2024年度に東京科学大学として統合される予定の東京工業大学と東京医科歯科大学が、認知症やがんなどに有効な新薬の開発を目指す、共同研究組織を設立することを明かしました。
共同研究組織の名称は「中分子創薬コンソーシアム」。既存の薬では治療が困難な病気にも優れた効果を発揮する次世代の医薬品「中分子薬」の開発をしていくといいます。
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ところで「中分子薬」とは、どのような医薬品なのでしょうか?
そもそも、医薬品は病気に有効な物質の大きさで分類され、小さなものから「低分子薬」「中分子薬」「高分子薬」と呼ばれています。その中で、低分子薬は製造コストが低く、従来の飲み薬のほとんどを占めています。
一方、遺伝子組み換え技術などで製造される高分子薬は、がんなどの疾病に高い効果が期待できるものの製造コストが極めて高く、投与手段も注射や点滴に限定され、使いにくいという難点があります。
そこで、現在世界中から注目を集めているのが、今回取り上げる中分子薬です。中分子薬は化学合成による大量生産が可能なため、製造コストも抑えられ、一部は低分子薬のように経口摂取も可能。なおかつ、低分子薬以上に高い効果が期待できるといいます。
今回「中分子創薬コンソーシアム」を創設し、薬の共同開発を目指すのは、東京工業大学と東京医科歯科大学。薬の合成で高い技術を持つ東京工業大学と数々の医学研究をおこなっている東京医科歯科大学、さらに複数の製薬企業が連携して、効果を最大化していくといいます。
今後、両大学の研究者100人ほどの参加を目指し、中分子薬の研究組織としては国内最大規模になる見込みだそうです。
東京医科歯科大学の副学長は「異分野の研究者が日常的に議論することで、技術革新につなげていきたい」と話しています。
医療が発達すれば、それだけ高齢者が長く健やかに生きられる社会の実現に近づきます。今後の動向に注目していきたいですね。
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