新たな研究で、塩分を摂取し過ぎると神経細胞の機能が妨げられ、認知機能の低下をもたらす可能性が示されました。
この研究は藤田医科大学や京都大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「British Journal of Pharmacology」という学術誌に掲載されています。
筑波大学がおこなった研究によると、全国に住む65歳以上の高齢者のうち、約15%は認知症を患っているそうです。今後も認知症の高齢者は増加すると予測されており、その対策が大きな課題となっています。
認知症対策を確立するために、これまで数々の研究者が認知症に関する研究をおこなってきました。
例えば、今回に関連する研究の中では、食塩の過剰摂取が認知障害をもたらす可能性を示したものもありました。しかし、その具体的なメカニズムまではわかっていませんでした。
そこで、研究グループは今回、マウスを用いて塩分の過剰摂取と認知症の具体的な関連性を明らかにすることにしたのです。
研究グループがマウスを用いた実験をおこなったところ、塩分を摂り過ぎると体内物質が相互に作用して特定のタンパク質の調整機能が乱れることが明らかになりました。
より具体的に言うと、血管や臓器に存在し、体内からの刺激を受け取る受容体の一部に血圧上昇を引き起こす特定のホルモンが結合することで、「タウ」と呼ばれるタンパク質の構造が変化して、脳内の神経細胞の機能が妨げられる可能性が示されたのです。
つまり、神経細胞の機能が妨げられると物事の正しい認知が難しくなるため、結果的に認知機能障害や認知症につながると考えられます。
WHOが推奨する1日あたりの塩分摂取量は5gですが、日本人の平均はその倍である10g程度だと言われています。最近では、おいしさを損なわない形で減塩できる食品もたくさん販売されているため、健康な毎日を過ごすためにも、そういった商品を手に取ってみても良いかもしれませんね。
参考:「認知症有病率等調査について」(厚生労働省)
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