高齢化が進む昨今、目にすることも多いのが高齢者虐待のニュースですよね。
ニュースで目を引くのは介護施設などの従業員による虐待ですが、実は家族による虐待の方が件数的にはずっと多いそうです。
昨年度、石川県で報告された高齢者虐待の件数は166件にのぼり、そのうち96%が高齢者の子どもや配偶者からのものでした。
県のまとめによると、2021年度中に石川県内の自治体に報告された高齢者への虐待は166件。2020年度と比べて18件減ったとのことです。
その166件の内訳は、家族による虐待が96%の159件、介護施設の従業員などによる虐待は7件でした。
家族による虐待159件のうち、暴力行為など身体的虐待が128件、介護や世話の放棄・放任が26件、悪口や暴言などの心理的な虐待が23件。虐待をおこなった人は息子が57人で最も多く、夫が42人、娘が27人、妻が16人、義理の娘や息子が12人などとなっています。
厚生労働省の調べによると、家庭内で虐待が起きる理由としてトップは「虐待者(虐待をひている人)の介護疲れ・介護ストレス」で、全体の25%も占めています。次いで「虐待者の障害・疾病」、「被虐待者(虐待を受けている人)の認知症の症状」です。
さらに、経済面の負担から精神的に追い込まれ虐待をしてしまう人もいるとの調査結果が出ています。
有料老人ホームや特別養護老人ホームへの入所は費用もかかり、待機者も多いためにくすぐに入居ができないのが現状です。そんな不安定な状態での介護は、介護者の精神に負担がかかり「介護うつ」に陥る人も少なくないのです。
石川県の長寿社会課は家族だけで悩みを抱えることなく、各自治体の窓口などに早めに相談すること、身の回りで虐待が疑われる状況があれば、迷わずに通報することを呼びかけています。
確かに虐待は許されることではありませんが、なぜ虐待が起きたのか、どうすれば防げたのかを考えていかなければ根本的な解決には至らないのではないでしょうか。
介護家族の人が周りに頼ることも大切ですが、私たちも近所の人に気を配ってあげられたら良いですね。
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