60代女性が48万円をだまし取られるー「介護保険料の払い戻しがあります」
更新日
2022/01/27
「
介護保険の払い戻しがある」と電話を受けた静岡県御殿場市の女性が、48万円をだまし取られるという事件が起きました。電話の相手は市役所職員を名乗る男。女性は男の指示通りにATMを操作したところ、後日、自分の口座から知らない他の口座へとお金が振り込まれていることに気が付いたそうです。
男に言われるまま、ATMを操作して…
2021年12月25日午前11時頃、御殿場市の60代女性の自宅に市役所の職員を名乗る男から電話がありました。
「介護保険料2万4000円の払い戻しがあります。キャッシュカードと通帳を持って、金融機関のATMコーナーに行ってください」と言われた女性は、御殿場市内のATMへ。携帯電話ごしに男から指示を受けて、言われるがままATMのボタンを押していきました。
12月30日、女性は「払い戻される」と聞いていた介護保険料が振り込まれているか確認するために、ATMで記帳をしました。ところが介護保険料は振り込まれておらず、それどころか女性の口座から48万円が他県の口座に振り込まれていたのです。
件数と被害額は減少しているが、油断は禁物
警察庁では、特殊詐欺(電話やはがきを使って公共機関を名乗り、お金をだまし取る詐欺)の認知件数と被害額を公表しています。
2020年の認知件数は1万3,550件、総被害額は2兆852億円、1件あたりの被害額は220万2,000円でした。
認知件数と総被害額ともにピーク時よりも減少してはいるものの、1件あたりの被害額は前年よりも11.9%(23.5万円)増加しています。
被害は特に都市圏に集中しており、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府・兵庫県・愛知県の7都府県の認知件数が、全体の7割以上を占めています。中でも高齢者の被害が多いため、警戒を続けてほしいとしています。
日頃から相談しやすい家族関係を
介護保険料の過払いなどにより払戻金がある場合は、必ず市区町村から文書で通知されます。書面で手続きをするため、役所職員から電話でATMの操作を指示されることはありません。
不審な電話がかかってきたらすぐにATMへ向かわず、家族や警察に相談しましょう。
また警察庁のまとめによると、高齢者を中心に依然として高い水準で被害が発生している状況が続いているそう。日常的に親とコミュニケーションを取っておくことも対策のひとつ。定期的に電話するなどして、何かあったときに相談しやすい関係を築いておきましょう。
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