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2024年3月10日、仙北市のあきた芸術村で「劇団ひこばえ」のシニアミュージカル「顔晴(がんば)れ!秋田の米農家!令和の中学生体験記」が上演されました。 「劇団ひこばえ」とは、東北を代表する劇団「わらび座」が高齢者に声掛けをし、結成された劇団のこと。わらび座は高齢者が出演するミュージカルである「シニアミュージカル」の普及を後押ししています。 高齢者約15人と結成した劇団がミュージカル公演 今回、シニアミュージカルを上演した劇団ひこばえは、約15人の高齢者で結成されました。劇団に所属する高齢者が台本を作成し、上演に向けて半年間も練習を重ねてきたそうです。 劇団ひこばえは、東北を代表する劇団のわらび座が、地元のシニア層を中心にミュージカルの楽しさを知ってもらおうと高齢者にシニアミュージカルの参加を呼びかけ結成されました。わらび座は高齢者で結成されたほかの劇団もサポートしており、シニアミュージカルを広める活動をおこなっています。 ミュージカルはフレイル予防に良い 高齢者にミュージカルを広めるわらび座の取り組みに、認知症に詳しい秋田大学院医学系研究科の講師も協力。講師はシニア劇団員に定期的に体力測定などをし、ミュージカルの効果を研究しました。 その結果、一般的な運動教室へ通う場合よりも、シニア劇団員としてミュージカルに出演した場合の方が記憶力の面で大きな上昇がみられたそうです。また注意力や情報処理の速度の面でも数値が向上。ミュージカルを演じるうえでおこなう、全身運動や台詞を覚えたり大きな声を発したりする身体の動きが良い影響を与えていると考えられます。 また、劇団に所属してシニアミュージカルに出演することで、皆で同じ演目を上演するための共通の目標を持ち、人のつながりもできます。 東京都医師会は健康長寿に大切な3つの柱を「栄養」「運動」「社会参加」としています。シニアミュージカルに参加することで健康長寿に大切な3つの柱のうち「運動」と「社会参加」の2つを自然とおこなえるので、フレイル予防の効果が期待できますね。 観るのも出演するのも楽しいミュージカル。高齢者が楽しく意欲的に参加できる取り組みが今後も増えると良いですね。 参考:「フレイル予防」(東京都医師会)
2024/03/27
長崎県南島原市は2024年度から、高齢者に対して、コンピューターゲームの腕を競う「eスポーツ」を通じて介護予防や認知症予防につなげる取り組みを始めました。 この取り組みでは、市の組織である市防災課DX推進班が中心となって、高齢者にeスポーツに興味を持ってもらおうと動いています。 市がeスポーツ大会やセミナーを開催 長崎県南島原市は、2023年6月下旬に高齢者向けの「eスポーツ体験会」を開催。eスポーツ大会では同市の公民館に60~90代の高齢者男女17人が集まり、音楽のリズムに合わせて太鼓を叩く音楽ゲームを体験しました。 また、2023年10月には「eスポーツと健康・今後の展望」と題したセミナーを開催し、中高年層が多く参加しました。 セミナーで講師を務めた脳神経外科医は「3Dの広い世界を自由に動き回れるようなゲームや、身体を動かすことが要求されるゲームなどは認知症の予防・改善効果が報告されている。友人や家族などとの会話やコンタクトが容易であることも大きな利点のひとつ」と話しています。 ゲームは高齢者へ良い効果が期待できる 昨今では高齢者に対してeスポーツを広める動きが多くあります。なぜなら、eスポーツは高齢者のフレイル予防や認知症予防に効果的と考えられているからです。 実際に海外では「高齢者にゲームをプレイしてもらった後の認知機能テストのスコアがプレイ前よりも向上していた」という研究報告もあり、シニア向けのeスポーツ大会が多く開催されています。 高齢者に良いとされているゲームは例えば以下です。 実際の動きに合わせてボールを投げたりする、ボウリング、バレーボールなどのスポーツゲーム 音楽に合わせて太鼓を叩くゲーム ゲームの内容に合わせてストレッチや筋トレをするゲーム 脳トレ・パズルゲーム 釣りや農場経営などの疑似体験ゲーム 「テレビゲーム」と聞くと馴染みのない人にはハードルが高く感じるかもしれませんが、スポーツや音楽など以前から触れていたものが元になっているゲームも多くあります。 ゲームはフレイル予防や認知症予防の効果が期待できますが、本人が楽しんで取り組むことが大切です。興味のあるジャンルから気軽に始めてみるのが良いですね。
2024/02/29
ロッテは東京大学高齢社会総合研究機構と共に、ガムと身体機能の関係性についての研究を実施。すると、「ガムを噛む習慣のある高齢者は、口腔機能・身体機能・認知機能が高い」ことが明らかになったのです。 この研究結果は国際科学誌に掲載されています。 ガムを噛む習慣がある高齢者は口腔機能が高い 今回の研究では、自立している65歳以上の高齢者1474人のうち、「1週間に30分以上ガムを噛む習慣があるグループ」「ガムを噛む習慣がないグループ」とに分け、さまざまな健康状態を比較しました。 研究結果では、ガムを噛む習慣があるグループは、ガムを噛む習慣がないグループに比べて、「握力」「開眼片足立ち」「認知機能」のすべてにおいて機能が高いことがわかりました。 さらに、ガムを噛む習慣があるグループは、口腔機能の衰えであるオーラルフレイルの有症率が約42%(約0.58倍)低いことがわかったのです。 ガムを噛むだけでなく、口腔体操も効果あり そもそも、オーラルフレイルとは、噛む、飲み込む、話す、などの口腔機能が衰えること。噛む力や舌の動きが悪くなると食生活に支障を及ぼしたり、滑舌が悪くなることで周囲の人や社会との関わりを控えてしまい、孤立してしまう可能性もあります。 ガムを噛むと自然とオーラルフレイル予防ができますが、入れ歯など口内環境によってはガムを噛めない人や、ガム自体が苦手な人もいるでしょう。 ガムを噛めない人は口の体操をするのがおすすめです。日本歯科医師会が推奨する口の体操は5つの項目に分かれており、それぞれ以下の目的があります。 口や舌の動きをスムーズにする 飲み込む力を鍛える 噛む力を鍛える 滑舌を良くする 舌の力を鍛える 口の機能の低下が身体的な衰えに限らず、精神的・社会的な面にも影響が出るのは困りますね。口の体操は体を動かさずに思いついたときにできるので、少しずつ日常生活に取り入れましょう。 参考:「オーラルフレイル対策のための口腔体操」(日本歯科医師会)
2024/02/06
新たな研究で、犬を飼育している人は飼育していない人に比べて、認知症の発症リスクが下がる可能性が示されました。 この研究は、高齢者の健康増進を目指す独立行政法人東京都健康長寿医療センターによっておこなわれ、その研究結果は「Preventive Medicine Reports」という科学誌に掲載されています。 1万人以上の医療データを解析 東京都健康長寿医療センターの研究グループはこれまで、犬を飼育している高齢者では、心身機能が大きく衰えてしまう「フレイル」の発生リスクが大幅に下がることや、犬を飼育している高齢者のうち運動習慣がある人は、より健康的に生きられることを報告してきました。 そこで今回は、フレイルや運動習慣と強い関連性がある認知症に着目。ペットの飼育が認知症の発症率にどう影響があるのかについて調べました。 今回、研究グループは、2016年におこなわれた調査に回答した1万1194人(平均年齢74歳)のデータを使用しました。対象者の犬の飼育率は8.6%、猫の飼育率は6.3%で、2020年までの介護保険情報を調べたところ、要介護状態に移行した認知症の新規発症率は5%でした。 犬を飼育している高齢者は認知症リスクが下がる傾向に 研究グループが入手したデータをもとに統計的な解析をおこなった結果、犬を飼っている高齢者はそうでない人に比べて、認知症を発症するリスクが40%低いことが明らかになりました。 また、犬を飼育している高齢者のうち、運動を習慣的におこなっている人や社会的な孤立状態にない人では、より認知症の発症リスクが低下することが判明。一方、猫を飼っている人と飼っていない人の間では、特に認知症リスクに差はみられませんでした。 研究グループは、「日常的に犬を世話することによる飼育者の身体活動や社会参加の維持が、飼育者自身の認知症の発症リスクを低下させているのではないか」と分析しています。 ペットによる健康効果は多くの研究から明らかになってきていて、動物によるセラピーを実践している高齢者施設も増えてきています。余裕がある方は、ペットとともに健やかな毎日を過ごす選択をしても良いかもしれませんね。
2023/10/31
2023年10月24日、主婦の友社は50・60代以降の世代に向けて、無印良品のアイテムで暮らしを整えることを目指した書籍「『大人暮らし』の無印良品」を発売。本書では、無印良品のアイテムで快適な暮らしを実現した8人が取り上げられています。 無印良品の収納アイテムですっきり空間に 主婦の友社は10月24日、「『大人暮らし』の無印良品」と題した書籍を発売。無印良品の商品を上手に活用してすっきりとアイテムを収納している8人を取材し、その内容をまとめたといいます。 例えばとあるギャラリーオーナーは、家じゅうの引き出し内の整理に無印良品の収納アイテムを使い、心地よい居住空間をつくっているのだそう。本書ではほかにも、無印良品の収納アイテムを駆使して使いやすいキッチンを実現しているアイデアなどが掲載されているといいます。 シニア世代にちょうどいい量の食品なども紹介 「『大人暮らし』の無印良品」では、毎年充実度が増している無印良品の食品も紹介。若い頃よりも食べられなくなったシニア世代でも無理なく食べられる量が人気の理由だといいます。 また、50~60代以上の人に最適な無印良品のファッション着こなし術や無印良品の防災グッズを紹介するコーナーなども誌面に設けてあります。 認知症初期の人が自立生活を続けていくために 認知症初期の人や認知症の前段階である軽度認知障害の人が長く健やかに暮らしていくためには、自立生活の維持が不可欠です。なるべく介護を受けることなく暮らせるように生活を工夫することで、心身機能の維持が期待できます。 そのために大切なのが、身の回りを整理整頓し、料理などの作業に集中できる環境を整えること。今回紹介した書籍のテクニックをうまく活用することで、より高齢者の生活が暮らしやすいものになりそうですね。
2023/10/27
有料老人ホームを全国7ヵ所で展開している一般社団法人日本老人福祉財団は、AIを活用した介護予防・将来予測システム「SOIN-R(そわん-エール)」を試験的に自社の施設で導入したことを明らかにしました。 AIで入居者の今後の自立度(どれだけ介助の手を使わず、自分自身で日常生活を営めるかを測った指標)を予測し、早めに対応することで、入居者が要介護状態になるのを防ぐねらいがあるといいます。 介護予防システム「SOIN-R」について 日本老人福祉財団と、介護システムの開発などを手がける株式会社シーディーアイは、共同で介護予防・将来予測システム「SOIN-R」を開発しました。 財団が運営する有料老人ホーム「ゆうゆうの里」で、入居者に対して毎年おこなっている「日常生活に関する調査(全48設問)」のデータをAIに学習させ、入居者の今後の自立度を予測可能にしたそうです。 具体的には、以下の7カテゴリの状態を総合的に分析して、今後の自立度の推移を予測。早期にリハビリなどの介入をおこなうことで、要介護状態になるのを防ぐねらいがあるといいます。 掃除や衣服の着脱などの生活機能の状態 安定して歩行できるかなどの運動機能の状態 かむ力や飲み込む力などの口腔機能の状態 時間や場所を適切に把握するなどの認知機能の状態 栄養を十分に取れているかどうか 自分の殻に閉じこもらず、他者と関わる意思があるかどうか うつ傾向にあるかどうか 検証段階で上々の評価を得る 日本老人福祉財団によると、すでに2022年4月から一部施設でSOIN-Rを試験的に導入し、検証をおこなってきたとのこと。AIが導き出した予測結果を入居者に共有したところ、入居者からも「AIの客観的なアドバイスに納得した。外出も再開してみようと思う」といったポジティブな反応が多くみられたといいます。 SOIN-Rのシステム検証をおこなった担当者は「AIの活用は、入居者にとってのメリットや業務の効率化など、多方面に良い結果をもたらすだろう」と話しています。 今後、より多くの施設でこのようなシステムが導入されれば、より早く、適切なケアにつなげられるようになりそうですね。
2023/10/17
2023年5月18日、東京都青梅市で美容教室が開かれました。化粧をしたり顔をマッサージしたりすることで気持ちを前向きにして、要介護状態の前段階である「フレイル」の予防につなげたいとしています。 化粧がフレイル予防に そもそも、フレイルとは加齢によって心身機能が衰えた状態のこと。この状態になると、外出をするのがおっくうになったり、ちょっとしたことですぐに疲れてしまったりといった症状が現れます。 また、フレイルの状態が長く続けばやがて介護が必要な状態になってしまうため、なるべく早期のうちに適切な介入が必要だと言われています。 心身機能の低下を抑える試みのひとつとして、今注目されているのが「化粧療法」。化粧をすることで気持ちが明るくなり、外出する意欲が高まるのだそうです。 実際に、アメリカの精神科医であるマイケル・ペルチュク氏がおこなったうつ病患者を対象にした研究によると、対象者に数週間に渡ってメイクアップの指導をしたことで、抑うつ感や不安感といった症状が改善されたと言います。 美容で認知機能の低下を抑制 5月18日に東京都青梅市で開かれた美容教室では、20人の参加者が資生堂の専門指導員に教わりながら、化粧液をつけた顔のマッサージやファンデーションなどを用いたメイクアップを実践しました。 参加者からは「気持ちが落ち込んでいたが、化粧をしたことで明るい気持ちになった」などの声があったそうです。 資生堂の担当者は、化粧や身だしなみを整える効果について「化粧をすることで外出するきっかけになる。また、化粧品のポンプを押したり眉を左右対称に描いたりといった行為が脳の活性化にもつながる」と話しています。 また、化粧をする習慣がない人でも顔をマッサージしたり髪を整えたりすることで同じような効果が得られると言います。 化粧療法には、気持ちが明るくなったり生きる意欲が出たりといった効果があるため、高齢者施設のレクリエーションでもよく取り入れられています。 高齢になった親がいる人は、特別な日に化粧品をプレゼントしてみても良いかもしれませんね。 参考:「化粧による臨床心理学的効果に関する研究の動向」(目白大学心理学研究)
2023/06/13
新たな研究で、食事のタンパク質の比率を25~35%にすると、最も健康維持に有効である可能性が示されました。 この研究は、早稲田大学、東京大学、東京都健康長寿医療センター研究所、ニチレイフーズで構成される研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「GeroScience」という学術誌に掲載されています。 マウスを使った実験でタンパク質の適量を探る 今回、研究グループは、健康の維持に最適な栄養バランスを探るために、マウスを使った実験をおこないました。 ヒトでは20歳前後に当たる若い年齢のマウスと40代後半に当たる中齢マウスに、それぞれタンパク質がカロリー換算で5%、15%、25%、35%、45%あるエサを2ヵ月間投与。与えるエサの脂質の割合は固定し、エサのカロリーをそろえるために炭水化物の割合を変えました。 健康維持に有効なタンパク質比率は25~35% 研究グループは、日本人の平均的な比率に近いタンパク質比率15%のエサを食べたマウスと、ほかの比率のエサを食べたマウスの状況(体重、肝臓中の中性脂肪・コレステロール量、血糖値など)を比較しました。 その結果、タンパク質比率15%のエサを食べたマウスに比べて、25%や35%のエサを食べたマウスの方が血糖値や血液中の総コレステロール濃度が低いことが判明。また、タンパク質比率35%のエサを食べたマウスは肝臓の中性脂肪量も減少したことがわかりました。 一方、5%しかタンパク質が含まれていないエサを食べたマウスは、肝臓の中性脂肪量や総コレステロール量が増加。肝臓の一部を調べると、軽度の脂肪肝になったことが明らかになりました。 今回の結果を受けて、研究グループは「マウスの実験結果をそのままヒトに当てはめるのは早計だと思うが、日本人の平均摂取量である13.8%よりは多くタンパク質を摂ったほうが健康的に年を重ねられる可能性がある」と指摘しました。 タンパク質は健康な身体をつくるのに欠かせない栄養素ですが、過剰に摂取すると腎臓に大きな負担がかかると言われています。なるべくプロテインなどのサプリメントには頼らず、鶏肉など普段の食事から摂取するようにすると良いかもしれませんね。
2023/05/31
新たな研究で、タクシーなど乗車だけで移動が完結する「受動的」な移動手段を多く用いている高齢者は、徒歩や自転車などの「能動的」な移動手段を多く用いている人に比べて、「手段的日常生活動作(IADL)」が低下しやすい可能性が示されました。 手段的日常生活動作とは、掃除・料理といった家事や金銭管理、交通機関の利用などの生活を営むのに必要な複雑な動作をおこなう能力のこと。この能力が衰えてくると、自立した生活を続けるのが難しくなっていきます。 今回の研究は、医療経済研究機構(IHEP)が、愛知県豊明市やNTTデータ経営研究所と共同で実施したもの。その研究結果は「BMC Public Health」という学術誌に掲載されています。 高齢者の移動手段を「能動」と「受動」で分類 研究グループは、豊明市在住の要介護認定を受けていない高齢者を対象にした「住民健康実態調査」の2016年と2019年の調査結果を分析しました。 ちなみに、「住民健康実態調査」の対象者の詳細は以下のとおりです。 場所:愛知県豊明市在住 年齢:65歳以上の高齢者 人数:8145人 また、研究グループは対象者を移動手段ごとに分類。徒歩や乗用車(自分で運転)、電車・バス、自転車など自分で操作したり道を選択したりする「能動的移動手段」と、タクシーや乗用車(他者が運転)のような乗車だけで移動が完了する「受動的移動手段」に分けて、手段的日常生活動作の3年間の推移を調べました。 受動的な移動手段を使っている人は 研究グループが分析した結果、受動的移動手段を多く用いている高齢者は、能動的移動手段を多く用いている高齢者に比べて、家事や交通機関の利用など生活に欠かせない複雑な動作をおこなう能力「手段的日常生活動作」の低下リスクが1.93倍高まることが明らかになりました。 研究グループは「高齢者が受動的移動手段を選択することは、手段的日常生活動作の低下リスクと関連がある可能性が示された。自治体などの移動支援では、高齢者がバスや電車などの能動的な交通手段を利用できるような機会と環境を整えることが、高齢者の社会的自立を促すのに効果的なのではないか」と述べています。 能動的な移動手段には、もちろん徒歩も入ります。社会的に自立した生活を続けていくために、散歩する機会を定期的に設けてみても良いかもしれませんね。
2023/05/10
さまざまなサプリメントの開発などを手がける日本予防医薬株式会社は、食が細くなりがちな高齢者向けに、タンパク質とカロリーをバランス良く摂取できるスープ「満足感が違う、イミダ栄養スープ」を開発。2023年4月8日に販売を開始しました。 手軽に栄養を補給できるスープを飲んでもらうことで、高齢者の要介護化を防ぎたいとしています。 高齢者の低栄養は要介護につながる 年を重ねるにつれて食が細くなったという人も少なくありません。厚生労働省の調査によると、BMIが目標を下回る70代の割合は男性で約2割、女性では約4割にもなります。 しかし、高齢者の低栄養は、筋肉量や基礎代謝を下げる要因のひとつ。低栄養状態を放置していると体を動かしにくくなり、要介護につながるリスクが高まると言われています。 以上のような高齢者の実情を目の当たりにした日本予防医薬は、食が細くなった高齢者でも気軽に栄養を摂取できるようなスープを開発することにしたのだそうです。 タンパク質を効率的に摂取可能な配分 日本予防医学は、タンパク質を効率的に使って高齢者の筋肉量を増やすためには「炭水化物・タンパク質・脂質」の3つの栄養バランスが重要だと言います。 筋肉をつくるには、タンパク質とエネルギーが必要。また、そのエネルギーは炭水化物・タンパク質・脂質からつくられますが、炭水化物と脂質が不足するとタンパク質がエネルギーを生成するのに使われ、筋肉の材料が足りなくなってしまうそうです。 逆にタンパク質が多すぎても、今度はタンパク質とともに体内でつくられる大量の尿素窒素を排出する必要があるため、腎臓に大きな負担がかかってしまいます。 そこで、日本予防医学が今回発売した「満足感が違う、イミダ栄養スープ」では、タンパク質を体内で合成するのに最適なバランス(タンパク質14%:脂質24%:炭水化物62%)で栄養素を配合。食が細くなった人でも、お湯を注ぐだけで気軽に栄養を摂取できるスープです。 筋肉量を増やすには、タンパク質を摂取すること以外に適度な運動が有効です。健康で長く過ごしていくために、ウォーキングなど手軽な運動を毎日の生活に取り入れてみても良いかもしれませんね。 参考:「腎臓病について」(全国腎臓病協議会)
2023/05/09
介護施設への入居について、地域に特化した専門相談員が電話・WEB・対面などさまざまな方法でアドバイス。東証プライム上場の鎌倉新書の100%子会社である株式会社エイジプラスが運営する信頼のサービスです。