東日本大震災から10年以上が経過し、当時の状況が調査によって解明されつつあります。
最も震災の被害が大きい地域のひとつだった福島県南相馬市では、避難生活中の体調不良などで亡くなる「震災関連死」が全国最多であることが調査で判明しました。
また、このうち何かしらの介助が必要だとされる要介護認定を受けていた人が半数以上を占めていたことも明らかになったのです。
復興庁によると、東日本大震災や福島原発事故後の避難生活中の体調悪化などで亡くなった「震災関連死」が、全国で3789人だったことがわかったそうです。また、そのうち福島県の南相馬市が最も多く、震災関連で死亡した人数は520人でした。
南相馬市の震災関連で死亡した人々について、福島県立医科大学の研究チームが分析しました。その結果、520人のうち51%にあたる267人が要介護認定を受けていることが判明。特に、生活全般で介護が必要だとされる「要介護4」や「要介護5」の人が185人とおよそ35%を占めていることが明らかになったのです。
さらに今回の調査で、高齢者施設や病院で被災したのち、避難中などに亡くなった人が全体の半数以上を占めていたことも判明。たんの吸引が受けられずに亡くなる高齢者もいたそうです。
被災して亡くなった高齢者らの死因を調べてみたところ、最も多かったのが肺炎で78人でした。続いて心不全が46人、老衰が41人、急性心筋梗塞が30人、唾液や食べ物を誤って吸い込むことで起きる誤嚥(ごえん)性肺炎が25人、自殺が16人でした。
以上の結果を受けて、福島県立医科大学の研究チームに所属する坪倉正治教授は「介護や医療の継続的な提供が必要であることがわかった。今後、福島で起こったことを教訓にして、避難のあり方などを考えるべきだ」と述べています。
災害を完全に防ぐことが不可能な以上、万が一災害が起きたことを想定して前々から準備しておく必要があります。身近に高齢者がいる人は、迅速に避難できるように避難場所などを確認しておくと良さそうですね。
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