老人ホームのイベントで季節に関係する内容のものをおこないたいと考える人もいるでしょう。なかでもお花見は春を代表するイベントなので、老人ホームのイベントに最適です。
しかし、お花見をする際には外出先の下見をする必要があったり、入居者の体調や身体状況に考慮したりと注意点が多くあります。
この記事では、外出せずに室内で楽しむ、お花見レクのアイデアや、外出先でお花見を楽しむ方法を紹介します。また、お花見をする際の注意点やメリットも解説しますので参考にしてください。
Contents
老人ホームでもお花見ができます。
お花見は代表的な季節のイベントであるため、参加したいと思う入居者も多いです。しかし、外に出て桜を見に行くお花見では、寝たきりなどで外出が難しい入居者は参加できない可能性もあります。
外出をするのに問題のない入居者であれば心配はありませんが、要介護度の高い入居者にはその入居者に合った内容のイベントにする必要があります。すべての入居者が楽しめるように工夫して計画を立てましょう。
さまざまな理由で外出が難しいと判断した場合には、室内でお花見を意識したレクリエーションをおこないましょう。外出しないでできるお花見レクの内容は主に以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
お花見にちなんだ簡単な料理を入居者と作ってみましょう。
季節の食事は、思い出を引き出したり春の味わいを楽しんだりと脳に良い刺激を与えられます。また、料理やお菓子つくりは手先を動かすので脳トレや認知症予防にもつながります。
お花見レクにおすすめの料理・お菓子は以下です。
料理・お菓子つくりをする際には、お団子を丸めて串にさすだけ、材料をお弁当箱につめるだけ、など誰でも簡単に参加できるように下準備をしておくのがおすすめです。
お花見を意識して桜にちなんだ工作をしましょう。工作は手先を使ったり、彩りを考えたりするので脳の活性化が期待できます。
桜にちなんだ工作は例えば以下です。
工作する物は廊下や食堂などの共有部に飾る壁面用や個人の部屋に飾れる小物がおすすめです。
俳句・川柳大会は高齢者に人気のレクリエーションです。お花見や桜、春などテーマを決めた俳句・川柳大会をしてみましょう。
5・7・5の音に合わせて言葉を考える俳句や川柳は脳の活性化にも最適です。また、俳句・川柳を作りながら情景を思い描くことも脳に良い刺激を与えます。
俳句・川柳を出し合ったら、最後に参加者の投票で最優秀を決めても盛り上がるでしょう。
カラオケも盛り上がるレクリエーションのひとつ。大きな声で歌うカラオケは気分もリフレッシュできるのでおすすめです。また、歌うことで喉の筋肉が鍛えられ、誤嚥防止にもつながります。
お花見、春、桜などをテーマにしたおすすめの曲は以下です。
花見や桜、春などにちなんだクイズを集めたクイズ大会をしてみましょう。個人戦や団体戦にして、得点を競ってみるとより盛り上がるかもしれません。
おすすめの花見や桜、春などにちなんだクイズは以下です。
クイズ大会で出題するクイズは、◯×や三択など、入居者に合わせて難易度を下げることもできます。
外出に心配のない入居者は外出してお花見をしましょう。
お花見で外出した際、外出先でできるおすすめのレクリエーションは以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
お花見として散歩をしましょう。「お花見をしに行く」と言っても、必ずしも遠出をする必要はありません。施設の近くで短時間であれば、入居者にも大きな負担をかけずに楽しめます。
自力で移動が必要な散歩は長時間できないため、施設の近隣に桜が咲いている場合におすすめです。
お花見に行った先で写真撮影をして、フォトコンテストを開いてみましょう。シャッターを切るだけで記録できる写真はどの高齢者も気軽に楽しめます。
カメラは本格的なものではなく、使い捨てのインスタントカメラやスマートフォンのカメラなど簡易的なもので良いです。
また、撮った写真は現像して施設に飾っても良いですし、スライドショーにして後日みんなで楽しむこともできます。
お花見に行った先で風景を見ながら写生大会をおこなうのもおすすめです。
絵の具など本格的な道具でなくても、クレヨンや色鉛筆など握りやすく描きやすいものを利用するのが良いです。絵を描く作業は集中力や手先の機能向上につながります。
桜の木の下で桜の花びらキャッチをしてみましょう。桜の花びらキャッチとは、紙コップを利用して落ちてくる桜の花びらをキャッチするゲームです。
高齢者がおこなう場合は転んでしまう可能性もあるので、座ったままおこないましょう。また、風が強い日などは難しい可能性もあるので、臨機応変にゲームの内容を変えるのが良いです。
桜の花びらキャッチで取れた花びらを後日押し花にするのもおすすめです。
施設のイベントでお花見を計画した際には、入居者の家族にも声をかけてみるのもおすすめです。入居者の家族にお花見をすることをお知らせし、具体的な予定が立ったら案内状を送るなど連絡をしてみましょう。
お花見での様子を写真撮影し、後日現像して配ると入居者、家族ともに喜ばれます。
外出してお花見をする場合、何日も前から下見などの準備が必要です。
外出でのお花見をする際の準備は主に以下です。
それぞれ注意点とともに見てみましょう。
外出してお花見をする際には入居者の体調を確認することが大切です。
入居者によっては、今回のお花見イベントが久しぶりの外出の場合もあります。また、4月はまだ肌寒い気温だったり、逆に思ったより暑くなったり、風が強かったりと気候の変化が激しい時期です。
入居者のささいな体調の変化も見逃さず細心の注意を心がけましょう。医師や看護師がいる施設の場合はしっかりと連携を取りましょう。
外出してお花見をする際は、外出先のトイレの場所、トイレの中の様子などを事前に下見して確認しましょう。
外出する前にトイレを済ませるのも大切ですが、それでも会場に着いてからトイレに行きたくなる人は必ずいます。
お花見会場のトイレの下見をした際には以下の項目を確認しましょう。
また、公衆トイレはほかの人も利用するので、男性用トイレに女性スタッフが入って介助するなどはできません。お花見に一緒に行く入居者とスタッフの男女のバランスも気をつけましょう。
車の移動が必要な場所へお花見をしに行く際には、外出先の駐車場の場所も確認しましょう。
駐車場を確認する際には主に、以下の点に注意しましょう。
また、車の乗り降り、運転にも注意しましょう。車での移動は入居者にとって負担になる場合があります。例えば、普段あまり車に乗らない入居者にとっては、車に酔いやすかったり、振動が不快だったりする可能性も。車に乗っている間もしっかりと入居者の様子を把握しましょう。
外出するお花見イベントを計画した際には天気の確認をし、中止の場合の案も考えておきましょう。
お花見の予定の日に悪天候であれば行けませんし、桜の開花の時期はそれほど長くないため、一度タイミングを逃してしまうと次の計画を立てている間に花が散ってしまうこともあります。
そのため、外出するお花見の予定日をあらかじめ何日か、多めに設定しておくのがおすすめです。
また、室内でもできるお花見にちなんだレクリエーションを考えておき、中止の際には施設内でお花見レクを楽しみましょう。ゲームやカラオケをするのも良いですし、お花見用のお弁当やお菓子を用意して少しでもお花見の気分を味わえるような工夫をするのも良いです。
お花見に持って行くのにおすすめの持ち物は例えば以下です。
老人ホームのイベントでお花見を開催するメリットは主に以下です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
春は気候も暖かくなってきて、自然とワクワクする季節。お花見は春を感じるのにとても良いイベントです。
春は入居者にとって印象深い出来事がある場合が多いです。例えば、重度の認知症の人が認知症の症状により普段は季節も答えられなくても、桜を目の前にすると「春」としっかり答えられるといった場合もあります。
季節の変わり目を感じるイベントは入居者の気分をリフレッシュさせてくれるでしょう。
お花見は肌で季節を感じられるので入居者の五感を刺激できます。
満開の桜を眺めたり、春の暖かい風を感じたり、美味しいお花見料理・お菓子を食べるなどの刺激は入居者にとって良い刺激です。普段あまり反応のない入居者も、お花見による五感の刺激で穏やかな表情や笑顔を見せる場合もあります。
お花見のイベントやレクリエーションは入居者にとって身体や頭を動かす良い機会です。
例えば、料理・お菓子つくりでは手先を動かしますし、クイズでは脳と頭を使うので、楽しみながら入居者の達成感や集中力の向上ができます。
お花見を通してみんなで楽しみながら、健康を維持しましょう。
外でお花見をするイベントは入居者が外出する良い機会になります。
入居者は施設内でのレクリエーションやリハビリの機会はあっても、外に出る機会はそれほど多くありません。しかし、お花見のイベントでは入居者を外に連れていけます。
外出するイベントは、施設内で長い時間を過ごす入居者にとって良い気分転換になります。
お花見は、入居者同士やスタッフと普段とは違ったコミュニケーションを取る良い機会になります。
入居者の中には、施設内ではあまり話をしない人や集団にはあまりなじまない人もいます。しかし、桜を見る機会があると自然と「どこの桜がきれいか」などの話で盛り上がったり、得意の歌を披露したりという場合もあります。
また、入居者の家族などに参加してもらうとコミュニケーションの輪はより大きくなり、とても楽しく、にぎやかなイベントとなります。
老人ホームでおこなうお花見には、室内でできるお花見レクと外出するお花見があります。お花見の外出先でできるおすすめのレクリエーションは「散歩」「フォトコンテスト」「写生大会」「桜の花びらキャッチ」があります。
外出しないで室内でできるお花見レクには「料理・お菓子つくり」「桜にちなんだ工作」「俳句・川柳大会」「カラオケ大会」「クイズ大会」があります。
老人ホームのイベントでお花見を開催するメリットは「季節を感じられる」「五感を刺激できる」「身体や頭を動かす機会になる」「外出をする機会になる」「コミュニケーションを取る機会になる」という5点があります。
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