無料老人ホームとは│安い施設の探し方、民間施設と公的施設の費用の違い

無料老人ホームとは│安い施設の探し方、民間施設と公的施設の費用の違い

更新日 2024/04/02

施設の入居を検討しているときに「有料老人ホーム」の名前を見かけるでしょう。有料老人ホームがあるということは、「無料老人ホーム」もあるのかと考えてしまうかもしれませんが、無料老人ホームは存在しません。

しかし、低所得者が安価に入居できる老人ホームはあります。それは、国や自治体が運営している公的な施設のことです。

この記事では、比較的、安価に入居できる公的施設の種類や、公的施設と民間施設の費用の違いを紹介します。また、安い老人ホームを探すポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「無料老人ホーム」は存在しない

「無料老人ホーム」という老人ホームは存在しません。しかし、低所得者が安価に入居できる老人ホームはあります。例えば、ケアハウス介護老人保健施設などの公的施設です。

無料老人ホームは、「有料老人ホーム」という名前を聞いて「無料老人ホームがある」と勘違いして広まったのだと考えられています。

この記事では、比較的、安価で入居できる公的施設と、有料老人ホームなどの民間施設を紹介します。

公的施設なら安価に入居できる

公的施設は無料ではありませんが、有料老人ホームなどの民間施設よりも、比較的、安価で入居できます。公的施設は国や自治体からの補助を受けているため、費用も安めに設定されているのです。

主な公的施設は以下です。

どんな施設なのか、それぞれ詳しく紹介します。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームとは、在宅での生活が困難な高齢者に対し介護を提供する施設で、略して「特養」とも呼ばれています。要介護3以上の人が入居できます。

特養では、入浴や排泄・食事といった介護のほか、日常生活の介助・機能訓練・健康管理・療養上のお世話などが受けられます。

終身での利用ができるため、「終の棲家(ついのすみか)」として選ぶ人の多い施設です。

特養は費用の安さゆえに人気が高く、地域によっては入居まで数年待ちが必要な場合もあります。

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設(以下、老健)は、65歳以上かつ要介護1以上で、その中でも特に医療ケアやリハビリが必要な人のための施設です。

老健はリハビリを経て自宅に戻ることを前提としているため、入居期間は、原則3~6ヵ月とされています。ただし、「在宅生活ができる状態にまで復帰していない」「家族の受け入れ体制や生活環境が整わない」といった理由から、この原則の期間が守られないケースも多く見受けられます。

老健で提供されるサービスも、リハビリに関するものが充実しています。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士という専門家の指導を受けながら本格的なリハビリを受けることが可能です。

介護医療院

介護医療院は、高齢者に対する「医療」と「介護」のニーズに応えるための生活施設です。たんの吸引や経管栄養といった医療的ケアや介護サービスの提供はもちろん、看取り・ターミナルケアまでを担います。

それらに加えて、地域住民との交流や入居者向けのイベント・レクリエーションが充実している施設も。高齢化が進む中、地域社会との関わりを強く意識した施設という点で、注目度の高い公的施設です。

ケアハウス

ケアハウスは、老人福祉法で定められた軽費老人ホームの一種です。

軽費老人ホームとは、自立した生活が困難になった身寄りがない60歳以上の高齢者が入居できる施設のことです。軽費老人ホームにはA型、B型、C型、都市型の4種類があり、そのうちC型をケアハウスと呼びます。

2008年より、軽費老人ホームはケアハウス(C型)の基準に統一されており(※)、今後A型、B型の施設が新しく建てられることはありません。

ケアハウス(C型)には「一般型」と「介護型」があり、その両方で食事サービスの提供があります。一般型ケアハウスは施設からの介護サービスの提供がなく、介護型ケアハウスは施設に介護サービスが付帯しています。

※参考:「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準について(平成20年5月30日老発0530第2号厚生労働省老健局長通知)(抄)」(厚生労働省)

民間施設の種類

国や自治体が運営している公的施設に対して、民間企業が運営している民間施設もあります。民間施設は公的施設に比べて費用が高い傾向にあります。

民間施設はサービスの内容や料金は施設ごとに異なります。また、入居条件も施設によりさまざまです。自立している人から介護が必要な人まで幅広く受け入れている施設もあり、幅広い選択肢の中から自分に合った施設を選べます。

主な民間企業は以下です。

公的施設と民間施設の費用の違い

公的施設・民間施設、それぞれの費用の目安は以下です。

公的施設

初期費用月額利用料
特別養護老人ホーム(特養)0円約8~14万円
介護老人保健施設(老健)0円約7~14万円
介護医療院0円約7~14万円
一般型ケアハウス0~数十万円約6~17万円
介護型ケアハウス数十万~数百万円約10~20万円

民間施設

初期費用月額利用料
介護付き有料老人ホーム0~数千万円約15~35万円
住宅型有料老人ホーム0~数千万円約15~30万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)0~数十万円約11~25万円
グループホーム0~数十万円約10~15万円

公的施設の初期費用は基本0円の場合が多いです。月額費用は14万円以下が多く、安く抑えられています。

対して民間施設は、初期費用は0〜数千万円と幅があり、月額費用も10~40万円と施設によって異なります。

全体的に費用を比べてみると、公的施設の方が費用が抑えられており、安く利用できることがわかります。

年金だけで入居できる施設もある

収入が年金のみの人でも入居できる老人ホームはあります。特に公的施設は低価格で入居でき、非常に人気の施設です。

また、昨今では民間施設も低価格でサービスを提供しており、年金だけで生活していける可能性があります。

ただし受給しているのが国民年金のみ(=受給額が少ない)の場合は、老人ホームの選択肢が少なくなり、最悪のケースとして入居先がないことも考えられます。

生活保護を受給する手もある

施設の入居費用の確保がどうしても難しい場合は、生活保護を受給する手段も。生活保護の受給者も入居できる施設はあります。

しかし、生活保護受給者が入れる施設はとても少ないので、探すには注意が必要です。また、生活保護受給者が入居可能な施設でも、受け入れ人数を制限している場合もあります。生活保護受給者の定員が埋まっていれば入居できません。

「生活保護受給者を受け入れてくれる施設は少ない」「定員が制限されている」ということを考えて、希望の地域だけではなく広い地域の施設を検討しましょう。

安い老人ホームを探す際のポイント

公的施設・民間施設に限らず、値段が抑えられた老人ホームを探すポイントがあります。

安い老人ホームを探すポイントは以下です。

  • 前払金
  • 立地
  • 部屋の形態
  • 食事の内容

それぞれ詳しく見てみましょう。

前払金

前払金は入居一時金ともいいます。入居一時金は施設を利用する権利の購入金のこと。数百~数千万円の金額設定の施設もあるため、入居一時金が必要か施設に必ず確認しましょう。

入居一時金は、一般的に入居後に毎月償却されていきますが、入居者の退去や死去した時点で全額償却されていない場合は、入居者本人や家族に未償却分の費用が返されます。

入居一時金は、入居時に初期償却したうえで毎月償却がおこなわれているため、入居者の退去や死亡時に受け取れる未償却分の費用が少額になる場合もあります。

立地

月額利用料の大半を占める家賃や管理費は立地条件などで変動します。一般の物件と同じような基準で決められていると考えて良いでしょう。

施設の場所が駅から徒歩数分だったり、一等地に立地していると費用も高めになりますが、駅から離れた郊外や地価の安い地域、アクセスが難しい立地の場合は費用も安めに設定されることが多いです。

また、都市より地方の施設を選ぶことで、費用の安い老人ホームを見つけられます。

ただ、「自宅から近い場所が良い」「自然豊かなエリアに囲まれたい」「都市部や商業施設に近いほうがいい」といった入居者の希望もそれぞれ異なるため、本人の希望と費用面がマッチした施設を選ぶと良いでしょう。

部屋の形態

部屋の形態でも費用が変動します。例えば、部屋の広さ、日当たり、設備状況など。中でも個室よりも多床室の方が安価で入居できる場合があります。

多床室とは相部屋のことを指します。プライベートを確保できる個室と違い、安価であることが多いです。多床室は4人〜6人で利用する居室。プライベートスペースはカーテンなどで区切られ、最低限のプライバシーを守れるようになっています。

ただし、「同部屋の人による夜間のいびきや物音が気になる」「同部屋の人と気が合わない」などの問題が生じるおそれがあるデメリットもあります。

食事の内容

施設によって食材やメニュー、料理方法も違うため、費用の差が出ます。調理スタイルも施設によって異なり、自施設のスタッフが調理するところもあれば、外部業者に調理や配達を委託して食事を温めるだけの施設もあります。

入居者で気になるのが、誤嚥予防や持病への対応。咀嚼や飲み込みがしにくい入居者向けにきざみ食やソフト食、ムース食、ミキサー食といった介護食や、糖尿病や高血圧といった持病の方向けの治療食を提供する施設もあります。その場合は、別途費用が必要になるかどうかを確認しましょう。

また、アレルギーや好き嫌い、選択制メニューといった柔軟な対応も食費に上乗せされることもあるため、食費の内訳を確認すると良いでしょう。

安い老人ホームを探す際の注意点

安い老人ホームを探すには、無理のない施設を選ぶことが大切です。施設選びがその後の生活の質を決めるといっても過言ではありません。

施設の費用だけに注目して施設を決めてしまうと、安価な施設であるがゆえに、交通が不便、プライバシーが守られない、娯楽も少ない…といった入居後の不満やストレスにつながる場合もあります。

優先順位を決める

安い老人ホームを選ぶのに大切なのは「何を重視するのか」ということです。どう選んで良いかわからない人は、それぞれの希望条件やポイントに優先順位をつけて考えてみるのがおすすめ。そうすることで最優先にすべきポイントやゆずれないポイント、妥協できるポイントが見えてくるはずです。

老人ホームは入居したら毎月確実に費用を支払うことが必須です。そのため、現在の収入や見込まれる今後の収入、貯蓄や資産などに見合った無理のない施設選びをしましょう。

所得に応じて費用の軽減制度もあるため、生活保護受給者や低所得者でも入居可能か、地域の相談窓口などに確認しましょう。

ただ、安価な施設は待機人数が多いのがデメリット。在宅での介護が困難な人は民間施設に入居しながら、待機を待つという手もあります。

老人ホームを探す際の相談窓口

老人ホームを探す際には以下の窓口を利用するのがおすすめです。

それぞれ詳しく見てみましょう。

地域の相談窓口「地域包括支援センター」など

これから介護を始める人やその家族がまず利用することが多いのが、地域包括支援センターや自治体、社会福祉協議会などの地域の相談窓口です。生活保護や施設への入居の相談ができます。

地域の相談窓口には、主に以下のものがあります。

  • 地域包括支援センター
  • 自治体の窓口
  • 社会福祉協議会

市町村の役所には、地域包括支援センターをはじめ、高齢者向けの相談窓口が複数設置されているところが多くあります。窓口の案内が載っているので、役所のホームページで生活相談や施設への入居相談の窓口を探してみましょう。ホームページで探すのが不安な場合は、役所に電話をすれば相談内容に合った窓口へ繋いでくれます。

地域包括支援センターや高齢者向けの相談窓口では、生活保護などの手続きはもちろん、ケアマネジャーも紹介してくれます。何からすれば良いかわからない場合は、まずは地域の相談窓口を利用してみましょう。

介護施設紹介サイト

老人ホームを探す場合には、紹介サイトを利用するのも良い方法です。紹介サイトでは、さまざまな施設の情報が提供されているので、入居希望者の状態に合った施設を探せます。

また、紹介サイトの相談員に相談すると、いくつかの希望に合った施設を紹介してくれることもあります。自分一人で施設を探すよりも、入居希望者に合った施設を効率的に見つけられます。

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皆さまのお話をお伺いします。

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よくある質問

無料老人ホームとはどんな施設ですか?

「無料老人ホーム」という老人ホームは存在しません。しかし、低所得者が安価に入居できる老人ホームはあります。例えば、ケアハウスや介護老人保健施設などの公的施設です。

安価の老人ホームはありますか?

公的施設は無料ではありませんが、有料老人ホームなどの民間施設よりも、比較的、安価で入居できます。公的施設は、国や自治体からの補助を受けているため、費用も安めに設定されているのです。主な公的施設は「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」「ケアハウス(軽費老人ホームC型)」があります。

公的施設と民間施設ではどちらが安価ですか?

民間施設よりも公的施設の方が、全体的にリーズナブルに費用を抑え、安く利用ができます。公的施設の初期費用は基本0円の場合が多いです。月額費用は14万円以下が多く、安く抑えられています。対して民間施設は、初期費用は0〜数千万円と幅があり、月額費用も10~40万円と施設によって異なります。

地域から老人ホーム・介護施設を探す

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