりと身体状況の悪化につながる大きな要因のひとつです。 そこで、そうしたリスクを予測するAIシステムがFRONTEO社によって開発されました。 また、これまではシステムの解析対象を看護カルテのみにしていたため、医療機関だけで利用されていました。しかし今回、介護記録も解析可能になり介護現場での活用も期待されています。 AIで転倒・転落を予測 独自のAIシステムを開発しているFRONTEO社が、転倒転落予測AIシステム「Coroban」を開発。すでに医療機関での導入がされていましたが、新機能の開発によって介護施設でも活用可能になりました。 このAIシステムは、電子カルテの記録を解析して転倒転落リスクを予測し、リスクが高い場合にアラームで知らせるシステムです。 このシステムには、同社が独自に開発した自然言語解析AI「Concept Encoder」が利用されています。 これまでのAIの多くが数字データの解析を得意としており、介護・看護記録などの「普通の言葉による文書」の解析はできませんでした。 そこで、同社は通常の文書を解析できるAIを開発。それにより、人が自由に書き記した文章を分析して、一定の傾向やリスクなどの予測を瞬時にできるようになりました。 この転倒予測AI「Coroban」を導入すると、これまで人の手でおこなわれていたアセスメントを自動でシステム上で実施できるようになるそうです。 とある導入した病院では、入院患者の多くが高齢者のため、9割が転倒リスクが高いというアセスメント結果になっていたそう。ほとんどの患者が高リスクなため、ケアの優先順位を正しくつけられず、結果として転倒する患者が減らなかったそうです。 このシステムの導入後は、本当に転倒リスクの高い患者が絞り込まれたため、転倒発生率が低下。一方でスタッフが患者に転倒抑制のための介入した割合は下がっており、業務負担が減ったそうです。 現場の効率化と安全性の両立 今回のシステムのように、専門家でないとできないと思われていた分析作業もAIの導入によって効率化できるようになってきているようですね。 また転倒や転落は、高齢者にとっては怪我をする大きな要因のひとつです。 認知症のために上手く身体が動かせなかったり、足腰の状態が悪くなっている人は転倒リスクが上昇。しかし人手不足のために、その全員のケアがしきれないのが介護・医療現場の実情です。 そこで、今回のシステムのように分析する仕組みがあると、現場で働くスタッフもリスクが高い人に集中できますよね。 「AIの分析が正確なのか」という懸念点はありますが、こうしたシステムが導入されると現場の負担が減り、介護される人もさらに安心して生活できるようになるかもしれませんね。

2022/02/22

よく読まれている記事

よく読まれている記事

article-image

介護付き有料老人ホームとは│提供されるサービス・費用・入居条件などを解説

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが24時間常駐している介護施設。介護サービスや身の回りの世話を受けられます。 この記事では、介護付き有料老人ホームの種類及び入居のための条件や必要な費用、サービス内容などを詳しく説明しています。 https://youtu.be/oK_me_rA0MY 介護付き有料老人ホームの特徴 介護付き有料老人ホームとは、有料老人ホームのうち、都道府県または市町村から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。24時間介護スタッフが常駐し、介護や生活支援などは施設の職員により提供されます。 主に民間企業が運営しているため、サービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居基準も施設により異なり、自立している方から介護が必要な方まで幅広く受け入れている施設も。選択肢が幅広いため、自分に合った施設を選ぶことができます。 看取りまで対応している施設も多数あり、「終の棲家(ついのすみか)」を選ぶうえでも選択肢のひとつとなります。 全体の概要をまとめるとこのようになります。 費用相場 入居時費用 0~数千万円 月額利用料 15~30万円 入居条件 要介護度 自立~要介護5※1 認知症 対応可 看取り 対応可 入居のしやすさ ◯ ※施設の種類によって異なります。 特定施設入居者生活介護とは 特定施設入居者生活介護は、厚生労働省の定めた基準を満たす施設で受けられる介護保険サービスです。ケアマネジャーが作成したケアプランに基づき提供される食事や入浴・排泄など介助のほか、生活支援、機能回復のためのリハビリなどもおこなわれます。指定を受けてこのサービスを提供する施設は、一般的に「特定施設」の略称で呼ばれています。 介護付き有料老人ホームの種類と入居基準 介護付き有料老人ホームには「介護専用型」「混合型」「健康型」の3種類があり、それぞれ入居条件が異なります。 介護度 ...

2021/11/10

article-image

グループホームとは|入居条件や費用、入居時に気をつけたいポイントを解説

認知症の方の介護は大変です。「そろそろ施設への入居を検討しよう」と思っても、認知症の症状があると、入居を断られてしまうのではと心配もあるでしょう。 グループホームは認知症高齢者のための介護施設です。住み慣れた地域で暮らし続けられる地域密着型サービスであり、正式な名称を「認知症対応型共同生活介護」といいます。 こちらの記事では、グループホームについて解説します。また、グループホームで受けられるサービスや費用、施設選びのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/EofVO7MRRDM この記事を読めばこれがわかる! グループホームの詳細がわかる! グループホームを選ぶ際のポイントがわかる! グループホームへ入居する際の注意点がわかる! グループホームとは グループホームとは、認知症高齢者のための介護施設です。専門知識と技術をもったスタッフの援助を受けて、要支援以上の認知症高齢者が少人数で共同生活をおくります。 「ユニット」といわれる少人数のグループで生活し、入居者はそれぞれ家事などの役割分担をします。 調理や食事の支度、掃除や洗濯など入居者の能力に合った家事をして自分らしく共同生活を過ごすところが、ほかの介護施設や老人ホームとは異なるポイントです。 グループホームの目的は、認知症高齢者が安定した生活を現実化させること。そのために、ほかの利用者やスタッフと協力して生活に必要な家事を行うことで認知症症状の進行を防ぎ、できるだけ能力を維持するのです。 グループホームは少人数「ユニット」で生活 グループホームでは「ユニット」と呼ばれるグループごとに区切って共同生活を送るのが決まり。1ユニットにつき5人から9人、原則1施設につき原則2ユニットまでと制限されています。 少人数に制限する理由は、心穏やかに安定して過ごしやすい環境を整えるため。環境変化が少なく、同じグループメンバーで協力して共同生活することは、認知症の進行を防ぐことに繋がります。 認知症の方にとって新しく出会う人、新しく覚えることが難しいので、入居者やスタッフの入れ替わりが頻繁にある施設では認知症の高齢者は心が落ち着かず、ストレスを感じ生活しづらくなってしまいます。その結果、認知症症状を悪化させるだけでなく、共同生活を送る上でトラブルを起こすきっかけとなります。 慣れ親しんだ場所を離れて新しい生活をするのは認知症の方には特に心配が尽きないもの。その心配を軽減するため、より家庭にできるだけ近づけ、安心して暮らせるようにしています。 グループホームの入居条件 グループホームに入居できるのは医師から「認知症」と診断を受けている方で、一定の条件にあてはまる方に限ります。 原則65歳以上でかつ要支援2以上の認定を受けている方 医師から認知症の診断を受けている方 心身とも集団生活を送ることに支障のない方 グループホームと同一の市町村に住民票がある方 「心身とも集団生活を送ることに支障のない」という判断基準は施設によって異なります。入居を希望している施設がある場合には、施設のスタッフに相談しましょう。 また、生活保護を受けていてもグループホームに入ることは基本的には可能です。しかし、「生活保護法の指定を受けている施設に限られる」などの条件があるので、実際の入居に関しては、行政の生活支援担当窓口やケースワーカーに相談してみましょう。 グループホームから退去を迫られることもある!? グループホームを追い出される、つまり「強制退去」となることは可能性としてゼロではありません。一般的に、施設側は入居者がグループホームでの生活を続けられるように最大限の努力をします。それでも難しい場合は、本人やその家族へ退去を勧告します。「暴言や暴力などの迷惑行為が著しい場合」「継続的に医療が必要になった場合」「自傷行為が頻発する場合」etc。共同生活が難しくなった場合には追い出されてしまうこともあるのです グループホームで受けられるサービス グループホームで受けられるサービスは主に以下です。 生活支援 認知症ケア 医療体制 看取り それぞれ詳しく見てみましょう。 生活支援 グループホームでは以下の生活面でのサービスを受けられます。 食事提供 :◎ 生活相談 :◎ 食事介助 :◎ 排泄介助 :◎ 入浴介助 :◎ 掃除・洗濯:◯ リハビリ :△ レクリエーション:◎ 認知症を発症すると何もできなくなってしまうわけではなく、日常生活を送るだけなら問題がないことも多いです。 グループホームには認知症ケア専門スタッフが常駐しています。認知症進行を遅らせる目的で、入居者が専門スタッフの支援を受けながら入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこないます。 食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで、そして洗濯をして干すといった作業や掃除も、スタッフの介助を受けながら日常生活を送ります。 グループホームでは、入居者の能力(残存能力)に合った家事を役割分担して自分たち自身でおこなうことになります。 例えば、食事の準備として買い出しから調理、配膳、後片付けまで。また、そして洗濯をして、干すまで…など。そのために必要な支援を、認知症ケアに長けた専門スタッフから受けられるのが、グループホームの大きな特徴です。 グループホームは日中の時間帯は要介護入居者3人に対して1人以上のスタッフを配置する「3:1」基準が設けられています。施設規模によっては、付き添いやリハビリなどの個別対応が難しいので、入居を検討する際は施設に確認しましょう。 認知症ケア 施設内レクリエーションやリハビリのほかに、地域の方との交流を図るための活動の一環として地域のお祭りに参加や協力をしたり、地域の人と一緒に公園掃除などの活動を行う施設も増えてきました。 グループホームとして積み上げてきた認知症ケアの経験という強みを活かし、地域に向けた情報発信などのさまざまな活動が広がっています。 地域の方と交流する「認知症サロン」などを開催して施設外に居場所を作ったり、啓発活動として認知症サポーター養成講座を開いたりするなど、地域の人々との交流に重きを置くところが増えています。 顔の見える関係づくりをすることで地域の人に認知症について理解を深めてもらったり、在宅介護の認知症高齢者への相談支援につなげたり。 こうした活動は認知症ケアの拠点であるグループホームの社会的な価値の向上や、人とのつながりを通じて入所者の暮らしを豊かにする効果が期待できます。 医療体制 グループホームの入居条件として「身体症状が安定し集団生活を送ることに支障のない方」と定義しているように、施設に認知症高齢者専門スタッフは常駐していますが、看護師が常駐していたり、医療体制が整っているところはまだまだ少ないです。 しかし近年、高齢化が進む社会の中で、グループホームの入居者の状況も変わってきています。 現在は看護師の配置が義務付けられていないので、医療ケアが必要な人は入居が厳しい可能性があります。訪問看護ステーションと密に連携したり、提携した医療機関が施設が増えたりもしているので、医療体制について気になることがあれば、施設に直接問い合わせてみましょう。 看取り 超高齢社会でグループホームの入所者も高齢化が進み、「看取りサービス」の需要が増えてきました。 すべてのグループホームで看取りサービス対応しているわけではないので、体制が整っていないグループホームの多くは、医療ケアが必要な場合、提携医療施設や介護施設へ移ってもらう方針を採っています。 介護・医療体制の充実度は施設によってさまざまです。介護保険法の改正が2009年に行われ、看取りサービスに対応できるグループホームには「看取り介護加算」として介護サービスの追加料金を受け取れるようになりました。 看取りサービスに対応しているグループホームは昨今の状況を受け増加傾向にあります。パンフレットに「看取り介護加算」の金額が表記されているかがひとつの手がかりになります。 グループホームの設備 グループホームは一見、普通の民家のようで、家庭に近い雰囲気が特徴ですが、立地にも施設基準が設けられています。 施設内設備としては、ユニットごとに食堂、キッチン、共同リビング、トイレ、洗面設備、浴室、スプリンクラーなどの消防設備など入居者に必要な設備があり、異なるユニットとの共有は認められていません。 入居者の方がリラックスして生活できるように、一居室あたりの最低面積基準も設けられています。このようにグループホーム設立にあたっては一定の基準をクリアする必要があります。 立地 病院や入居型施設の敷地外に位置している利用者の家族や地域住民と交流ができる場所にある 定員 定員は5人以上9人以下1つの事業所に2つの共同生活住居を設けることもできる(ユニットは2つまで) 居室 1居室の定員は原則1人面積は収納設備等を除いて7.43㎡(約4.5帖)以上 共有設備 居室に近接して相互交流ができるリビングや食堂などの設備を設けること台所、トイレ、洗面、浴室は9名を上限とする生活単位(ユニット)毎に区分して配置 グループホームの費用 グループホーム入居を検討する際に必要なのが初期費用と月額費用です。 ここからは、グループホームの入居に必要な費用と、「初期費用」「月額費用」それぞれの内容について詳しく解説していきます。 ...

2021/11/15

article-image

【動画でわかる】有料老人ホームとは?費用やサービス内容、特養との違いは

介護施設を探している中で「老人ホームにはいろいろな種類があるんだ。何が違うんだろう?」と疑問を感じることがあるかもしれません。 そこで今回は、名前に「老人ホーム」とつく施設の中でも、「有料老人ホーム」を中心に紹介。よく似ている「特別養護老人ホーム」との違いも見ていきます。 「老人ホームの種類が多すぎて訳がわからない」と思ったら、ぜひ参考にしてみてくださいね。 https://youtu.be/eMgjSeJPT8c 有料老人ホームの種類 有料老人ホームには、以下の3種類があります。 介護付き有料老人ホーム 住宅型有料老人ホーム 健康型有料老人ホーム この3種類の違いを以下にまとめています。 種類 介護付き有料老人ホーム ...

2021/10/28

介護の基礎知識

total support

介護の悩みを
トータルサポート

total support

介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。

鎌倉新書グループサイト