WHO(世界保健機関)は、新たに人工甘味料に関するガイドラインを発表。血糖値を上げにくいとされる人工甘味料であっても、長期的に摂取すれば糖尿病などのリスクが高まる可能性を示しました。
2023年5月15日、WHOは人工甘味料の使用に関するガイドラインを発表。「人工甘味料の使用は体脂肪を減らすことにはつながらない」という見方を示したのです。
そもそも、人工甘味料とは化学的に合成された甘味成分のこと。「カロリーオフ」を標榜するジュースやお菓子などによく使われています。
このように、さまざまな食品に用いられてきた人工甘味料ですが、WHOがおこなった研究によると人工甘味料を用いても体脂肪の減少にはつながらなかったと言います。
それだけでなく、人工甘味料を長期的に摂取し続ければ、糖尿病や心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こすリスクが高まることも示しました。
WHOの栄養・食品安全局長のフランチェスコ・ブランカ氏は「砂糖を人工甘味料に置き換えるよりも、甘味のない食品や飲料を摂取するなど、糖類の摂取量を減らす方法を検討することが大切だ」としています。
もちろん、健康のためには人工甘味料だけでなく砂糖などその他の糖分の摂取量も抑える必要があります。
WHOは2015年に、1人当たりの「遊離糖類(ブドウ糖や砂糖、シロップ、ハチミツなど)」の摂取量を、総エネルギー摂取量の10%(1日50g)未満に抑えることを勧告。遊離糖類の摂取量を10%未満に抑えられれば、肥満や虫歯などのリスクを減らせると言います。
なお、大量摂取による有害な影響を示すデータが不十分のため、果物や野菜、牛乳などに含まれる糖はガイドラインの対象に含めていないとしています。
さらに、遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の5%(1日25g)未満に抑えられれば、より大きな健康効果が見込まれるそうです。
甘いものが好きな人にとっては、お菓子をまったく食べない生活など考えられないかもしれません。極端に制限する必要はありませんが、健康に過ごすためにも適度な量を食べるようにしていきたいですね。
参考:「Use of non-sugar sweeteners: WHO guideline」(WHO)
参考:「Guideline: sugars intake for adults and children」(WHO)
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