施設への入居や、介護サービスを利用するにあたって、どうしても費用の心配というものが出てきます。「介護保険」が適用されるサービスには、介護保険を利用して負担を軽くできますが、サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)も介護保険は適用されるのでしょうか?
この記事では、「サ高住に入居していても介護保険を使えるのか」「そもそも、介護保険とは?」といった疑問について解説します。
サ高住には、「一般型」と「介護型」があります。そしてその約9割が「一般型」であるため、この記事では「一般型」のサ高住について解説します。
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介護保険は「介護」サービス費にのみ適用されます。そのため、サ高住で提供される家賃や生活面のサービスは、介護保険の適用外です。
サ高住に入居中の方で介護が必要になった場合は、外部の訪問介護事業者と契約し、介護サービスを受けます。介護事業者などで提供されているサービスは介護保険が適用されます。
介護保険を利用するには、さまざまな手続きが必要なので、まずは地域の相談窓口、サ高住の生活相談サービス、ケアマネジャーなどに相談しましょう。
私たちは、法律により、満40歳に達すると被保険者として介護保険に加入します。そして、全国の市区町村から保険料の徴収が始まります。実際に介護保険料を支払い、介護保険を受ける人が「被保険者」。65歳以上の「第1号被保険者」と、40~64歳までの「第2号被保険者」に分類されます。
介護サービスを利用できるようになるのは65歳から。ただし、介護保険を利用するには要介護の認定を受ける必要があります。市区町村(保険者)が実施する要介護認定において、要支援もしくは要介護の認定を受けることによって、介護保険が利用できるようになります。
介護保険の詳しい説明は下記ページにておこなっていますので、そちらも参考にしてください。
介護保険を利用した場合の自己負担率は、介護サービスにかかった費用の原則1割です。例えば、1割負担で1万円分のサービスを利用した場合、支払う費用は1,000円です。
しかし、前年度の所得によっては自己負担率が2~3割に変動することがあります。さらに、要介護度別に1ヵ月に給付される限度額が決まっており、その額を超えた分は全額自己負担になります。
所得や要介護度によって金額が変わるため、あらかじめ費用を把握しておきましょう。
給付限度額と負担額は、以下の通りです。
出典:「介護報酬の算定構造」(厚生労働省)
サ高住で生活しながら介護サービスを利用した場合、その費用のみが介護保険が適用されます。
サ高住で利用できる「介護サービス」を解説します。
まずは、介護保険が適用になるサービスの一覧を見てみましょう。介護保険が適用されるサービスは、大きく6つに分けられます。
訪問系サービス
通所系サービス
福祉用具のレンタル・購入サービス
宿泊系サービス
住宅改修サービス
介護保険が適用になる上記サービスについて、詳しくは下記ページにて解説しています。参考にしてください。
介護保険が適用になるサービス一覧の中で、サ高住に暮らしながら利用できるものは、どのサービスでしょうか。
例えば、下記のような介護サービスが挙げられます。
サ高住に入居中の方が訪問介護事業者など外部と契約し、受けている介護サービスには、介護保険が適用されます。
訪問介護や通所介護のサービスは、利用した分の金額のみの支払いであることがほとんどです。
また、自己負担額は、1ヵ月に給付される金額が要介護度別に決まっています。自己負担額を超えた分は全額負担になるので注意が必要です。
サ高住に入居後、介護サービスを受けたい場合は、外部の介護事業者を利用することになります。どの事業者を利用するか検討する際に注意してほしい点があります。それは悪質な「囲い込み」です。
本来、サービス付き高齢者向け住宅では、介護事業者やサービス内容、ケアマネジャーなど、自由に選択できます。入居前から利用していた介護サービスを入居後にそのまま利用することも可能です。
またサ高住では、介護施設を併設している場合もあります。その併設の施設との契約を強要される悪質な行為が「囲い込み」です。
さらに悪質になると、必要のない介護まで受けるように促され、過剰な介護費用を加算させようとする場合もあります。
ただ、「囲い込み」をおこなっている悪質な施設はごく一部です。併設している施設を利用すること自体には、施設同士が密な連携を取れるという利点もあるため、併設施設をおすすめされることもあるでしょう。その際に、入居者が意見を伝えられて、最終的に好きな施設を選べるかどうかが重要です。
「介護サービス費」以外の費用には介護保険は適用されません。例えば、以下のサービスは適用外です。
これらは、サ高住に限らず、他の施設にも当てはまります。
当然、サ高住に入居していて、介護サービスを利用していない方は介護保険は使えません。介護保険が適用になるサービスを利用していないからです。
「介護サービスを受けたい」「介護保険を利用したい」と思ったならば、まずは専門家に相談するのがおすすめです。相談窓口を紹介しますので、参考にしてください。
これから介護を始める方やその家族が、まず利用することが多いのが、地域包括支援センターや、自治体、社会福祉協議会などの地域の相談窓口です。
地域の相談窓口には、以下のものがあります。
市町村の役所には、地域包括支援センターをはじめ、高齢者向けの相談窓口が複数設置されているところも多くあります。役所のホームページには窓口の案内が載っているので、ホームページで相談内容に近い窓口を探してみましょう。ホームページで探すのが不安な方は役所に電話をし、内容を伝えれば、相談内容に合った窓口へ繋いでくれます。
地域包括支援センターや、高齢者向けの相談窓口では、「介護保険」の取得方法や手続きはもちろん、ケアマネジャーも紹介してくれます。何からすればいいかわからない場合は、まずは地域の相談窓口を利用してみましょう。
ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」と言います。利用者の心身状態に合わせたケアプランを作り、適切な介護サービスが提供されるよう支援します。
ケアマネジャーは、居宅介護支援事業所や特別養護老人ホームなどの施設、自治体の介護相談の窓口となる地域包括支援センターなどに配属されています。それらの事業所や施設、自治体との連絡や調整を日々おこない、利用者の介護サービス全体をマネジメントしています。
サ高住にすでに入居している場合には、「生活相談サービス」を利用してみましょう。「生活相談サービス」とは、サ高住での日常生活において困っていることなどを、施設のスタッフに相談ができるサービスです。
「生活相談サービス」では、健康や介護に関することも相談できます。あらゆる相談の窓口のような存在なので、具体的な地域の相談窓口やケアマネジャーを案内してもらえるでしょう。また、サ高住に常駐している介護や看護の資格を持っているスタッフからアドバイスをもらうことも可能です。
サ高住の入居費用などには介護保険は使えません。なぜなら、家賃や生活面のサービスは介護保険の適用外であるためです。介護保険は「介護」に関するサービスに適用されます。サ高住に入居中の方が外部の介護事業者と契約した介護サービスには、介護保険が使えます。
介護保険を利用した場合の自己負担率は、介護サービスにかかった費用の原則1割です。しかし、前年度の所得によっては自己負担率が2~3割になることがあります。要介護度別に1ヵ月に給付される限度額が決まっており、その額を超えた分は全額自己負担になります。所得や要介護度によって金額が変わるため、あらかじめ費用を把握しておきましょう。
「介護保険を利用したい」と思ったならば、「サ高住の生活相談サービス」「地域の窓口」「ケアマネジャー」などの相談窓口を利用しましょう。介護を視野に入れたとき、まず利用することが多いのが、地域包括支援センターや、自治体、社会福祉協議会などの地域の相談窓口です。サ高住に入居中であれば、サ高住の「生活相談サービス」を利用するのも良いでしょう。すでにケアマネジャーとやり取りをしているならば、ケアマネジャーに介護保険の相談もできます。自分の身近な相談しやすい窓口を選びましょう。
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