2023年8月17日、大阪公立大学の研究グループが、胸部のレントゲン画像から体内年齢を推定するモデルを開発したことを発表。実際の年齢とAIが推定した体内年齢を比べることで、高血圧などの慢性疾患の進行具合が測定可能だとしています。
今回の研究は、「The Lancet Healthy Longevity」という学術誌に掲載されています。
今回、研究グループは、AIの機械学習を用いて、健康診断などで撮影された胸部のレントゲン画像から体内年齢を推定するモデルを開発しました。
開発にあたって、AIモデルの精度を検証するために、2008~2021年の間に3施設から合計3万6051人の胸部のレントゲン画像を収集。胸部のレントゲン画像と対象者の年齢間で現れる特徴を学習させました。
評価の結果、開発したモデルは非常に高い精度で対象者の体内年齢を測定できることが明らかになりました。
さらに研究グループは、開発したAIモデルが、疾患がどれくらい進行しているかを測る指標としても有用かどうかを検証。2018~2021年の間に、上述したところとは別の2施設から収集した、何らかの疾患がある患者3万4197の胸部のレントゲン画像を分析しました。
その結果、実際の年齢とAIが推定する年齢の差と、高血圧や慢性腎不全、不整脈といった慢性疾患の進行度の間に高い関連性を示したことが判明。つまり、AIが推定した年齢が実際の年齢より高いほど、慢性疾患がより進行している傾向にあることが明らかになったのです。
一方、尿路感染症や虫垂炎などの急性疾患との間には関連性がみられなかったと言います。
今回の結果を受けて、研究グループは「この研究をさらに発展させて、余命や合併症の予測にも応用していきたい」と述べています。
胸部のレントゲン写真は簡単に撮影できるため、今回の研究がさらに発展していけば、よりスムーズな健康チェックができるようになりそうですね。
参考:「AIが胸部レントゲン画像から体内年齢を推定 重症化リスクを予測するバイオマーカーの開発に期待」(大阪公立大学)
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