新たな研究で、ウォーキングなど適度な運動を続けると腸内の細菌バランスが整い、大腸がんの進行を抑制する可能性が示されました。
この研究はアメリカのユタ大学がん研究所が発表したものです。
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人の腸内には、人間のすべての細胞の数60兆個よりはるかに多い、約100兆個とも推定される細菌が棲んでいます。その種類は1000種類ほど。これらの腸内細菌は健康と密接に結びついていて、腸内菌の種類が多様でバランスが取れているほど好ましいとされています。
しかし、食事が肉食中心になると、動物性タンパク質を好む悪玉菌の数が増え、腸内細菌のバランスが崩れてしまいます。腸内細菌のバランスが崩れると、下痢や便秘、大腸がんなどさまざまな腸疾患の原因になると考えられています。
今回の研究では、大腸がんの患者を対象にした研究に参加した179人の男女を対象に実施されました。
研究グループは、対象者の運動や身体活動の状況を調査し、採取した便から腸内細菌を検査しました。その結果、運動を活発にしている人ほど腸内細菌の種類が多様で、大腸がんの進行を促す細菌の種類が少ないことが判明したのです。さらに、運動している人ほど、がんから保護する細菌の量も多かったそうです。
この結果を受けて、ユタ大学人間科学部に所属するキャロライン・ヒンバート氏は「今回の研究で、運動を習慣にすると腸内細菌のバランスが整うことがわかった。運動は体格に関係なく、すべての人に恩恵をもたらす」と述べました。
またヒンバート氏によると、激しい運動ではなくても日常的に適度に身体を動かすことで効果があるそうです。
ではどれくらいの運動量が適度なのでしょうか?
アメリカの運動ガイドラインでは、1日20分くらいのウォーキングが目安だとされています。
ユタ大学の人間科学部所属のコーネリア・ウルリッヒ氏は「大腸がんを発症した人でも、適度な運動をすることで腸内の状態が改善され、長生きできる可能性があることを多くの人に知ってもらいたい」と運動の重要性を訴えました。
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