岐阜県土岐市内の介護老人福祉施設の元施設長が、入所している高齢者に暴行を加えた容疑で逮捕されました。
警察は、事件の経緯や動機について詳しく調べていくとしています。
警察の調べによると、逮捕された元施設長は2022年11月8日~11月25日の間、施設に入所している88歳の女性と90歳の女性2人の計3人に対して、下半身をひざで蹴ったり顔や頭を殴ったりしたと見られています。
元施設長は犯行を犯した月の末日、ほかの介護職員とともに「入所者の身体にあざがあり、高齢者虐待の可能性があると市の指導を受けた」と自ら警察に相談しました。警察は捜査に乗り出し、施設内に設置された防犯カメラの映像の確認や職員への聞き取り調査を実施。そこから、元施設長の犯行が発覚しました。
調べに対し、元施設長は容疑を認めていて、警察はさらに詳しく事件の経緯などを追及していくとしています。
また施設によると、暴行を受けた3人は今のところ異変は見られていないそうです。
どうすれば、職員による高齢者虐待を防げるのでしょうか?
そのヒントは、厚生労働省による調査の中にありました。
厚生労働省は、介護施設における高齢者虐待の実態を把握するための調査を実施。アンケートの中で、実際に高齢者虐待が起きた施設に対してその原因を尋ねました。
すると、「教育・知識・介護技術等に関する問題」が原因で虐待が起きたと回答した施設が過半数を占めていたことが明らかになったのです。それから、「職員のストレスや感情コントロールの問題」「虐待を助長する組織風土や職員間の関係の悪さ」という回答も一定数見られました。
以上のアンケート結果から、高齢者の病気や心身の状態に関して知識がなかったために、高齢者の言動などに腹を立てて暴行に至ったケースが多いのではないかと推察されます。
これを防ぐためには、まずは虐待に関する研修をしっかりおこなう必要があると考えられるでしょう。
また、人手が足りなくて職員が余裕のない介護をおこなった可能性もあります。職員による高齢者虐待を防ぐためにも、研修の充実化やゆとりのある人員配置などの対策をしていってほしいですね。
出典:「「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に 基づく対応状況等に関する調査結果 」(厚生労働省)
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