大分大学は、来年1月から血液検査で認知症の診断ができるような仕組みを研究していくことを発表しました。
この研究は、製薬会社のエーザイ、医療器具などを開発している島津製作所と共同でおこなわれる予定です。また、島津製作所が開発した、血液からアルツハイマー病に特異な物質を検知する機器を研究に活用していくとしています。
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認知症患者の中で最も多くを占めているアルツハイマー型認知症は、脳内に特異なタンパク質が溜まって発症すると言われています。
現在の臨床では、認知機能の検査の他に脳に溜まっている特異なタンパク質の量を測定する必要があります。これによって、アルツハイマー型認知症であるという診断が下りるのです。
しかし、問題はその検査方法にあります。
アルツハイマー型認知症に特異なタンパク質は、放射線を使って撮影したり、背骨の間に針を刺してせき髄液を採取したりすることで測定されています。しかし、放射線は被ばくの問題があったり、せき髄の採取は痛みが伴ったりします。
このように、身体に負担がかかる検査方法が現在の課題となっているのです。
今回の共同研究は、以下の条件をすべて満たした100人を対象に実施されます。
今回の研究において、まず2023年の1~10月にかけて血液検査だけで認知症の兆候をどの程度診断できるかというデータを集め解析していくそうです。次に、2023年度中に論文として報告。2027年度中には血液を使った認知症診断の仕組みを実用化していきたいとしています。
身体の負担が少なく簡単にできる検査で認知症の診断ができるようになれば、より迅速に福祉の専門家につなげられそうです。そうすれば、早期のうちに適切なケアを実施できるようになります。今後の展開に期待ですね。
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