これまで、「糖尿病に一度かかったら薬を一生飲み続けなければならない」と言われてきました。
しかし、新たな研究で、糖尿病にかかってしまった人の中には薬が不要な「寛解」状態にまで回復する人も、一定割合で存在することが明らかになったのです。
この研究は新潟大学の研究グループによっておこなわれ、その研究結果は「Diabetes, Obesity and Metabolism」という医学誌に掲載されています。
今回、研究グループは、糖尿病患者の医療データを収集している「糖尿病データマネジメント研究会(JDDM)」の協力のもと、日本全国の糖尿病専門施設に継続して通院している、糖尿病患者およそ4万8000人の臨床データを解析しました。
すると、日本人の糖尿病患者のうちおよそ100人に1人が、正常な値の血糖値が3ヵ月以上続き、服薬も不要になった「寛解」状態にまで回復していることが明らかになったのです。
研究グループが解析を進めていると、以前から肥満があったものの、体重を大きく減らした患者は特に寛解している人が多い傾向にあることが判明。具体的には、体重の1年間の減量幅が5〜9.9%の⼈は寛解率が2.5倍に、10%以上の減量に成功した人では5.0倍にまで増加したことがわかりました。
さらに、1年間に5%以上の減量に成功した人は、薬が不要な「寛解」状態が長く続くことも明らかになりました。
ほかにも、以下のような特徴がある患者は、寛解状態にまで回復した人が多い傾向にあると言います。
これまで、日本人を含む東アジア人は欧米人に比べて、糖の代謝を促すインスリンの分泌能力が低く、欧米人に比べて糖尿病を寛解する人はかなり少ないと考えられてきました。
しかし、今回の研究ではじめて欧米人と同程度、寛解する人がいることが判明しました。
今回の結果を受けて、研究グループは「たとえ糖尿病と診断されても、早期のうちに生活スタイルを改善したり減量に取り組んだりすることで、インスリンを分泌する力が弱いとされる日本人であっても、糖尿病が寛解する可能性が示されました」と述べています。
また、一度寛解した場合でも、体重を適切に管理して定期的に受診することが糖尿病の再発予防に重要だとしています。
もちろん、できることなら糖尿病にかからないのが一番です。階段の使用やウォーキングなど、簡単なところから運動する習慣をつけてみると良いかもしれませんね。
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