KDDI株式会社、国立研究開発法人情報通信研究機構(以下、NICT)、NECソリューションイノベータ株式会社は、内閣府主催の「総合科学技術・イノベーション会議」に3社共同の事業が採択。開発している高齢者向け対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」を活用した介護モニタリングの実証実験をおこないました。
その結果、ぬいぐるみ型の専用端末やスマートフォンアプリを活用することで、ケアマネジャーが高齢者の生活状況などを確認する「介護モニタリング」における面談と記録に要する時間を7割削減できたことが明らかになったのです。
そもそも、KDDIらが開発している、高齢者向け対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」とは何でしょうか?
「MICSUS」は、専用のぬいぐるみ型の端末やスマートフォンアプリに搭載された、会話したり音声や表情を読み取ったりできるAI。「MICSUS」には、介護の専門家の知見を取り入れたAIシステムが組み込まれていて、高齢者と「MICSUS」との対話を通じて高齢者の健康状態や生活状況の変化などの情報を収集します。
もともと、これらの情報はケアマネジャーが高齢者にヒアリングをおこなうことで入手し、ケアプランの見直しなどに活用していました。しかし「MICSUS」を使えば、ケアマネジャーがヒアリングしなくてもケアプランの見直しに必要な情報が入手できるのです。
今回の実証実験は、2022年6月28日~2023年1月28日の期間に実施。自宅やサービス付き高齢者住宅などの施設で暮らす高齢者179人を対象におこなわれました。
実証実験中は、「MICSUS」が組み込まれたぬいぐるみ型の専用端末やスマートフォンと高齢者が計927回面談。ケアマネジャーが記録用のツールアプリから高齢者の情報を読み取ることで、面談1回当たりの面談と記録に要する業務時間を平均7.0分から2.2分へと約7割短縮することに成功したことを明かしました。
また、「MICSUS」が質問して高齢者が回答するという対話を通して、高齢者の健康状態や生活習慣を約93%の精度で収集できたことも確認されました。
これからますます高齢化社会が進展することが見込まれ、より少ない人数で高齢者を支えることが予想されている中、ケアマネジャーや介護士などの業務改善は急務となっています。
この「MICSUS」が普及していけば、ケアマネジャーもより効率的に業務に取り込めそうですね。
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