新たな研究で、糖質や脂肪が多く含まれる高カロリーな加工食品を食べ過ぎると、摂取するカロリーの量を調節する脳の働きが低下する可能性が示されました。
この研究は、ペンシルバニア州立大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「The Journal of Physiology」という学術誌に掲載されています。
今回の研究では、ラット205匹を使用。ラットに脂肪分が多い高カロリー食を与えた後、記憶や学習を司るニューロンと、それに栄養を運ぶ脳細胞の一種である「星状細胞」の動きを評価しました。
研究グループは、脳と脊髄をつなぐ脳幹にある細胞の動きを阻害したことで、ラットが覚醒しているときのニューロンの働きを評価できるようになったとしています。
研究の結果、脂肪分が多い高カロリー食を継続的に摂取したラットは、摂取するカロリーの量を調節する機能が低下したことが明らかになりました。
3~5日間、高カロリー食を食べたラットは、ニューロンに栄養を運ぶ「星状細胞」の働きが悪くなることがわかりました。「星状細胞」の働きが悪くなることで、満腹であることを指し示すシグナルの伝達経路に異常が出てきたのです。
さらに、高カロリー食を10~14日間にわたって食べ続けたラットは、ニューロンの働きをサポートしている「アストロサイト」と呼ばれる細胞が反応しなくなることが判明。これにより、カロリー摂取量を調節する脳の機能が低下したのです。
この結果を踏まえ、ペンシルバニア州立大学に所属するカースティーン・ブラウニング教授は「脳と肥満につながるメカニズムを解明することで、食べ過ぎを効果的に治療する治療法の開発に役立てたい」と述べました。
今回のラットを使った研究で明らかになったメカニズムが、人間にも言えるかどうかはまだ明らかになっていません。今後の研究に注目ですね。
参考:「Brainstem astrocytes control homeostatic regulation of caloric intake」
参考:「Why a high fat diet could reduce the brain’s ability to regulate food intake」
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