今月14日、横須賀市の横須賀美術館で、認知症の高齢者とその家族が絵画を鑑賞するプログラムが開催されました。
講師の問いかけに高齢者が思ったまま自由に発言しながら、3つの作品を丁寧に鑑賞。絵画を鑑賞することで、認知症の人のコミュニケーション能力などが高まる効果があるそうです。
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今月14日、横須賀美術館でおこなわれたのは「アートリップ」という対話型の絵画鑑賞プログラム。感じたことを自由に話しながら、認知症の高齢者やその家族が一緒に絵画を楽しむものです。
このアートリップという言葉は「アート(芸術)」と「トリップ(旅)」を組み合わせた造語。進行役のアートコンダクターの質問に答えながら鑑賞することで、アートを通して時空の旅に出てほしいという思いが込められています。
この日は3作品を鑑賞。国吉康雄の「毛皮の女」の絵に対して、アートコンダクターの「この女性は何していると思いますか」という質問をすると「誰かを待っているみたい」「悩んでいるのかな」など、参加者から次々と言葉が出てきます。
アートリップに参加すると、普段は無口な人が活発に発言するようになったり昔の記憶がよみがえったりすることがあるそう。「昔の母の顔になった」と認知症の親と一緒に参加した家族が言ったこともあるとのことです。
また、アートリップの効果は臨床的にも証明されています。軽度認知症で鬱症状のあった人が、このプログラムを受けることで積極的になったり、単語記憶力が改善したりとさまざまな効果があったそうです。
絵画と認知症の人との組み合わせは、意外に感じられますよね。
しかし、このアートリップを開催している「一般社団法人アーツアライブ」代表の林さんによると、「感情に働きかけるアートは認知症と親和性が高い」そうです。
認知症でない人は周りの様子を伺って発言してしまいがちですが、認知症の人はそういったこともなく自由に発言する人が多いんだそう。認知症になることによって、固定概念がなくなってむしろ感覚が研ぎ澄まされるのかもしれませんね。
感染対策をしながら全国の美術館でアートリップが開催されているようです。試しに体験してみると新しい発見があるかもしれませんよ。
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