介護職に興味があっても、「介護職は大変」というイメージがあり、踏み出せない方もいるでしょう。
介護職には大変な面もありますが、それには理由があります。また、大変なことと同じくらいやりがいもあります。
この記事では、介護職が大変だと言われる理由を解説します。また、解決策とやりがいも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
介護職の主な仕事内容は「身体介護」と「生活援助」の2つです。
身体介護とは、食事、入浴、排泄、移動の手伝いなど、体に触れるお世話のこと。寝たきりの方や一人での生活が困難な方など、要介護度が高い利用者のお世話をする際に求められる業務です。
生活援助とは、生活面に関わる援助をおこなう業務です。主な内容は掃除、洗濯、食事の支度など、快適な生活を送るための事柄です。生活援助は利用者の体に触れないお世話を指します。
身体介護も生活援助も資格はいりませんが、資格を持っていない人が身体介護をおこなう際には有資格者の監督が必要です。
利用者の身の回りのお世話をするだけでなく、相手の立場になって考え、利用者がその人らしい生活を送れるようにすることが大切です。
介護職が大変と言われる理由にはいくつかありますが、特に「人手が足りない」との声が多く挙がっています。
出典:「令和3年度「介護労働実態調査」結果の概要について」(公益財団法人 介護労働安定センター)
ほかにも、身体的・体力的な負担や、精神面での理由もあります。介護職が大変といわれる理由を6つの視点でそれぞれ見てみましょう。
介護が大変と言われる理由で多いのが人手不足という点です。
高齢化によって要支援・要介護の方が増えているため、介護業界は人手不足の傾向にあります。そのため、ごく一部の介護施設では職員一人当たりの業務量が多くなることもあります。
職員の業務量が多い環境だと常に忙しさを感じ、大変だと思う人もいるでしょう。また、休憩時間や休みが十分でなかったり、シフトの負担が大きいなどの問題が起きます。
介護職が大変と言われる理由のひとつに、体力的な負担が挙げられます。
介護職は利用者の体を支えることが多く、立ちっぱなしの時間も長いので、体力的な負担が大きいです。腰痛になってしまったり、介助量の多さに疲れてしまったりして、介護職を続けるのがつらくなる方もいます。
また、介護施設では24時間体制で利用者の生活を見守るため、夜勤など不規則な働き方を求められることもあります。夜勤は拘束時間が長いことが多く、少人数の職員で利用者の対応をするため、体力的な負担がかかります。
介護職では精神的な負担もかかります。
利用者は高齢の方が多く、体調が急変することがあります。利用者の体調の変化は見逃してはいけないので、普段から体調に気を配る必要があります。
また、利用者の体調が急変したときの対応には、迅速かつ的確な判断が求められます。
いつ体調が変化するかわからないといった状況の中では、精神的な負担がかかりやすく、ストレスを感じる方もいるでしょう。
看取りに対応している介護施設で働く場合、利用者の最期に立ち会うこともあります。
看取りケアは利用者が幸せな最期を迎えるためのサポートです。やりがいを感じる方もいますが、利用者が亡くなった後の喪失感が大きく、なかなか気持ちを切り替えられない人もいるでしょう。
また、利用者が突然亡くなってしまうケースもあります。
利用者の最期に立ち会うのがつらい方は、デイサービスやショートステイでの勤務が向いているかもしれません。
介護職が大変と言われる理由に人間関係の構築も挙げられます。
介護の現場では幅広い年代が働いているため、価値観の相違などが原因で衝突しやすいという特徴があります。
介護職員に限らず、さまざまな職種の人とひとつのチームを組んで働いているため、利用者へ提供する介護の方針が異なることが原因として挙がります。
また介護職は、利用者本人はもちろん利用者の家族などとも関わります。利用者や家族と円滑なコミュニケーションが取れなければ、より良い介護サービスは提供できません。利用者が何を求めているのか、どのようなサービスが適切なのかを掴めないと介護職を大変と感じるかもしれません。
介護職が大変な理由として、自分のやりたい介護と施設の介護の方針が合わない場合があることも挙げられます。
介護職に就く人は、高齢の方とのコミュニケーションが好きだったり、人に感謝されることが嬉しいと感じる方が多いです。自分の中で「こういう介護をしたい」という理想がある方もいるでしょう。
しかし、現実では決められた施設の方針の中でサービスを提供する必要があります。例えば、自分は、利用者としっかりコミュニケーションを取って信頼関係を築くことを重視したいのに、施設が効率重視のため会話する時間がない、なんてことも。介護職へ就く際には、就業先は自分のしたい介護ができる環境なのか見るのが良いでしょう。
介護職をしていて、「大変」「つらい」と思ったとき、自分が行動を起こすと解決することもあります。
介護職が大変だと感じたときの解決策を4点紹介しますので、参考にしてください。
介護の仕事をしていて、「大変」「つらい」と感じたら、まずは働いている施設の上司や同僚、家族などに相談しましょう。
同じ施設の上司や同僚に相談すれば、仕事の理解も早く、適切なアドバイスをもらえる可能性があります。
職場の人に話しにくい内容なら家族や友人に話を聞いてもらいましょう。
自分が「大変」と感じていることを誰かに話すだけでも気持ちが楽になったり、頭の中の整理ができることもあります。自分一人で抱え込まずに、誰かに話してみることが大切です。
職場の人間関係に悩んでいる場合には、配置替えやシフト変更が可能かどうか、上司に相談してみましょう。人間関係の悩みは、自分一人では解決できない場合も多いです。
職場の人間関係に悩んでいる場合には、配置替えやシフトの組み方によって、苦手な相手との接触を減らせれば、悩みも減らせます。
また、体力的に夜勤がつらいと感じている方は夜勤の回数を減らせるか、上司に相談してみましょう。
介護職が大変と感じた際に職場へ改善を求めることも重要ですが、自分の意識を変えることも大切です。
自分の普段の仕事の姿勢を客観的に見て、反省点があれば改善に努めましょう。反省点を意識して今よりも効率的に働ければ、仕事へのストレスが軽減する場合もあります。
また、私生活の環境を整えるのも良いことです。
介護職は不規則な勤務により生活のリズムがバラバラになりがちです。生活習慣が乱れていると体力にも精神面にも影響が出ます。できるだけ睡眠時間を確保し、体をしっかりと休めましょう。食べるものにも配慮し、偏った食生活で体調を崩さないように注意することも大切です。
介護職でストレスがたまったときには、趣味に打ち込んだり、運動したりと、自分に合ったストレス解消方法を見つけることも重要です。
上司に勤務環境の改善を求めたり、自分自身で自分の仕事ぶりを改善しても、なかなか仕事の大変さが変わらない場合は、現在より良い条件の施設に転職するという方法もあります。
例えば、夜勤や不規則なシフト制に不満を感じている方は、デイサービスや訪問介護事業所が良いかもしれません。
働き方を変えれば介護職の大変さも軽減されることもあります。自分の仕事の価値観や生活スタイルに合った施設を探してみるのもよいでしょう。
介護職は大変な面もありますが、大きなやりがいとメリットもあります。主には以下の4点です。
それぞれ見てみましょう。
介護職のやりがいは人の役に立てることが挙げられます。
介護職は、利用者や家族から直接、感謝の言葉が聞く機会が多いです。感謝の言葉は、自分が役に立ったことの証でもあり、関わることができて良かったと実感できるでしょう。
利用者や家族に寄り添い、適切なサポートをおこなうことは多くの人の助けにつながります。利用者へ介護サービスを提供することにより、利用者は自分らしい生活を実感できます。介護サービスの提供を通して感謝の言葉を聞けると、「介護職になって良かった」と思えるはずです。
介護職では利用者とのコミュニケーションは欠かせません。利用者との関わりが自分の成長につながるのもやりがいのひとつです。
介護職として業務に携わると利用者が心身ともに回復していく様子を見守ることができます。利用者の日々の生活を手助けしていくうちに、利用者が前向きになり笑顔が増えるなどの変化も見られます。「利用者の回復の手伝いができた」と実感することが多いので、その分仕事のやりがいも感じるでしょう。
また、高齢の利用者と接すると多くの学びがあります。ときには人生の先輩として話を聞いてもらったり、生活援助につながる家事のアイデアを教えてもらえる場合もあります。
介護職は、資格がなくても未経験でも働くことが可能な職種です。年齢・性別・学歴を問われることも少ないため、介護職に対する意欲があれば就職や転職は十分可能です。
さらに、仕事を通じて資格を取ることも可能です。幅広く業務をおこなえるよう、資格取得のバックアップをしてくれる職場も多くあります。
介護職として経験を積んで資格を取得していれば、キャリアアップのチャンスもあります。例えば、介護職員から介護福祉士として周囲をまとめる立場になったり、介護福祉士からケアマネジャーを目指すこともできます。
介護職の経験や資格があれば、全国でそのスキルを活かせます。
介護を必要としている高齢者は全国に居ます。もし、結婚など私生活での変化があったり、引っ越しをすることがあっても、就職先に困ることなく自分に合った介護職の求人を見つけられるでしょう。
介護職は老人ホームやデイサービス、訪問介護などさまざまな勤務形態があります。そのため、需要も多く、勤務時の年齢による体力を考慮して職場を選ぶことが可能です。介護職は年齢を重ねても長く続けられ、なおかつ経験を活かせる仕事と言えます。
また、介護職で得たスキルは介護施設の利用者のみではなく、家族などの介護にも活かせます。将来的に家族などの身近な人に介護が必要になったとき、介護の経験やスキルが役に立つでしょう。
介護職が大変と言われるのは、身体的・肉体的に負担がかかること、人手不足による仕事量が多いことなどが挙げられます。自分の理想の介護像がある場合、施設の方針によっては合わないと感じることもあります。また、介護職は人の最期に立ち会うこともあります。看取りケアは利用者が幸せな最期を迎えるためのサポートです。やりがいを感じる方も居ますが、利用者が亡くなった後の喪失感が大きく、なかなか気持ちを切り替えられない人もいます。
介護職が大変でつらさを感じたときには、まずは働いている施設の上司や同僚、家族などに相談しましょう。同じ施設の上司や同僚に相談すれば、適切なアドバイスをもらえる可能性がありますし、悩みに合わせて勤務形態を変えてもらえるかもしれません。上司に勤務環境の改善を求めたり、自分自身で自分の仕事ぶりを改善しても、なかなか仕事の大変さが変わらない場合は、無理をせず、現在より良い条件の施設に転職するという方法もあります。
介護職には多くのやりがいとメリットがあります。大きなやりがいは利用者から直接感謝の言葉を聞けることです。また、利用者の回復を間近で見れるので、自分が利用者の役に立っているという実感もあります。介護職のスキルや資格は全国で求められているので、私生活が変わったり引っ越しをしても自分に合った求人を見つけられます。
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