日々を過ごす中で体の衰えを感じ、将来を考えることもあるでしょう。また、「せっかく施設に入るなら看取りまでしてもらいたい」と考えて家族の施設探しをしている人もいるかもしれません。
サービス付き高齢者向け住宅でも、看取りに対応している施設もありますが、その数は少ないのが現状です。
この記事では、「サービス付き高齢者向け住宅では看取りに対応しているのか」を解説します。施設を選ぶ際のポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
サービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)では看取りをしてもらえます。しかし、看取りに対応していない施設もあるので注意が必要です。
厚生労働省の調査(※1)では、「『ホームで亡くなりたい』という希望があれば、受け入れる」というサ高住は全体の半数以上あります。しかし、国土交通省の調査(※2)では実際に看取りを実施したサ高住は約22%しかありません。
また、サ高住の入居者のなかで亡くなった人の約52%が病院で死亡しています。(※1)入居者本人や家族が看取りケアを希望していても、入居者の状態をみて医師が「治療が必要」と判断した場合は、医療機関へ搬送されることもあるからです。
サ高住で看取りを希望する場合には、施設の看取りの体制をしっかり確認し、病院で最期を迎える場合もあるということを覚えておきましょう。
※1 参考:「高齢者向け住まいにおける認知症ケアや看取り、医療ニーズ等の重度化対応へのあり方に関する調査研究」(厚生労働省)
※2 参考:「高齢期の居住の場とサービス付き高齢者向け住宅の現状に関する調査報告」(国土交通省)
看取りケアとは、主に最期を迎えるまでの身の回りのケアのこと。看取りケアでは、患者の痛みや苦しみ、ストレスをできるだけ和らげ、最期のときまで人間としての尊厳を保てるようにお世話をします。
看取りケアは日常生活のケアがほとんどです。日常生活のケアとは、具体的には、清拭や入浴、口腔ケアなどによる身体の清潔さの維持、食事や排泄介助などです。
また、入居者を一人にしないようにスタッフの訪室回数を増やしたりと、穏やかに最期を迎えられるようにケアを実施することが看取りケアということになります。
そもそもサ高住とは、基本的に介護を必要としない自立している高齢者のための施設。サ高住には「一般型」と「介護型」の2種類があります。
一般型サ高住は、施設からのサービスは安否確認や生活相談など生活面でのサービスの提供のみです。介護が必要になった場合は、訪問介護など外部の介護事業者と契約することで必要な分だけのサービスを受けられます。
介護型サ高住は、サ高住の中で「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設を指します。そのため、食事や入浴の介助のほか、介護・看護サービスなど介護付き有料老人ホームと同等のサービスが受けられます。
入居希望のサ高住がある場合には、看取りの実施体制が外部の介護事業者によるものか、施設のスタッフによるものか、施設に確認しましょう。
看取りをしてくれるサ高住を選ぶ際のポイントは、主に以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
看取りに対応しているサ高住を選ぶ際には、「納得できる看取り体制なのか」を確認することが大切です。
看取りケアの方針や体制は施設によってさまざまです。施設の方針と本人や家族が理想とする最期が違うと、看取りの際に辛い思いをしたり後悔するかもしれません。
サ高住で看取りを希望する場合は、入居前に必ず施設の方針や体制を確認しましょう。
看取りに対応しているサ高住を選ぶ際には、実際に看取りを実施したかどうかを確認しましょう。看取りの実施が豊富な施設なら緊急時もすぐに対応してもらえるので安心です。
看取りに対応しているサ高住を選ぶ際には、看取りの際の家族の立ち会いや面会についても確認しましょう。
特に、「看取り時に家族が施設に泊まれるのか」を質問するのがおすすめです。家族が施設に宿泊可能な準備を整えていれば、最期のときまで一緒に居られます。
看取りに対応しているサ高住を選ぶ際には、入居者本人が亡くなった後の対応も確認しましょう。
施設によっては、「エンゼルケア」や「グリーフケア」をおこなっている場合があります。
「エンゼルケア」とは、死去後、入居者本人の体を清めたり化粧をするケアのこと。「グリーフケア」は、残された家族が大切な人を亡くした後、悲しみから立ち直って日常生活を送れるように施設が支援するケアです。
サ高住では看取りをしてもらえます。しかし、看取りに対応していない施設もあるので入居検討の際には確認が必要です。
看取りケアでは、患者の痛みや苦しみ、ストレスをできるだけやわらげ、最期の時まで人間としての尊厳を保てるようにお世話をします。看取りケアは、清拭や入浴、口腔ケアなどで身体の清潔さを維持したり、食事や排泄介助など日常生活のケアがほとんどです。
看取りをしてくれるサ高住を選ぶ際は「納得できる看取り体制か」「実際に看取りを実施したかどうか」「家族の立ち会い・面会はどういった体制か」「本人が亡くなった後の対応」を確認しましょう。
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