警察庁の発表によると、認知症の症状による行方不明者の数は、年間で1万7000人にも上ります。年齢別に見ても、当然ですが70歳以上の高齢者の行方不明者数が年々、増加しており、対策の拡充が急がれています。
そんな中、ちょっとほっこりするニュースが飛び込んできました。警察犬が認知症の女性を救出したというのです。さてさて、その活躍とは一体、どのようなものだったのでしょうか。
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神戸市須磨区に住む介護職の北堀和男さん(53)が帰宅すると、同居する母幸子さん(82)がいなくなっており、幸子さんの友人にも連絡、2人で手分けして捜すことにしました。
幸子さんには中等度の認知症があり、過去にも1人で外出してしまったことが何度もあり、これまでは自宅のある団地周辺で幸子さんを見つけることができましたが、この日は1時間以上たっても見つからず、須磨署に届け出ることになりました。
捜索依頼を受けて出動したのは、シェパードの警察犬・グライフ号(8歳・オス)と灘尾早希子巡査部長(31)。
グライフくんは行方不明者の捜索や強盗事件など1400件以上の現場を踏んだベテラン犬。発見した行方不明者はそれまでに11人に上っています。灘尾巡査部長は県警初の女性の警察犬係で、初めてのペアを昨年3月からグライフくんと組んでいるとのことです。
午後10時半頃。グライフくんは、幸子さんの枕に敷いていたタオルのにおいを頼りに、自宅から捜索を始めました。地面や空気中のにおいをかぎながら歩き始めます。30分ほどたった時、くいっと顔を上げると…。視線の先には、道路を挟んで向かい側の歩道を歩く、幸子さんの姿がありました。
自宅から600メートルほどの、人通りや交通量のほとんどない場所で幸子さんが見つかりました。「迅速に見つけてくれてびっくり。感謝しています」と和男さん。
7月下旬、須磨署でグライフくんの表彰式がおこなわれました。出席した幸子さんは捜索当日のことを覚えていませんでしたが、「動かなくて偉いね。かわいいわ」とグライフくんを笑顔で見つめていたとか。
副賞の鹿肉のジャーキーに、グライフくんはしっぽを振って大喜び。その表彰式の直後、グライフくんに新たな出動要請が入ります。鹿肉のジャーキーを後にして、署からそのまま次の現場へとグライフくんは向かっていったそうです。
日本では、認知症による行方不明者が年々増加しており、身元が不明のまま各市町村において保護されている場合もあるそうです。今後も、警察犬のさらなる活躍を期待したいですね。
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