「トマトの効能がスゴイらしい」「コーヒーが認知症にいいみたい」など、身近な食べ物・飲み物で健康に良いものってたくさんありますよね。
それらと同じように、よく“健康に良い”と言われる納豆に、新たに「認知症のリスクを抑えられる」という調査結果が発表されました。
以前から、循環器疾患による死亡リスクを抑えられるとも言われていた納豆のこの効能。果たしてどのようなメカニズムになっているのでしょうか。
この研究は、国立がん研究センターが主導する多目的コホート「JPHC研究」グループによるもの。その研究成果は専門誌「European Journal Of Nutrition」にも掲載されました。
研究対象となったのは、1995年と1998年に秋田、長野、沖縄、茨城、高知の5保健所管内に在住していた45~74歳の4万1447人(男性 1万8,991人、女性 2万2,456人)。2016年まで追跡調査をおこない認知症発症との関連を調べたということからも、いかに大規模な調査だったかがわかります。
調査対象者には食事のアンケートをおこない、1日あたりのイソフラボンの摂取量を計算。その摂取量の多いグループと少ないグループとを比較するなどした結果、特に、納豆の摂取が多い女性のグループで認知症発症のリスクが押さえられていることがわかったのだそうです。
納豆の原材料である大豆にはポリフェノールの一種であるイソフラボンが、また大豆を発酵させた納豆にはナットウキナーゼやポリアミンなどの酵素が多く含まれています。今回の調査結果では、これらの摂取が認知症発症リスクの低減に作用したのでは、と見られています。
これらの成分が認知症の発症リスクにつながるアミロイドβの蓄積を抑えることが動物実験でも報告されており、上記の調査結果にも蓋然性の高さが見て取れますね。
「納豆がいいなら、みそでもいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。なぜなら、みそには多くの塩分を含んでいるから。実際に調査結果からも、みその摂取量が多いグループでは認知症のリスクが高かったそうなのです。
塩分の摂取過多は高血圧や脳卒中にもつながりやすく、それが認知症リスクを高めることにもつながっているのでは、と見られています。年をとるほど、やはり塩分摂取は控えるようにした方が良さそうですね。
ちなみに今回の調査結果では、序盤でもお伝えした通り「女性のグループで認知症発症のリスクが押さえられている」とされています。男女差が発生する理由は明確ではなく、今後も研究を進めていくそうなので、男性読者の皆さんは、今後のニュースをお待ちください。
参考:「大豆製品摂取と認知症リスクとの関連」(国立がん研究センター)
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