さまざまな分野の研究や調査をおこなっているニッセイ基礎研究所は、高齢ドライバーが安全に運転し続けられるように義務付けられている、運転技能検査の実施状況を分析。その結果、合格率に大きな地域差があることが明らかになったのです。
高齢ドライバーによる事故を防ぐために、身体機能の低下を自覚している高齢者は、運転免許証の返納が推奨されています。しかし、遠隔地などに住んでいて生活に車が必要不可欠な人も少なくありません。
そこで、高齢ドライバーが事故を起こすことなく運転し続けられるように、2009年から「認知機能検査」を導入。また、2022年5月からは、過去3年以内に一定の違反行為をした75歳以上の高齢ドライバーに対して「運転技能検査」を義務付けました。
運転技能検査では、一時停止や右折・左折など基本的な運転技能を確認します。免許の有効期間であれば繰り返し受検できますが、有効期間までに合格しなければ免許を更新できません。
2022年5~12月までに、計7万7083人が受検し6万9041人が合格。合格率は約90%でした。
しかし、この運転技能検査では公平性が課題に。最も合格率が高かった山梨県では合格率が98.5%だったのに対し、最も低かった島根県の合格率は72.1%と、26ポイントもの差があることが明らかになったのです。
ニッセイ基礎研究所は、「今後は、運転技能検査の受検対象範囲が適切か、またこの検査で重大事故を防げているかの検証が必要になるだろう」と述べています。
また、運転技能検査と同じく2022年5月からは、自動ブレーキ機能などの安全運転機能がある、「安全運転サポート車」に限って運転可能な「サポートカー限定免許」をスタート。しかし、2022年5~12月の間にこの免許を取得したのは、わずか14人でした。
これについて、ニッセイ基礎研究所は「サポートカー限定免許で使用できる車種が少なく、多くの人が車を買い替える必要があることや、対象車両以外の運転は認められないことなど免許を切り替えるメリットを感じにくいからではないか」と分析しています。
今後、燃費が抑えられるなどより魅力的なサポートカーが登場すれば、今よりサポートカー限定免許を取得する人が増えていくかもしれませんね。
参考:「サポートカー限定免許について」(警察庁)
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