ホスピスの利用にかかる費用について、あらかじめ計算しておくことは大切です。ホスピスの費用は緩和ケア病棟に入った場合と有料老人ホームなどを利用する場合でも変わってきます。また費用が高額になった場合に、費用を抑えられる制度もあります。
「家族に安らかな最期を」と願う方に是非しっておいてもらいたい、ホスピスの費用についてまとめました。
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ホスピスに入居した場合、どれくらい費用がかかるのでしょうか。
ホスピスには在宅ホスピスもあり、利用する施設によってかなり費用に幅があります。まずは緩和ケア病棟に入居した場合の費用感について説明します。
緩和ケア病棟でかかる費用は大きく分けて下記の4種類です。
それぞれの内容について細かく見ていきましょう。
ホスピスの入院費は厚生労働省により、一日47,910円の定額と定められています(一部加算を除く)。
入院料は健康保険が適用され、入院期間や所得額によって変動します。69歳以下の方は3割負担で、70歳以上の方は1割負担か3割負担になります。
標準報酬月額 | 月単位の上限額 |
---|---|
83万円以上 | 252,600円+(医療費-842,000円)×1% |
53万円~79万円 | 167,400円+(医療費-558,000円)×1% |
28万円~50万円 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
26万円以下 | 57,600円 |
低所得者(住民税非課税) | 35,400円 |
出典:「緩和ケア病棟の入院費用について」(厚生労働省)
標準報酬月額 | 月単位の上限額 |
---|---|
28万円以上 | 80,100円+(医療費-267,000円)×1% |
26万円以下 | 57,600円 |
小児慢性特定疾病児童 又は指定難病患者 | 指定難病の 医療費助成自己負担上限額 |
区分Ⅱ(住民非課税・ 年金収入80万~160万円) | 24,600円 |
区分Ⅰ(住民非課税・ 年金収入80万円以下) | 15,000円 |
出典:「緩和ケア病棟の入院費用について」(厚生労働省)
ホスピスの食事代は入院料とは別に請求されます。病院によって金額は異なり、月額定額料金のところと、一食当たりいくらという日割で計算している病院があります。
食事代も健康保険の対象になり、入院料と合算で計算されます。
ホスピスでかかる費用のうち差額ベッド代は健康保険の対象外となります。無料のベッドは数がすくなく人気があるので、すぐに埋まってしまいます。
1人部屋などの差額ベッド代は病院によってはとても高額になるケースもあるので、注意が必要です。
そのほか自費で負担する費用として、寝具のリース料金やおむつ代や病院着などがあります。おむつやパットのような介護用品は使用枚数に応じて請求されます。
車いすや寝具をリースした場合は、リース料金が1日単位でかかります。
緩和ケア病棟ではなく、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅タイプのホスピスもあります。このような施設を利用した場合、どのような費用がかかるのでしょうか。
一般的な老人ホームや高齢者向け住宅に入居するのと同様に、居室と共有施設を利用するための居住費(家賃)が発生します。居室スペースの広さや共有施設の充実度、施設の場所によって居住費はまちまちです。
また、がんや難病指定の方は特別な医療体制をとるために、居室フロアが他の入居者と分けられることもあります。その場合は費用についても他の居室と違う料金設定になります。
施設設備の維持・メンテナンス費用などが含まれます。居室の水光熱費の有無など詳細は施設によりさまざまですので入居前に確認しましょう。
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の食費は、緩和ケア病棟と同様に1食単位、または1日(3食)単位での費用発生が多く施設により料金が変動します。
ただし、医療保険を利用して胃ろうなど経管栄養で栄養補給を行う場合には食費は発生しません。
介護保険給付限度額と自己負担額については下記のとおりです。
出典:「サービスにかかる利用料」(厚生労働省)
保険サービスは介護保険と医療保険がかかります。医療費は所得状況や年齢で負担割合や負担上限額が異なるので注意しましょう。
入居者が利用したサービス費は別途請求されます。
おむつやパッドのような使い捨ての介護用品は使用した分の実費。ほかにも電気水道ガスといった光熱費やインターネット回線、買い物代行などのサービスを利用した場合の利用料など。生活に関する料金は都度費用が発生します。
高額療養費として払い戻しを受けた月数が1年間(直近12ヵ月間)で3回以上ある場合は、多数該当高額療養費にあたり、4月目からの自己負担限度額がさらに軽減されます。
標準報酬月額 | 多数該当 |
---|---|
83万円以上 | 140,100円 |
53万円~79万円 | 93,000円 |
28万円~50万円 | 44,400円 |
26万円以下 | 44,400円 |
低所得者(住民税非課税) | 24,600円 |
出典:「緩和ケア病棟の入院費用について」(厚生労働省)
標準報酬月額 | 多数該当 |
---|---|
28万円以上 | 44,400円 |
26万円以下 | 44,400円 |
小児慢性特定疾病児童 又は指定難病患者 | 指定難病の 医療費助成自己負担上限額 |
区分Ⅱ(住民非課税・ 年金収入80万~160万円) | 24,600円 |
区分Ⅰ(住民非課税・ 年金収入80万円以下) | 15,000円 |
出典:「緩和ケア病棟の入院費用について」(厚生労働省)
ただし、健康保険組合から国民健康保険に変更したり、保険者が所属する組合が変わった場合は、支給回数が通算されなくなります。
また先進医療のような特別な措置を行った場合、健康保険等が適用されないので、高額療養費制度の対象にもなりません。
ホスピスケアを緩和ケア病棟で受けるか介護施設で受けるかによって異なります。緩和ケア病棟では「入院費」「食費」「差額ベッド料」などがかかり、またこれらの料金も所得額や入院期間によって異なります。
介護施設では「居住費(家賃)」「管理費」「食費」「介護保険サービス費」などがかかり、これらもまた入居者の状態や入居施設の家賃によって異なります。
高額療養費として払い戻しを受けた月数が1年間(直近12ヵ月間)で3回以上ある場合は、多数該当高額療養費にあたり、4月目からの自己負担限度額がさらに軽減されます。
ただし、先進医療のような特別な措置をおこなった場合、健康保険などが適用されず、高額療養費制度の対象にもならないので注意が必要です。
「ホスピス」とは末期がんなどで死期が近い患者に対して、やすらかな最期を迎えてもらうための治療やケアをおこなう施設のことです。
病院の緩和ケア病棟が一般的ですが、昨今では有料老人ホームなどの介護施設でもケアを提供するところが増えてきました。
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