「生活保護受給者でも老人ホームに入れるの?」「生活保護受給者が入れる老人ホームの費用、注意点を知りたい」といったお悩みの方も多いのではないでしょうか。
そこでここでは、生活保護受給者が入れる老人ホームをご紹介していきます。
生活保護受給者でも入居できる老人ホームは、あります。記事を参照して、ぜひ前向きに施設入居を検討してみてください。
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生活保護受給者でも入居できる老人ホームはあります。しかし、入居可能な介護施設は限られると言って良いでしょう。
候補の介護施設は主に以下の3種類です。
グループホームとケアハウスについては仕組みが異なるため、この記事では2つの施設に関して説明していきましょう。
特別養護老人ホーム(特養)とは、地方自治体の助成を受けている公的な介護保険施設のこと。所得に応じた負担軽減もあるため生活保護受給者も安心して入所でき、最近では個室タイプの特養も入所可能になりました。
特養の入所条件は65歳以上、要介護度3以上。寝たきりの方も多く、手厚い介護サービスが良心的な金額で終身で受けられます。
そのため人気が高く、ベッドに空きがない施設がほとんど。要介護度が高めの生活保護受給者が入所希望を出しても、待機時間が長く数ヵ月から何年も待つこともあります。
生活保護受給者の入居を希望する場合は、担当のケースワーカーに相談しましょう。
有料老人ホームとは民間が運営する介護施設のことです。入居の際、要介護度の条件がない施設が多いため、日常生活を自立して送れる高齢者も暮らしています。
施設の設備や雰囲気も多種多様で、費用体系もさまざまです。民間運営の介護施設ではありますが、中にはリーズナブルな金額設定をしている有料老人ホームもあるため、生活保護受給者でも入居できる可能性はあります。
とはいえ、すべての有料老人ホームが生活保護受給者の受け入れをしているわけではなく、人数を絞っているケースもあります。
生活保護受給者でも入居可能か、費用はどのくらいかなどケースワーカーや入居希望の施設にまず確認すると良いでしょう。
生活保護受給者は、最低限の生活費や医療費、介護費用など国から補助を受けており、その制度を「扶助」と呼びます。
扶助は計8種類あり、それぞれの基準で補助額が決定したあと基準額の範囲内で支給されます。
通常、介護保険の第1号・第2号被保険者は1割負担ですが、生活保護受給者は0円になることがほとんどです。
介護に関する扶助は「介護扶助」です。管轄の福祉事務所に申請し、生活保護受給者の要介護度に応じた分の介護保険サービスを利用した範囲で適用されます。
原則、現物給付(サービスの提供)され、在宅介護や有料老人ホームの費用も該当します。
年金収入がある場合でも基準を満たせば生活保護を受けられます。ただし、その場合は年金収入が差し引かれた受給額になるため、満額ではないことを理解しておく必要があります。
「扶助」とは日常生活を最低限送る上で必要な費用を補助する制度のことです。一律の金額ではなく受給者のそれぞれの地域や世帯の状況によって支給額が決まります。
生活保護で受けられる扶助は以下の8種類です。
扶助の種類 | 費用に置き換えた場合 | 支給内容 |
---|---|---|
介護扶助 | 介護サービス費(自己負担分) | 直接、介護事業所へ支払い(本人負担なし) |
医療扶助 | 医療費(自己負担分) | 直接、医療機関へ支払い(本人負担なし) |
住宅扶助 | 家賃 | 定められた範囲内で実費を支給 |
生活扶助 | 生活費(食費・被服費・光熱費など) | 食費や光熱費などを支給。母子家庭などの特定世帯には加算あり |
教育扶助 | 教育費(義務教育に必要な学用品・給食費) | 定められた基準額を支給 |
生業扶助 | 就労費(高校や専門学校などの学費・技能や資格の修得費など) | 定められた範囲内で実費を支給 |
出産扶助 | 出産費 | 定められた範囲内で実費を支給 |
葬祭扶助 | 葬祭費 | 定められた範囲内で実費を支給 |
出典:「生活保護制度」(厚生労働省)
それでは、介護に関わる代表的な扶助を見ていきましょう。
介護扶助は、生活保護受給者が自己負担なく介護サービス(現物支給)の提供が受けられる制度のこと。居宅介護(居宅介護支援計画の範囲内)や施設介護、福祉用具の貸与、バリアフリー目的の住宅改修費用、移送などが含まれます。
医療扶助は、生活保護受給者に対して医療サービスが受けられる制度のこと。病院での診察や通院、入院、移送などが現物支給されますが、福祉事務所が指定した医療機関で受診する必要があります。
また、医師から「整骨院や整体院に通う必要がある」と診断された場合のみ、医療扶助が適用されます(緩和の場合は原則的に適用されません)。
住宅扶助は、 アパートの家賃や地代が支給される制度のこと。定める額の範囲内の実費になります。
世帯員の状況や人数、住宅事情や転居などやむを得ない場合は、特別基準額が支給されることがあり、生活保護受給者が居住する建具や水道設備などの修理も住宅維持費が給付されたりすることもあります。
生活扶助は、食費や光熱費、被服費といった生活保護受給者の日常生活に必要な費用が支給される制度のこと。
介護施設入所者加算といった加算が付くこともあります。入院が1ヵ月以上経過すると、生活扶助の一部が入院患者日用品費に切り替わります。
施設によって生活保護受給者の受け入れ体制はさまざま。また、受給者の地域や世帯の状況によって生活受給額や上限額も異なるため、介護施設を探す時は注意が必要です。
注意点は主に以下の4つです。
それでは、詳しく見ていきましょう。
生活保護受給額内で入居可能な介護施設があってもスムーズに入居できるとは限りません。
生活保護受給者を受け入れていない介護施設も多くあるため、担当のケースワーカーや入居希望の介護施設に直接確認しましょう。
また、自治体に「生活保護法指定介護機関一覧」があれば入居希望の施設があるか確認しましょう。
自治体によってルールも異なるため、自分の地域外の介護施設に入居希望の場合は積極的に情報収集してください。
介護施設により生活保護受給者の受け入れを人数制限している場合があります。また、高齢者の増加や新型コロナウィルスなの状況などにより、さらに人数制限している場合があります。担当のケースワーカーや入居希望の施設に確認しましょう。
生活保護受給者が介護サービスにかける費用は、生活保護の受給額の範囲内におさめる必要があります。
特別養護老人ホームは公営ということもあり、生活保護の受給額の範囲内で入所可能な介護施設が多く見られます。一方、民間が運営する有料老人ホームは生活保護受給者が費用都合により入居できない場合も。
担当のケースワーカーに費用面で入居可能な介護施設が近隣にどれだけあるのか確認したり、ご自分の地域外の介護施設へ入居するしかない場合は手続きがスムーズに進むようお願いしましょう。
自分の地域外への転居となると生活保護の受給額の上限額が変更になる場合があります。受給額内におさまる介護施設なのか、もう一度確認しましょう。
「入居希望の介護施設が他市のため転居が必要」「親戚や子どもがいる他県の介護施設に入居したい」「自分の故郷にある介護施設に入居したい」といった事情で、生活保護受給者が介護施設に入居するためにご自分の地域外へ転居するケースがあります。
転居先で生活保護の受給を継続して受けるためには「移管」という申請が必要。ただし、自治体同士の話し合いが長引いたり、前の自治体で保護を継続するケースもあるため、担当のケースワーカーにまず相談しましょう。
入居に関する相談窓口は以下の通りです。
生活保護受給者が老人ホームに入りたい場合、所管の生活支援担当窓口や生活保護受給担当のケースワーカーにまずは相談しましょう。在宅介護サービスをすでに利用している生活保護受給者はケアマネジャーに確認すると良いでしょう。
もちろんあります。主に「特別養護老人ホーム」「有料老人ホーム」「グループホーム」などが候補に挙げられます。
ただし、「特別養護老人ホーム」などの公的施設は、一般の人でも満室のため待機を余儀なくされていることが多いので、生活保護受給者が入居希望を出しても、数カ月から数年待つことも珍しくありません。
入居に関しては、担当のケースワーカーやケアマネジャーに相談しましょう。
例え空室があったとしても即時入居できないケースもあります。施設によって生活保護受給者の受け入れ人数を設定していたり、要介護度が高い人を優先するなどさまざまです。
気になる施設がある場合、受け入れ条件について早めに施設へ確認しましょう。
生活保護受給者は、最低限の生活費や医療費、介護費用など国から補助を受けています。
通常、介護保険の第1号・第2号被保険者は1割負担のところ、生活保護受給者は0円になることがほとんどです。
原則、現物給付され、在宅介護サービスや有料老人ホームの費用も該当します。ただし、国からの補助の限度額を超えた介護サービスや護保険適用外のサービスを利用した場合は、全額自己負担になるので注意しましょう。
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